OB・OG訪問

2005.11.11

的を絞った質問。

「警備員に道を聞くこと。」というコラムに、以下のような質問コメントがありました。

はじめまして、ゆりと申します。毎回楽しみに拝見させていただいています。

今回はOB訪問の件でお伺いしたいことがあり、コメントしました。
それは、知りたいことに対してどのように質問すればよいかわからないということです。
先日OB訪問をしたのですが、求める人物像を聞く際、「求める人物像を教えてください。」と単刀直入に質問してしまいました。すると相手の方を困らせてしまい、自分の考えを明確にする情報も得られず、有意義なOB訪問とは言えませんでした。
そのため、次回はどのようにすればよいのか悩んでいます。もっと的を絞って質問をすべきだとは思っているのですが、では具体的にどう絞ればいいのかが分かりません。

この点について、ぜひアドバイスをいただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

名前: ゆり | 2005年11月 8日 午後 02時23分

一本コラムが書けそうな質問でしたので、本編でご回答します。

OB/OG訪問は、学生にとっての職業観や社会観を確立するための調査活動の一種だと言えるでしょう。誰かが知っている絶対的真実を探し当てるのではなく、様々な人の意見を総合して自分なりの答えを導き出すことが目的です。当然OB/OG側もそこは心得ており、「答えを教えてくれ」という姿勢には距離感を置くのが自然です。

もし一言加え「**さんの求める人物像を教えてください。」と尋ねていたらどうでしょう。このような形で聞かれるのであれば、相手もあくまで個人の1意見として噛み砕いてくれるはずだと、様々な考えを示してくれるのではないでしょうか。

以前に「社会に、『正解』はない」というコラムを発表していますので、こちらも参考にしてください。

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2005.10.29

警備員に道を聞くこと。

広告労協Fさんが、自治会掲示板に「OB/OG訪問をするのだが何を聞いたらいいか分からない」という質問に、以下のような丁寧な回答を寄せていました。

OB/OG訪問の仕方の補足です。 / 広告労協F
No.1028 2005/03/24(Thu) 06:35

社員を紹介する場合、「何を聞きたいか」で、「誰を紹介するか」が決まってくるので、その辺りを明確にして欲しいという事かと思います。
全てに答えられる社員もいないと思いますので、有意義なOB/OG訪問にするためには、目的を明確にしておいた方が良いと思います。

<例>
1)志望職種について→特定部署の社員
2)選考について→最近入社した若手社員
3)社風について→一定年数その会社に勤務している社員
4)勤務実態→基本的には志望職種の社員だが、女子の場合はそれ以上に同性が望ましい。
5)会社の特徴→この項目は社員によって認識の違いがあるので注意。受験者側が捉え直す必要がある。単刀直入に「御社の強み、弱みを教えて欲しい」と言われて、客観的に答えられる社員は少ないです。特に弱い部分を社員が認識できているかは難しいです。

このFさんの書き込みを見て、OB/OG訪問はうっかりすると「警備員に道を聞く」ようなものになっているのではないかと思いました。

会社の前や道路工事現場にいる警備員が近辺地理に詳しいとは限りません。しかし道に迷った人はなぜか「たまたまそこにいる」警備員に道を聞きます。この理由は3つ考えられます。

1つ目は「なんとなくお巡りさんに似ているから」という全くの誤解
2つ目は「ここで働いているのだから近辺のことを知っているだろう」という根拠のない期待
3つ目は「そこにいるのが仕事なので、逃げずに話を聞いてくれるだろう」という都合のよい状況

一方の警備員側も、尋ねてくる人があまりに多いため、よく聞かれる建物などはすっかり覚えてしまったり多少自分で下調べをしたりして、できる限り答えてくれます。しかし人に感謝されるといい気分になるものであり、調子に乗ってよく知らない場所でも親切心で適当に答えたりし、その結果人は余計道に迷ったりします。この場合でも、警備員に道を聞いた方の自己責任は免れません。

OB/OGは先輩社員ですので、親切心で何でも答えてあげたいと思う気持ちがあるでしょう。しかし分からないことをきちんと分からないと言ってくれる人でなければ、鵜呑みにした学生がとんでもない迷子になる可能性もあります。原因はどちらにあるかと考えると、やはり「適切な人に適切な質問をしなかった」学生側の自己責任だと言わざるを得ません。

就活期間は短く急ぐ必要があるからこそ、目の前にいる人に意見を聞く機会は貴重です。これからOB/OG訪問する学生は上記Fさんのアドバイスを読み返し、「その」OB/OG訪問の目的を明確化した上で、短い時間を有効活用できるよう準備しましょう。

またFさんのアドバイスはこれまでのOB/OG訪問を振り返る上でも重要です。あの時聞いた自分の質問はそのOB/OGに適切だったのか、思い返してみてください。

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2005.10.27

「割り勘OB・OG訪問」のススメ。

(1)学生・社会人にとっての、OB・OG訪問の問題点。

OB・OG訪問が就職活動に重要なことはあらためていうまでもありません。しかし、OB・OG訪問には、学生・社会人側にそれぞれ問題もあります。

<学生側の問題>


  • 自分の先輩や縁故関係といった、偏ったコネクションでのOB訪問になる。

  • たまたま会った先輩の話だけでは、視野が広がらない。

  • OBがいない会社の社員に会うことはできない。

  • 関係の薄い先輩を見出すのは困難。

<社会人側の問題>


  • 1人相手にしようと、複数人相手にしようと同じ。別々に訪問されるほうが時間的負担が大きい。

  • 一方、複数の学生を相手にすると、食事やお茶代の負担もバカにできない。

  • 関係の薄い学生から無秩序にOB訪問の申し入れがあっても困惑する。


特に、学生側も社会人側の問題点を認識しているために、遠慮することでOB訪問自体の機会が少なくなっているという悪循環になっているということも考えられます。

(2)学生・社会人の間で、OB・OG訪問の「メソッド」を整備へ。

しかし、社会に出ようとしている学生に、先輩たる社会人が協力するのは当然のことです。また、学生にとって就職活動に切磋琢磨できる仲間の存在が必要であり、さらにはそこでできた友情は一生モノとなっていることも多く見られます。

これらのことから、学生・社会人間のOB訪問の「メソッド」を整備することが、学生のよりよい就職活動のために有効なのではと考えています。

(3)「割り勘OB・OG訪問」のススメ。

このコラムでは、「機会」と「費用」をシェアする、「割り勘OB(OG)訪問」というメソッドを提唱します。

●「機会」の割り勘。


  • 4~5人程度の、就職活動グループを作る。大学や性別が偏らないほうがよい。

  • 1人の学生が開拓したOB・OG訪問に、全員で行く。

  • グループのメンバーはそれぞれがOB・OG訪問先を開拓する。

  • 開拓できなかったメンバーは、他のメンバーに食事をおごる(笑)。



「4~5名程度」としたのは、社会人側の受け入れ人数の常識範囲と、学生全員が主体性をもって動ける人数の限界を想定したものです。

●「費用」の割り勘。


  • 窓口となった学生(幹事)は、「割り勘OB(OG)訪問」という形で4~5名で同行することを申し入れる。食事・お茶代は、学生分については学生の「割り勘」であることを先方に伝える。(「割り勘にするので、複数名で来るのを了解してほしい。」と申し入れる。)

  • 訪問当日は、幹事が小銭も含めて用意しておき、その場でかかった学生側の食事・お茶代を幹事が一括して支払う。学生間は後ほど精算する。


しかし、学生から「割り勘」といわれて、いったん断らない社会人はいません。社会人に「費用のことは気にしなくてもよい」と言われたら、

『割り勘OB(OG)訪問』は、機会と費用の2つを割り勘にすることで、多くの社会人の方と会うための自主的なルールなのです。大勢で押しかけるご迷惑をおかけしますので、ぜひ費用は割り勘で負担させてください。」

と、再度念を押してみましょう。快く受け入れてもらったとしても、複数名で来ることが先にわかっていれば、会社の会議室などをとり、会社のお茶などを出すなど、学生の費用が発生しないようにすることもできます。

また、実際に外の喫茶店などで会った場合には、何を言われても学生分は自分たちで支払ってください。そのためには、幹事が段取りよくお金を出してください。各人でメニューが違っても、だいたいの金額合算をさっと出しましょう。「経費で落とすから」といわれたとしても、そもそも本来経費で支払えることではありませんし、経費節減はどの会社も極めて厳しい状況にあります。したがって、結局相手はすべて自腹で支払うことになります。このようなことを理解したうえで、大勢で訪問させてもらったことを前提に、学生分は必ず自分たちで支払うという原則を貫いてください。なお、社内で出たコーヒーなどに支払う必要はありません。

(4)「割り勘OB・OG訪問」で、社会人の受け入れの拡大へ。

この考え方は、広告業界へのOB・OG訪問に限ったことではありません。また、このような動き方を、すでに自主的にやっている学生もいるでしょう。

このコラムでは、むしろ「社会人側に」学生の就職活動をもっと認識してもらい、協力・支援してもらうムードをつくることを意図としています。このような形で申し込んでくる学生を暖かく受け入れてくれるよう、今後広まっていければと思います。

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2005.10.25

バイオリンの発表会。

ピアノという楽器はタイプライターと同じく鍵盤を押すと決まった音程が出ます。当然音色や強弱・リズム感といった要素は訓練によって体得していくものですが、とりあえず押せばちゃんとした音程が出るので初心者にも取り扱いやすい楽器と言えます。

一方バイオリンは自ら弓で弦を弾いて音を出す楽器です。しかし初めての人が弾こうと思ってもそれは騒音にしかなりません。弾くというよりも「こすりつけている」「引っ掻いている」行為にしか過ぎません。バイオリンでは、まず音を出せるようになるまでに厳しい練習が必要なのです。

コミュニケーションを音楽で例えるなら、言葉は楽譜、声は楽器。そして音程は正しい言葉使い、音色は感情豊かで説得力のある表現だといえるでしょう。曲がよくても演奏家が下手なら音楽は台なしであるように、どんなに机上で文章を練ろうとそれを声に乗せてどう表現するかで、言葉は生きも死にもします。音楽もコミュニケーションも、記号だけでは完結せず、実践して初めて価値をもつものなのです。

しかも就活生が使う楽器はピアノでなく、バイオリンです。キラキラ星一つ演奏するのも簡単ではありません。普通にやっても引っ掻き音にしか聞こえません。学生口調にお仕着せの言葉を乗せても、メッセージとして聞こえてこないのです。

模擬面接会という発表会でバイオリンの音程と音色が聞こえた学生は全体の2割以下でした。音楽に聞こえてはじめて曲の善し悪し・演奏の善し悪しを評価できます。それ以前の学生はいくら楽譜の方をいじっても無駄だと言わざるを得ません。

バイオリンの音程と音色を奏でられるようになるためにはどうしたらいいか、この答えも同じく音楽にあります。それは目と耳を使って人から学び、自分で実践練習するしかありません。

そのための最もよい機会は社会人と話すこと、とりわけOB/OG訪問です。OB/OG訪問では社会人の話し方のリズムや抑揚、言葉の選び方を学ぶ場でもあります。どのような話し方が「言葉」を「メッセージ」に変えるのか、実際にライブで見て聞いてみなければ分かりません。

そしてあなた自身の話の内容と身振り手振りも含めた話し方についてOB/OGに率直な意見を求め、発表会に臨める「音程・音色」になっているか尋ねてください。

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2005.10.23

「フィルター」と「バネ」。

先日ある広告業界の方とお話していたところ「2次面接の面接官をやったことがあったけど、いやーみんな優秀でねぇ、3分の2ぐらいは一緒に働きたいと思ったよ」とおっしゃっていました。

私もその気持ちは非常によく分かります。「臨死体験」との定評がある広告労協の模擬面接ですが、過去2次面接以降で開催した模擬面接会では、資質でいえばそんなに差がないというレベルでした。

逆に言えばそれくらい1次面接のフィルターは強烈です。人気業界であればあるほどフィルターはさらに厳しくなり、2次面接からはじめてじっくりとした人物評価を開始するのでしょう。

誰でも応募できる模擬面接で私が口にできる最大級のほめ言葉は「1次面接で落ちるようなことはまずないでしょう」というものです。このような評価に該当する人は現時点ではたいてい10%未満であり、同席している他の模擬面接官やアシスタントと見解がぶれたことはかつて一度もありません。広告労協という存在を知り、自ら参加してきた学生を母集団として、この状況です。1次面接を通過するということは、5人中~10人のグループの中で誰も異論のないトップになるということなのかも知れません。

しかし過去の労協生の例を見ても、模擬面接でダメダメだった学生が見事内定を得た例は枚挙に暇がありません。努力によって1次面接を通過できるようになった学生は、普通に通過した学生よりも勢いがありますその学生は1次面接の強烈なフィルターを自分に勢いをつけるバネに変えたのです。上述のようにそもそも優劣をつけづらいと言われている2次面接(以降)ですが、このような学生がきちんと業界研究で企業観や業界観および職業観を身につければ、勢いがある分他の1次通過者より輝いて見えることは大いにあります。

1次面接の壁を乗り越えるにはまずその壁がどれだけ高いかを認識することから始まります。自分の立ち位置を知り、その高さに絶望する事なく不断の努力でコミュニケーション力を磨き、「同時に」業界研究を進めていってください。これを同時にできるのがOB/OG訪問に他なりません。

あなたは何人業界の人と会いましたか?

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2005.10.21

予習・復習。

みなさんはこれまでの学業で、予習と復習どちらを重視してきたのでしょうか。

私が真剣に勉強していた高校3年生までは(苦笑)、私自身は予習の方を重視していたと思います。学校での授業はその確かめのようなものであり、正直言って復習というものをやった記憶はあまりありません。しまいには授業とは全然関係ない問題集をやり、自習と授業がパラレルに進行していたような気がします。

特に受験勉強というものは、学習参考書や過去問題集も充実しており、授業だろうが参考書だろうが「書いてあることをマスターする」ことが入試を突破する必要十分条件といっても過言ではないかもしれません。

しかし「就職」という「受験」ではどうでしょうか。

「業界本」という名の参考書は豊富にありますが、1つの企業を掘り下げたものでもなく所詮業界研究の一部に過ぎません。特に面接が重視される広告業界では、そこに書いてあることを丸暗記してもほとんど役に立ちません。そもそも学生と社会人の間の壁は学生の想像以上に高いものです。書籍などでの「予習」で自己満足しているようではまずゴールにたどり着くことはできないでしょう。

大事なことはむしろ「復習」の方です。OB/OGなど社会人と実際にコミュニケーションをとった後に、学んだこと・感じたこと・失敗したことなど、その貴重な経験を復習することがもっとも効果的な血となり肉となります。そのような経験の中で書籍などによる業界研究を進めていけば、もっとリアリティをもって身につくことでしょう。

就職初期段階のOB/OG訪問は、あえて失敗し復習するための「模擬試験」と考えるべきです。OB/OG訪問の最後に「私の印象や注意すべき点を率直にご指摘いただけますか」と聞いてみてはいかがでしょうか。きっとその先輩は真摯に答えてくれると思います。

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2005.10.19

人材像の最大公約数は。

数字を10個無作為に挙げれば、その最大公約数は多分「1」です。このことを「互いに素」といい、共通の要素(約数)が「ない」ことを示します。

さまざまな業種の採用試験で同じことをいっても通用しません。業種によって求める人材像が違うからです。さらに細かく見れば、同じ業種でもそれぞれの会社によって違います。様々な業界で求められてる人材像の最大公約数はきっと1程度なのです。

かねてから私は「業界を絞らない就活アドバイスは存在しない」と思っています。

就活アドバイス本は書店に多数並んでいます。確かに自己分析の手法や社会人と接する時のマナーなど、ゼロベースの学生には必須アイテムだと思います。しかしそのようなことは採用する側の立場から言えばできて当たり前、面接のスタート地点に過ぎません。

本当に大事なことは業界研究と会社研究、その結果として自分がその会社にどう貢献できるかを見つけだすことです。選考の初期段階では人物像で見ることがあっても、さらに上の段階では会社研究の不十分さは必ず見透かされます。「どこに行っても同じことを言ってるな」と思われた瞬間に、面接は終了です。

広告業界はもともと会社情報が少ないので、会社研究にも不自由することは事実です。その会社の人事担当ですらその状況は理解していることでしょう。しかしごくわずかでもその会社固有のこと調べ志望動機に交えてプレゼンできれば、人事も人の子、何かしら自分のことを理解してくれる(しようとしている)姿勢を評価したくなるのではないでしょうか。

業界・会社研究は就活の要。自己分析レベルで息があがってしまうことなく、そこに求められている固有の人材像をはっきり認識しましょう。それにはやはりOB/OG訪問が成否の別れ道となります。本やネットに頼ることなく、自分の目・耳・足で情報を稼ぐことが重要です。話すときのリアリティが決定的に違います。

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2005.10.17

OB/OG訪問、基本中の基本。

模擬面接会などを開催すると、本当に内定する人は会が終わった後に分かるものです。その分かれ目は、「後日、あらためてお礼がいえるかどうか」という点です。

ビジネスの関係では、相手に特にお世話になったりご馳走してもらったりすれば、必ず通常は「翌日の朝までに」あらためてお礼をするのが当然の礼儀です。実際に会っているときにいうお礼はだれでもでき、「儀礼」的なものにすぎません。それを後日改めて感想などを交えてお礼をしてはじめて「礼儀」になるのです。

ITを使うことで、今や一般消費財メーカーですら「CRM(Customer Relationship Management)」に取り組み、直接接触をもってくれた顧客と長期のリレーションを取ろうとしている時代です。あなたがOB/OG訪問をした先輩がそのようなクライアントに必死に取り組んでいるとすれば、後日お礼も感想も言わないあなたに対して「あんなヤツいらない」と思うことは間違いありません。あなたはその人の後輩になろうとしているわけですから、きちんと礼儀を尽くさないこと自体、社会人になることへの真剣味が足りないといわれても仕方がないでしょう。

電子メールでお礼をいうのも今ではすっかり許容範囲です。この手のものは早ければ早いほど効果的です。まずはあなたの手に握っている携帯からでもいいですから、できれば12時間以内に一言お礼をいうようにしてください(12時間以内にまた飲んでいる人は稀ですから(苦笑))。

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2005.10.15

取り違えていませんか、「OB/OG」の意味。

募集要項で、「OB/OGの紹介は実施していません。各大学の就職課でお調べください。会社説明会も実施いたしません。」としている会社は結構あります。

しかし学生にとってのOB/OG訪問はその会社のことを研究することに他ならず、学校の先輩と旧交を温めるためではありません。すなわち就活におけるOB/OGの定義は「その会社の現役社員」そのものであり、出身大学はどこでもいいわけです。

もともとOB/OG訪問という言葉は、様々な大学で新卒採用実績のある大企業への就職にしか当てはまりません。比較的小さい規模の会社の募集要項に「OB/OGの紹介も会社説明会もない」と書けば、OB/OGのいない学生には「当社は社員による説明も、会社による説明もするつもりがありません」と映っているのではないでしょうか。逆に見れば、「新卒採用実績のある大学以外はフォローしません」とも受け取れます。

そもそも広告業界は黒子の役割であるため、具体的にどんな広告に携わっているのか、主要取引先はどこかなどはHP情報からも分からない場合が多いでしょう。実際に働いている社員に多少でも会っておかなければ、その会社のことは何も分からないといっても過言ではありません。このような会社が、採用面接で「なぜ当社なのか」「どんな部署を志望しているか」、ましてや「誰か社員には会ったのか」といった質問をするのはもはや悪い冗談とも言えます。

とはいえ実際に受け付けたら、大量の学生の問い合わせをさばききれない・説明会の会場を確保できないと思う採用側の気持ちも分かります。しかし様々な学生を見てきた経験から言えば、何も書かなければOB/OG紹介の問い合わせが殺到するということも(超有名・超人気企業でない限り)ありえないと思っています。もちろん安易に社員を紹介すると書けば殺到するでしょうが、「何も書かない」という方法もあるはずです。

自らOB/OG紹介の問い合わせをしてくる学生は、他の学生よりはるかに行動的で、より大きな関心を寄せている人物です。リクナビをはじめとしたネットでの就職活動が全盛となっている現在、自ら電話をして企業にアクセスし交渉するというだけで、基本的な行動力とコミュニケーション力を持っていると推定できるのではないでしょうか。

新卒での採用実績大学数が少ない会社は、OB/OG訪問の門戸を閉じてしまわないことで、いい人材を早期に発掘することができると思います。採用人数が若干名というのであればなおさらでしょう。採用担当の方には、OB/OGの固定観念にこだわらず熱心な学生のニーズに応え、第一線の社員の時間を割いてもらい会っていただければと思います。

会社説明会も、最初の筆記やエントリーシート選考直後に開催するなど、現実的な人数を対象に実施するアイデアはあるはずです。また第一回広告労協就職フォーラムや今年度読売エージェンシーの会社説明会が実施された「シニアワーク東京(飯田橋)」の地下大会議室は、250名程度を集めることができ、プレゼン設備も充実した施設です。就職説明会という目的であればホテルの会議室より格安に実施できると思います。ぜひ検討してみてください。

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2005.10.13

釣書と社風。

就職活動、求人活動を全体としてみれば、求人・求職者の「お見合い」といえるでしょう。

「釣書(つりがき)」とは、「縁談などの際に取り交わす身上書(しんじょうしょ)。つりしょ。つり。(三省堂提供「大辞林 第二版」)」とのことです。学生側の釣書はエントリーシート、そして会社側の釣書はホームページや冊子などによる会社案内に相当します。

お見合いは「見合う」ことを抜きにしては成立しません。結婚生活は長きに渡るものであり、いかに立派な経歴であろうと、自分の価値観と照らし合わせ、長く一緒にいられる相手かどうかを見極めなければいけません。それには「会う」こと以外に判断する方法はありません。

同様にOB・OG訪問の最終的な目的は、その会社の社風を感じとることだと思います。会社には必ずそれぞれ独自の「社風」があります。学生の皆さんは「会う」ことを通じて会社の社風を見極め、自分に合った職場かどうかを判断してください。そうすれば「A社とB社はどう違うか」という質問には、おのずと答えが見えるはずです。

ただし社風を感じるためには、複数のOB・OGの方と会う必要があります。(私自身を含め)あまり特定のOB・OGに影響されず、慎重に企業研究を進めてください。

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