2007.10.02

ANY=朝日・日経・読売の提携。

2007年10月1日、衝撃的なニュースが報道されました。日経ネット記事より。


日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社の3社が1日、共同事業の開発・実行と業務提携の推進について交わした合意書の内容は次の通り。

第1 3社は、インターネット及びその他の電子媒体におけるニュース発信等に関し、共同事業を開発・実行し、インターネット分野での新聞の存在意義を高めるとともに、この分野での収益性の向上をめざす。ただし、3社が、この共同事業以外に、それぞれ独自にインターネット及びその他の電子媒体における事業を展開することは妨げない。

第2 3社は、新聞配達の共同化等、新聞販売に関する業務提携を、地域を選択しつつ漸次推進し、新聞宅配網の維持・強化をめざす。

第3 上記の共同事業及び業務提携は、いずれも、国民に正確迅速な報道と多様な言論を提供するとともに、新聞事業の健全な発展を実現することを目的とする。この目的に沿う限り、3社以外の新聞社等が将来参加することを排除しない。

ネットにおけるジャーナリズムがポータルサイト経由で伝えられ、新聞社の位置づけが空洞化しつつあることへの危機感と、部数減に伴う宅配流通網の生き残りに先手を打ち、歴史的な提携を結びました。

これらは朝日、日経、読売の3社の頭文字をとって「ANY」と呼ばれているようですが、これは合意内容にある「3社以外の新聞社が将来参加することを排除しない」という条項からして見事に「ANY(どことでも)」を意味しており、さらにはM新聞にも参加を促し「MANY(多くの)」とする布石なのかと憶測しています(苦笑)。

この歴史的な動き、広告業界を目指す就活生は必ず今後に注目しておいてください。

| | コメント (0)

2006.09.23

「国旗国歌の強制」問題を、ちょっとだけ解決する方法。

2006年9月21日、「国旗国歌の強制は違憲」という東京地裁判決が出たのを機会に、2004年4月9日に発表したコラムを再掲載いたします。校長・教職員・教育委員会の皆様、真正面から争わず、お互い知恵を出すことで何とか解決する方法を考えてみたらいかがでしょうか。

----------------------------

卒業・入学式のシーズンになると、マスコミでは必ず国歌斉唱をしなかった教師への処分といった記事・報道がされます。さまざまな考えの人がいてもいいと思いますが、処分といったことになれば話の次元は別です。また式は教育関係者だけのものではありません。以前よりこの問題は「知恵」でなんとかならないものだろうかと思っていました。そして先日自分の子供の小学校の入学式に出席したとき、(特に問題が合った訳ではありませんが)ふとそのアイデアを思いつきました。

国歌斉唱問題の現象面のほとんどは実は「起立するかどうか問題」に帰結します。このことで式進行に対し応じる応じないがはっきりするからです。実際に歌っているかどうかなどはそもそも確かめようのないことです。

それであれば起立したままで国歌斉唱の次第に進行すればいいのではないでしょうか。国歌斉唱の直前に全員起立する次第をもってきて、着席させずにそのまま国歌斉唱に移ればいいのです。

校歌斉唱でも開式のあいさつでもなんでもいいでしょう。職員と生徒が起立する次第の直後を国歌斉唱とし、職員と生徒が立ったままで、その後「ご父母・ご来賓もご起立ください」と進行すればスムースにいくはずです。歌う歌わないは最終的には個人の考え・信念で選択すればいいでしょうが、式全体が動揺するようなことは回避できます。これにより学校側も体面が保てますし、国歌斉唱に意見がある人も積極的に波風を立てることを避け、同時に自分の意志に背くことを避けることが可能だと思います。

もちろんこの方式でも自ら着席する方はいるでしょう。あくまでこの方法は「部分的な妥結案」の提案に過ぎません。しかし、イデオロギーのぶつかり合いは時に第三者の目から見て両方とも反感を買うことがあります。学校・教員双方はその現実を見据えて、できる範囲の落としどころとして検討してみてもいいのではないでしょうか。

難しい状況だからこそ当事者には見えない視点で提案する。広告業界を働くものとして、そういう「知恵」を(無駄打ちを恐れず)どんどん出せるようになりたいものです。国歌斉唱問題は、メディアにおけるジャーナリズムとコマーシャリズムの背反性にも近く、これをきちんと調整(=業界用語で「仕切り」)できるのは広告業界だけです。喧嘩早い人よりも仲裁する人の方が広告業界に向いているかも知れませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.22

2005年の日本の広告費は5兆9,625億円、前年比1.8%増。

2006年2月21日、電通は「2005年日本の広告費」を発表しました。

主な数字としては、


●日本の広告費は5兆9,625億円、前年比1.8%増、2年連続増
●マス4媒体は前年比99.3%、テレビが3年ぶりに前年実績を割り込み
●インターネット広告は2,808億円、前年比154.8%の続伸
 SEM(検索連動広告)は590億円、費用対効果を重視する広告主に完全に定着

といったあたりでしょうか。

日本の広告費ぐらいは、ぜひ覚えておきたいところです。
語呂合わせとしては、

(これまでの)ご苦労に、GO!
なんてのはいかがでしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.01.27

本blog、創出版より書籍として発売。

2003年12月21日より毎日発信してきました「広告業界就職ノススメ。」ですが、創出版のご協力によりこのたび書籍として出版することとなりました(定価1200円)。就職活動中に何度も読み返してもらいたいものだけを厳選、また過去フォーラムだけで配布した未発表ブログ「5%のロシアンルーレット。」も収録しています。

1月29日の京都フォーラム、2月1日のマス読ライブ(創主催)、2月12日の東京フォーラムで先行販売します。私の買取分ですので、ぜひ会場でご購入をお願いします(苦笑)。

まことに勝手ながら、この出版化をもって、本blogは原則として2日に1回程度内定者報告をご紹介する形とし、時間の余裕ができたら新作などを発表させていただきます

なお今のストックですと3月末に終了ということになってしまいます。06生、いやそれ以前のOB・OGの方でも結構ですので、広告労協のページから投稿をお願いします。もちろん07生の早々の内定報告も待っています!

本blogもひとつの区切りとなりましたが、今後ともなにとぞご愛読いただけますようお願いします。

| | コメント (9) | トラックバック (2)

2005.09.12

民主党の敗因は。

今回の解散総選挙は、自民党の歴史的勝利となる模様です。小選挙区制における「Land Slide(地すべり)」が起こり、これまで無党派層の受け皿が民主党から自民党になったとの分析があります。

民主党が野党第一党として政権を獲りたいと思うのは当然です。したがって郵政以外の論点を前面に打ち出しての選挙戦も理解できるところでもあります。しかしそもそも今回の選挙で政権奪取を目指したことに戦略のミスはなかったでしょうか。民主党自身が解散に持ち込んだことに問題はなかったのでしょうか。

郵政民営化は小泉総理のかねてからの持論であり、民間にできることは民間にという、極めて当たり前の主張となっています。民間になったら地方の切捨てなどというのは仮定の話にすぎず、公共事業の削減は地方無視といった、従来の自民党に似たトーンすら感じられます。

民主党自身が言っていたとおり、郵政民営化はもしかしたら「改革の本丸」ではないのかもしれません。しかしそれならばむしろ小泉総理の引退の花道として郵政民営化については先の国会で通しておき、小泉時代の終焉を演出した方がよかったといえるでしょう。反対派を内包している自民党と、革新政党としての民主党。この構図のまま政権奪取を狙えばよかったはずです。

民主党をはじめとした反対で、支持率が低下していた小泉政権の存在感が急速に高まったのは事実です。自民党内の反対派の動きを見越して解散を予想していたのでしょうが、自民党分裂という局面に浮き足立ち、その分裂が自民党を新たな革新政党に変化しうるものという読みと、世論のマーケティングができていなかった点が敗因だと考えています。

あの時、与野党で大枠の妥結をした上で郵政民営化法案が通り、自民党内での世代交代論が出てきていれば、民主党に政権奪取の目があったのではと思えてなりません。今回の惨敗は大きなイメージダウンにもなり、その回復には相当時間がかかりそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.09.10

選挙ネーミング。

衆議院選挙投票日まであと1日。候補者の演説もマスコミの報道も日増しに大きくなり、今日が最高潮を迎えることでしょう。

解散総選挙があるとマスコミはまずそれを○○解散・○○選挙と命名します。そのネーミングは、古くは吉田茂首相の「バカヤロー解散」といったセンセーショナルなきっかけや、2003年「マニフェスト解散」のように野党の思惑に乗ったものなどがあります。しかしそもそもこれら「命名」はなんら公式のものではなく、いずれもマスコミ発のネーミングと言えます。

今度の選挙については、小泉首相自身が「今回は郵政民営化を問う、郵政解散です」と公式の場で命名しました。これによりマスコミが戸惑ったことは間違いありません。それは自分たちの役割であり、自身が考える論点に沿ったものにしたいと思っているからです。しかし今回は小泉首相に先手を打たれてしまいました。

小泉首相は、マスコミが決して「郵政解散・郵政選挙」というネーミングにするわけがないことを想定した上で、先手を打つことで最悪の場合でも他のネーミングと「相打ち」にすることを狙ったのだと思われます。実際、今回選挙活動最終日に至るまで一本には定着しませんでした。このネーミング戦争はドロー、もしくは小泉首相の策略勝ちと言えるのではないでしょうか。

それだけネーミングの価値は大きく、全体に影響を及ぼすことができるのです。政局の主役として自らネーミングした小泉首相のコミュニケーション戦略に、私は極めて「広告的」なセンスを感じています。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2005.08.23

9月17日、関西07生勉強会開催。

06生の就活シーズンは秋採用という新しいフェーズに入ってきていますが、すでにこれまでにも多くの内定報告をいただき、力試しで秋を受けている学生もいます。新卒という権利がある間に、ぜひ納得いくまでがんばってください。

04生からまとまった統計がある広告労協ですが、(業界内外を含む)内定報告者を分類すると、関東:地方の比率は04生で73:27、05生で56:44、そして06生(8月22日現在の報告者)ではついに49:51と地方の人数が越えています。3回目を数える関西(大阪1回、京都2回)でのイベントと先輩の口コミで、地方で広告を志望する学生に頼れる存在となってきたのだと思います。

しかしどんなに広告労協が地方学生支援を表明しようと、やはりそう頻繁にはフェイストゥフェイスのイベントを開催することはできません。また就活シーズンが始まってからは、先輩たちはすぐ社会人となり、一番大事なときに情報を得にくくなるということもあります。

このため広告労協では9月から07生へのサポートを開始し、フォーラム開催以前に06生と一緒に07生へのサポート企画を実行していきます。その最初の行事として9月17日に関西地区07生向けの勉強会を開催することを8月19日に発表しました。関西06生(一部関東からも参入)も07生の面倒を見たくてうずうずしています。そのような機会を逃すのはあまりにもったいないことです。スーツでの参加が条件ですが、ぜひご都合をつけてみてください>関西07各位。

今年の3月27日の「広告労協サイトも、同じだけ読んでください。」でも書きましたが、私の(私的な)blogだけを読んでいると労協の行事を見逃すことにもなります。「メーリングリストを使わない」ことも広告労協のポリシーです。見逃していた関西学生はこれを機会にきちんと労協サイトも見るようにしてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.17

コンビニ国営化法案。

私の大学時代の友人で、現在鹿児島県薩摩川内市祁答院町(けどういんちょう) で「Yショップありかわ」というコンビニチェーン店の店長をしている人物がいます。彼のblog「★コンビニ!?「Yショップありかわ」店長奮闘記★」では、サラリーマン生活を辞めて始めた家族経営で、休むこともままならない大変な中にも、楽しく過ごしている様子が生き生きと伝わってきます。

祁答院町の地図を見る限り、福岡の田舎出身である私ですら想像を絶するド田舎のようです。本当にこのような場所で採算がとれるのか。地元に密着することが主要な経営方針に違いありません。

上記地図を見るとこんな田舎にも郵便局はあるようです。このような地域の郵便局は地元で極めて重要な位置づけにあることは間違いないでしょう。コンビニも郵便局も住民にサービスを提供する貴重な機関であることには変わりありません。

小泉首相は8月8日衆議院解散を受けた記者会見でもはっきり「私は郵便局は国民の資産だと思っている。過疎地でもなくなりません」と言っています。その重要性はこの地図を見ても分かります。しかし小泉首相の言葉を借りるならば、郵便局は「本当に公務員じゃなければできないんでしょうか。」

自民党の反対派は「民営化すると田舎の郵便局がなくなる」と言います。マスコミも「過疎地が切り捨てられる」と安易に報道しています。そのような報道を見るたびに私は友人のことを思い出します。競争が少なく地元では重要な役割を果たしているにもかかわらず薄利で休みも取れずに働いているコンビニ経営者と、公務員として何のリスクもなく収入が入り休暇も多い郵便局長。地方の小規模店舗の最大の悩みは後継者不足ですが、特定郵便局であれば自分の子供に公務員と局長の座を譲ることもできます。

「民営化すると過疎地の郵便局がなくなる」と主張する郵便局関係者は、公務員の身分でなければサービスする気が起きないと言っているのと同じです。郵政事業は国民から見ればサービス業そのものなのに、仕事が多かろうが少なかろうが職と収入を保証しろというのが公務員郵便局です。また信書は郵便法で個人への手紙を取り扱うのは国家の独占事業と定められているので公務員しか扱えないとするのは、年賀状で短期アルバイトを使っていることからも理屈が通りません。

そもそも配達事業はネットワークがあって初めて稼動するものであり、個々の郵便局の採算が優先されるわけではありません。採算の合わない地域には配送しないでは配達会社として失格です。民営化されることでネットワークが縮小すると考えてるのはあまりに知恵がありません。しかし政治家、そしてマスコミは真顔で資本主義経済の原則と逆のことを平気で言っています。

今「民営化反対」を唱えているのは明確に郵便局関係者とその族議員、そして政権と取りたいだけの野党です。地方の利便性は公務員でなければ保証できないというのであれば、郵政民営化反対議員は、「コンビニ国営化法案」でも提出したらどうでしょうか。もちろん日本郵政公社と同じく地方の切捨てを避けるために都市部を含めコンビニ全店を国家で接収し公務員化する必要がありますが。

私の友人は、郵政民営化をどう捉えているのでしょうか。トラックバックして尋ねてみたいと思います。地方の郵便局が民営化して最初にやることはコンビニ経営かも知れませんので、絶対反対かも知れませんね(苦笑)。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.08.16

blogで政治を語ること。

blogが掲示板に比べ信頼性がおけるという評価が高い理由として、blogはそのライターが継続的に綴る「人格そのもの」であるため、急に無責任な誹謗中傷などを書くことが少ないことが挙げられます。レスポンスもトラックバックという仕組みで「自分自身のblog」で論じられるため、自分のblogの価値を下げないよう無責任なことは書かない傾向にあります。かつてニュースキャスターの筑紫哲也氏がインターネットの掲示板を「便所の落書き」と評しネットでバッシングされましたが、当時から考えるblogという「仕組み」によってネットでの言論活動システムが整ってきたと言えるでしょう。

今マスコミで注目されているのは郵政民営化法案の参議院否決による衆議院解散総選挙ですが、blogが普及して初めての総選挙ということもあり、ブロガーたちが一斉に国政を語り出しました。technorati(テクノラティ)などのblog情報アグリゲートサイトは選挙関係のblogエントリーの最新更新状況を提供しています。今やblogに書きさえすれば、総選挙に極めて関心の高い層(その多くは無党派層かつ自身がブロガーなのでしょう)に訴求できる状況となっています。

現在blogでの評価は圧倒的に小泉自民党支持のようです。このような形で意見を発信できるのであれば、郵便局関係者が一斉に匿名blogを立ち上げネット中で民営化反対を論じて小泉支持論をかき消すことも可能です。単純なblog意見「数」では世論を読み間違うこともあるでしょう。しかしblogはあくまで執筆者の個性と人格があって初めて評価されるものです。人格のないblogは落書きと同じです。アジテーションのためだけにblogを立ち上げても、いずれネット上の組織票とばれて反感を買うでしょう。

いまやblogによって普通の人の政治的意見が社会に届く時代になったと言えるかもしれません。継続的で人格のあるblogほど、その意見はネットの中で注目されるでしょう。選挙権のある学生の方々もぜひ自分のblogで国民的議論に参加してみてはいかがでしょうか。

| | コメント (1) | トラックバック (3)

2005.07.18

厚生労働省殿、胸部X線見直しの前にやっておくことがあるでしょう。

7月17日に「胸部X線:健康診断で廃止検討、有効性に疑問 厚労省」と報道されました。

 胸の病気の早期発見を名目に毎年1回、職場の健康診断で実施されている胸のエックス線検査について、厚生労働省は法的義務付け廃止の検討に入った。検査の有効性を示す証拠がないためだ。すでに専門家による検討会(座長・工藤翔二日本医大教授)を設置しており、結論次第で来年度にも廃止する。しかし廃止で1000億円規模の影響が出るとみられる業界は、検討会で「有効だとの証拠はないが、有効でないとの立証もない」と猛反発。日本医師会の委員も同調しており、最終調整は難航しそうだ。

 エックス線検査は労働安全衛生法の規則が定める職場健診の1項目。同法は72年の施行以来、事業者に対し年1回の実施、労働者には受診を義務付けており、罰則もある。受診対象者は現在、約5900万人に上る。

(中略)検討会では矢野栄二委員(帝京大医学部教授=公衆衛生学)が、職場健診での肺がんの発見率は低く見落としが多い▽他の病気も検査以前に症状が出るなどで健診で探す意義は薄い▽エックス線被ばくの影響で発がんする人が延べ数万回から10万回の受診に1人出ると推計される--と指摘。利益と危険のバランスを考え、義務を廃して特に必要な人だけを検査すべきだと主張している。

 一方、連合会副会長の柚木孝士委員は、検討会に出した資料で「(個々の病気の発見法としては)優れた検査法とする根拠は乏しい」と認めながら「有効性が低いとする根拠は確立されていない」と存続を訴えている。(後略)(毎日新聞 2005年7月17日 3時00分)

厚生労働省の官僚の皆様、検討会の先生方、短期間に何回もX線照射を受けさせられている人がいることをご存知でしょうか。それは「内定前に健康診断を受けさせられている就職活動生」です。

「入社時健診」を採用決定前に実施してもよいと勝手に拡大解釈している会社が、大手マスコミを中心に後を絶ちません。詳しくは本blogでたびたびコメントしてきた「内定前の健康診断問題」の各コラムをごらんください。

「血まで抜かれて、不合格」~内定以前の健康診断への疑問~(2003.06.22)
健康診断するということは、内定したということ。(2003.06.24、2005.04.14再掲載)
採用時の健康診断と、個人情報保護法。(2005.04.15)
健康診断する病院で、自分の内々定を確認してください。(2005.04.16)
内定前健康診断の「傷害罪」的考察。(2005.04.20)
縦割り行政。(2005.04.30)
不正で不潔な、内定前健康診断の例。(2005.05.01)

採用試験最中に健康診断を入れられれば、学生はそれを断るわけにはいきません。保健所にこのことを問い合わせると「それは(依頼する)会社側の問題」と回答され、労働局に問い合わせると「各種通達で入社時健診は採用前に行うものではないとされているが、法的な罰則はない」と答える、それが現実です。

厚生労働省は、医療と労働をつかさどる官庁です。しかしその両者はいまだ次官クラスまで行かなければ交わらないのでしょうか。

極めて小さいリスクだとしても、このような問題提起がされれば、入社時健診や職場健診にもインフォームドコンセントが必要だということが明らかにされたと言えるでしょう。年に1回の受診のリスクを語るのであれば、就職活動における学生への不当な医療行為にメスを入れ、はっきり法律で禁止する動きをすべきだと考えます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.07.17

最低賃金法と制裁規定の制限。

7月15日、ある保険会社の社員が営業成績によって増減する給与制度で平均給与約21万9000円のところ成績により額面で11万5000円、手取り額が約2万2000円とされ、生存権を定めた憲法に違反するなどとして仮処分を東京地裁に申し立てたと報じられました。このニュースを見たとき、「最低賃金法」と「制裁規定の制限」のどちらにも抵触しているのではと、調べてみました。

最低賃金法とは

賃金の低廉な労働者について、事業若しくは職業の種類又は地域に応じ、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

という法律です。

最低賃金は地域別に定められています。平成16年時点での最低賃金の平均は時給665円、最高時給は東京都の時給710円、最低は青森、沖縄他の606円となっています。雇用者はこの金額以上の待遇で賃金を支払わなければならず、違反した場合は1万円以下の罰金となります。

正社員雇用であれば一般的に少なくとも1日7時間勤務、月間実働20日として140時間労働となります。この場合東京都では99,400円、青森・沖縄でも84,840円が月給の最低ラインということになります(税・社会保険差し引き前の額面)。

また、賃金(各種手当や賞与を除く給料部分)をカットすること(減給)は「制裁」でしか行使できず、労働基準法第91条「制裁規定の制限」

第九十一条  就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

と定められています。

この保険会社の例で言うと最低賃金法はかろうじてクリアしているようですが、賃金を調べてみると2004年4月初任給実績によると大学卒で初任給21万2500円以上、30歳入社8年目の固定給月給が35万円となっており、この社員が同条件の正社員であれば明らかに労働基準法91条に違反していると見られます。

日本においては賃金(月給)と賞与の二段階になっているのが一般的であり、賞与はゼロベースでいくらでも変更できますが、賃金部分は労働基準法91条がある以上一時的な制裁という理由以外で切り下げることはまず不可能です。このようなことは労働組合があればすぐ指摘できることです。この会社には組合員数4,626人にもなる労働組合がありますが、制度を導入する上でどのような合意をしたのでしょうか。

しかし年俸制と呼ばれる制度では給与と賞与の境目がなく、カットする上で成果と制裁の区別がつきません。何がミニマムで何が加算部分がはっきりしていない成果主義は、恣意的で危険な運用をされる恐れもあるのです。

これから社会に出る学生の方も「会社が決めたことだから仕方がない」では都合よく使われるだけです。労働組合のあるなしにかかわらず、社会人として最低限の労働法の知識は持ち合わせておくべきでしょう。あなたが経営者になるときこそ、労働法の知識がないでは済まされないことになるのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.07.04

ヤマト運輸小倉昌男元社長が死去。

「宅急便」を生み出した、元ヤマト運輸会長の小倉昌男氏が6月30日に亡くなられました。

宅急便生みの親、ヤマト運輸元会長の小倉昌男氏が死去(ヨミウリオンライン2005.6.30))

家庭向けの宅配サービスの草分けである「宅急便」を生み出した、元ヤマト運輸会長の小倉昌男(おぐら・まさお)氏が30日午前6時7分(日本時間)、米ロサンゼルス市の長女宅で、腎不全のため死去した。80歳だった。

告別式は親族のみで行う。喪主はヤマト運輸取締役の長男、康嗣(こうじ)氏。ヤマト運輸などによるお別れの会の日程は未定。

小倉氏は創業者、小倉康臣(やすおみ)氏の長男で、東大経済学部卒業後、1948年9月に大和運輸(現ヤマト運輸)に入社。71年3月に2代目の社長に就任し、76年に周囲の反対を押し切って宅配便事業を始めた。

「クロネコヤマトの宅急便」の愛称で知名度を上げて事業を拡大した。「ゴルフ宅急便」や「クール宅急便」など、消費者ニーズに合ったアイデアを繰り出して業界首位に育てた。

郵便小包で競争する旧郵政省(現総務省)と対決姿勢を鮮明にしたほか、配送網の路線免許を出さない監督官庁の旧運輸省(現国土交通省)を相手に訴訟を起こすなど、官の規制に決然と立ち向かうリーダーシップを発揮した。

93年に私財を投じて、障害者の自立を支援するヤマト福祉財団を設立した。2度にわたって会長を務めた後、95年6月に経営から完全に身を引き、福祉の仕事に専念していた。

小口向けの宅配事業は事業開始当初から全国各地にサービス網がなければ成立しません。コンピュータもインターネットも普及した後にネットビジネスを興すのと違い、小倉氏が挑戦したのはゼロからのインフラ構築でした。電話も郵便網も当初は国家事業として膨大な税金を投入して実現したものであり、1民間企業として宅急便事業を始めるにあたり周囲の反対があったことは当然だと思います。

事業開始当時の世間の価値観は「官尊民卑」であり、規制緩和という考え方すらなかった時代に監督官庁に対して訴訟を起こすなどは、民間企業としては自殺行為とも言えることだったでしょう。しかし従業員の雇用をあずかる経営者として決して失敗は許されません。小倉氏は確かな先見の明と使命感をもって、行政の壁に突き進んでいきました。同時に「時間帯指定が無料」や「電話一本で集荷」といった画期的なサービスを世に出していきました。

現在の宅配業界全体の隆盛を見ると、このような歴史があったことを忘れてしまいがちになります。しかしヤマト運輸という会社を知れば知るほど民間企業で働く誇りを思い出させてくれます。社会や経済の発展はこのような民間企業の存在なしにはありえないのです。また宅急便が世間に認知された理由の一つは「広告」であり、広告業界が宅急便や宅配マーケット自体に貢献したということも広告人として誇りを感じます。

小倉氏が引退後もヤマト運輸は「ドライバーダイレクト」(自分の住んでいる地区の担当ドライバーの携帯に連絡をすることができるシステム)など、常識では考えられないようなサービスを次々と実現しています。小倉イズムはもはや小倉氏死去でも決して揺るがないものになっていると言えるのではないでしょうか。

ヤマト運輸は私がもっとも尊敬する企業の一つです。

やればわかるやればできる「やればわかるやればできる」(小倉昌男著、講談社)

【目次】
第1章 必ずできる!百パーセントのサービス―利益は後からついてくる(利用後の立場に徹したサービスをやり抜こう/苦情もサービス向上のきっかけにできる ほか)/第2章 変化しつづけて会社の若さを維持―未開の分野、宅急便への挑戦(アイデアと全社員一丸の努力が成功をもたらした/組織の老化は速い!常にチェックして若さを保とう ほか)/第3章 会社は人なり―働く人のゆとりが良い結果を生む(社会人一年生に贈るメッセージ/女性よ、がんばれ! ほか)/第4章 会社の健康診断―大企業病の早期発見と治療(病気のきざしはすぐそばにある/管理職こそ要注意!社長も例外ではない ほか)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.26

電通「学生広告論文電通賞」、今年のテーマ。

電通主催「第58回学生広告論文賞」の今年の募集要項とテーマが発表されました。

第1部:大学生個人  「10年後の日本の広告を考える」
第2部:大学生グループ「広告の質について考える」(-サブタイトルをつけてください)
第3部:高校生個人  「あなたの属するコミュニティを広告してください」
第4部:高校生グループ「高校生が広告に望むこと」
第5部:在日留学生個人「文化の違いを超える広告」

選ばれたテーマは広告業界が直面している問題であり、今就職活動中の学生にも関係あることばかりです。課題の補足を引用すると(太文字筆者)

課題「10年後の日本の広告を考える」

広告は時代を映す鏡であるとよくいわれます。その時々の世相や社会規範、価値観、景気、時代にあったマーケティング手法などを考慮しながら、広告はつくられてきました。一方で、広告が時代をリードしてきた側面もあります。広告によってヒット商品が生まれ、流行語が作られ、時代の気分が形作られてきました。今回の課題は、「10年後の日本の広告」を考え、論じてもらうものです。
10年後は突如規定されるのではなく、それまでの時代と広告の相互関係の延長線上にあります。10年後をどう読むか。過去を振り返ったり、目を外(外国)に向けたり、メディアや生活者の変化を予測したりと、柔軟に思いを巡らせ、大胆に10年後の広告の姿を予測し、広告と生活者、企業との関係を論じてください。

課題「広告の質について考える」-サブタイトルをつけてください

現代の私たちを取り巻く環境には多種多様な情報が溢れています。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・交通機関・屋外看板・店舗・インターネット・イベントそして家族や友人の話など情報源も多様化しています。
その中で、消費者は、自分にとって関係・関心がある物事に関する情報には注意を示しますが、ひとたび自分にはあまり関係がないと判断した情報については、いくら数多く接触したとしても、記憶に残らないといわれています。このような環境下で広告が消費者に情報を確実に伝え、態度変容を起こさせるためには、“量”の視点だけではなく、個々の広告の“質”をいかに高めていくかという、もう一つの視点も必要だといえます。
今回の課題は、この広告の“質”について論じていただきます。一概に“質”といっても様々な要素や方向性が考えられるため、まず「広告の“質”とは何か」について定義を示し、それをサブタイトルとしてください。本論では、その定義にもとづき広告の“質”を高めていく方策について検討してください。

原稿用紙数十枚を書くにはいろんなバックデータや理論武装などが必要でしょうが、少なくともこれら2つの課題は面接で質問されたら1分ぐらいは話ができるぐらい、自分自身も取り組んでみたらいかがでしょうか。

学生論文電通賞の応募締め切りは05年12月9日です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.06.22

COOL BIZ(クール・ビズ)の商標は誰のものか。

今や「COOL BIZ/クールビズ」の名前を知らない人はいないというぐらい、政府が提唱した軽装運動は周知されています。ネクタイ業界の反対はあるものの、新しいマーケットが誕生したといってもよいでしょう。

マーケットが生まれたということは、ビジネスの世界で「クールビズ」という呼称が使われるということになります。当然商標としての権利関係が発生します。この用語はどのような使用許諾関係にあるかを調べるため「環境省の“COOL BIZ”の 使用について」を参照してみると、以下のようなコメントがありました(太文字筆者)

《クール ビズの使い方》

“クール ビズ”は、 “省エネファッション”といった言葉と同様、夏のオフィスの冷房温度を28℃としても快適に格好良く過ごせるビジネススタイル全般の一般的な愛称として広く使われることを意図しています。
特定の性能や製品を示すものではなく、特定の商品名やブランド名として使用することはできません。
類似した言葉で商標登録をしている企業もありますので、使用方法、表現については使用される方の責任で、十分に御注意ください。誤った使用に関するクレーム等には、環境省及びチームマイナス6%運営事務局は一切責任を負いかねます。

実際に商標登録(もしくは申請中)の会社を特許庁商標登録で調べてみたところ、某下着メーカーが平成17年(2005)4月26日に出願(先願権発生)していました(「COOLBIZ クールビズ」:商標出願2005-37467、「クールBIZ クールビズ」:商標出願2005-37465、【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】 第25類(被服,ガーター,履物,運動用特殊衣服 ) )。これらはまだ申請中(いわゆるTM表記)の段階となっています。出願日を見ると公募名称の決定イベントの段階で申請しているようです。

取れる商標は取っておくことは民間企業としては極めて正しい行動です。しかし一方では今回は国家の施策がきっかけとなって新しい衣料関連市場を創造しているのも事実です。「クールビズ」という言葉の「使用方法、表現については使用される方の責任」「誤った使用に関するクレーム等には一切責任を負いかねる」という説明には、あいまいで後手後手の印象が拭えません。

商標申請中の会社は「チーム-6%」という環境省の提唱に賛同している会社ですので、現実的にはなんら権利関係で他社と争うことはないと思われます。しかしその会社の株主にしてみれば、商標登録による利益が十分でなければ株主総会での指摘などになりかねません。そもそも商標登録は自社がやらねば他社がやるといこともあり、今回の場合いずれの結果でも当事者である会社にとってはデリケートな問題と言えるでしょう。

せっかくのムーブメントも、基本的な権利処理の関係でうまくいかないとも限りません。政府・自治体が商標の主権者となりえるかどうかは私に知識がありませんので分かりませんが、政策に関する政府の商標権などを検討してみるいい機会なのではと思っています。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.06.09

日本サッカーと、売り切れていたビール。

6月8日W杯サッカーアジア予選で日本は北朝鮮に2対0で快勝し世界に先駆けて予選突破、無観客試合にもかかわらず日本サポーターの応援が本当に「聞こえて」きたテレビ中継に、日本中が釘付けになりました。

暗黙の了解でこの日の夕方には打ち合わせが入らず、7時のキックオフには日本中のオフィスがパブリックビューイングの場に様変わりしました。私も仕事を早々に切り上げ、同僚とオフィスで観戦を決め込むために差し入れの食料とビールを買いに19時ごろオフィス近くのコンビニに行きました。

ところがその時間には、なんとキリンビールのビールと発泡酒だけが完全に売り切れていたのです。気がついたらいかにもオフィス観戦用買い出し要員といった若い社員が周囲にうようよいましたが、キリンビールがないのに戸惑っている様子でした。苦笑しながら私は食料と「キリン氷結」を買って帰りました。

消費者にこのような選択を起こさせるのが、スポーツイベントへのスポンサーシップの醍醐味です。「アテネとビール。」というコラムに書きましたが、日本人の半分が「日本イレブンに乾杯!」といって200円の缶ビールを1缶いっせいに飲むだけで、6000万人/缶×200円=120億円(!)の売上げとなるわけです(かなり乱暴ですが)。まさにブランド醸成と販売促進の両方を兼ねるキャンペーン手法と言えるでしょう。

とにかくうれしくてうれしくて、もう一度地元のコンビニでキリンビール製品を探して買って帰った夜でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.05.17

年収で社長を越えるサラリーマン。

5月16日、「長者番付1位はサラリーマン」という記事が大々的に報じられました。

成功報酬は運用成果の2割 投資顧問、不振なら解雇も

 タワー投資顧問の清原達郎運用部長が、サラリーマンとして初めて高額納税者のトップに躍り出た。高度な金融技術を駆使して「ハイリスク・ハイリターン」を狙うヘッジファンド系の運用会社には「成功報酬として、年間の運用成果の2割程度を支払う」(外資系証券)のが一般的という。
 ただ、成績が上がらなければ解雇もありうる厳しい身分で、一般的な日本企業で働くサラリーマンにとっては、まだまだ“別世界”と考えた方がよさそうだ。
 ヘッジファンド系運用会社は会社の規模や組織形態にもよるが、個人がたたき出したもうけが、かなり直接的に給与に反映する仕組みになっている。大ざっぱにそろばんをはじくと清原部長は顧客に対して、500億円を大幅に上回る運用成果をもたらしたことになる。

このニュースは広告業界で働くものとして「現場が利益を稼いでいる会社」の人事制度における大きな示唆を感じます。

メーカーなど、多大な設備投資を伴う事業は、ヒト、モノ、カネの3資産の運用について経営トップしか判断できないことがあります。メーカーや銀行では仕事の規模に合わせて決裁権があり、上に行かなければ大きな仕事はできないという構造があります。しかし、ファンドマネージャも広告の仕事も、現場の判断が利益を生み出す業態です。私たちの仕事で上司の決済がなければその提案ができないということはかつて聞いたことがありません。今回のニュースは(この会社の社長がよっぽどうまい節税対策をしていない限り)、自分よりも高い報酬を出すことを決断したという点で歴史的な認識を社会にもたらした功績は大きいのではないでしょうか。

社員を成果主義で処遇するためには、その前にその会社のクライアントに対する成果の評価があるはずです。しかし現在の成果主義は往々にして縮小均衡にある利益をどう理屈をつけて配分するかに腐心しているような気がしてなりません。今も利益の取り合いが労使交渉だという「旧来の価値感」が存在するのも事実です。

今回の象徴的な処遇を目の当たりにすると、一律的な交渉以外にこのようなバッファを持っていることが会社にも組合組織にとっても一定のメリットになるのではというヒントになると思います。。市場環境が上向いてきた今だからこそ、ゼロサム・縮小均衡を打破できる知恵が労使で絞り出せるのではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.04.29

安否確認。

ゴールデンウィークに入り、多くの社会人が大型連休をとります。しかしインドネシア沖地震による津波被害などのように、海外での災害の際には会社としてもできるだけ早い安否確認が必要になります。これは国内でも同様です。大きな会社やグループ企業を抱える会社ではその家族も含めると数万人、数十万人が関係していることもあり、大きな災害の場合には、社員・家族の罹災状況を早急に把握することが重要です。また取引先の社員や家族の罹災状況もできるだけ早く入手するのも広告会社の仕事の一つです。

4月25日に発生したJR福知山線の脱線事故は、航空機事故級の大災害となってしまいました。日が経つほどに被害状況は悲惨を極めてきています。事故の時間帯や行き先などから、私はニュースに接するたびに労協就職フォーラム関係者がいないかドキドキしながらお亡くなりになった方々の名簿を見て安否を確認しています。今のところ労協06生関係の学生の方々は無事だったようでほっとしているところです。関西方面からの選考状況報告が来るとうれしくなってしまいます。

しかしまだ入学したての学生の方などが被害に遭われたようです。将来ご縁があったかも知れない若い命が失われたことに、本当に心が痛みます。

お亡くなりになった学生の方々、すべての犠牲者の方々に、心よりお悔やみを申し上げます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.04.28

社長報酬「594円」まではよかったが…。

ウィルス対策ソフト大手「トレンドマイクロ」が4月23日朝に配布した更新ファイルに不具合があったという事故で、問題が収拾するまで社長報酬を「594円」にするという報道がありました。

(前略)チェン社長は、障害を肝に銘じるために、給料を問題のパターンファイルのバージョン番号「2.594.00」にちなんだ594円に大幅に減給。チェン社長は「最後のユーザーのパソコンが復旧するまで給料は594円にする」と話した。
 また、マヘンドラ・ネギ代表取締役CFO(最高財務責任者)は「顧客の環境を復旧する支援はするが、損害賠償は検討していない」と、障害があった企業などに対する損害賠償はしないことを明言した。 (中井 奨=日経ソリューションビジネス)

PCトラブルを回避するための企業がPCに悪影響を及ぼすということは病院の院内感染・医療ミスに近く、根本的な信用問題となります。このような不祥事に直面した場合、メディア対応の初動が極めて重要です。今回の役員報酬「594円」という象徴的な責任の取り方はメディアにも取り上げられやすい、とてもいい措置だったのではと思っています。

しかし4月27日の日経MJ企業総合面で、トレンドマイクロ社は「『最後の1台が復旧するまで』検査担当者の給与を50%カットする」ことを発表したと報じられました。これが事実だとしたら残念ながら法律違反と言わざるを得ません。

労働基準法第91条では「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半分を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」と定められています。したがって、トレンドマイクロ社が担当者の1日分の賃金の「50%カット」をするのは合法ですが、減給の総額が月給の10%を超えるような場合は法律に抵触することになります。検査の担当「役員」であれば労働者ではないので問題ありませんが、取締役でない従業員はすべて上記制限の対象となります。

もちろん担当者の不注意が原因であれば、その担当者が(法律の範囲内の)社内処分を受けるのは当然です。しかし現場担当者に法律を越えた処分をするということは別次元の問題であり、同時に担当者を全面に出した処分は、その会社ワークフローが極めて属人的であり、チェック態勢の考え方自体ができていないのではと思わせます。

この会社は外資であり社長も外国人女性の方のようです。全体的には危機管理としてはよくできたメディア対策をしたのではと思います。しかし日本の労働法をよく知らないということも別な批判を受ける恐れもあるでしょう。ここは日本ですので適切な対応をしていただければと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.04.03

スラムダンクにインタラクティブ・アド・アワードグランプリ。

インターネット広告推進協議会(JIAA)は3月31日、第3回東京インタラクティブ・アド・アワードの受賞作品を発表しました。

今年のグランプリ作品は、過去本コラムでも取り上げ、東京での就職フォーラム参加者にはおなじみの「スラムダンク」の統合キャンペーンに授与されました。

圧倒的な作品力を持つスラムダンクとその作者井上雄彦氏、そして未だ衰えないファン層をつなぐ上では、いろんなパス(道筋)が考えられたと思います。しかし同キャンペーンの解説ページの

通常インテグレーテッドなキャンペーン設計とは、周到なターゲット設定や導線シミュレーションの蓄積である。しかし、このキャンペーンにはそのような計算は存在しない。

というコメントにあるように、ただ太い直線でつなぐということがベストのときもあります。その太い直線を一方通行でなくインタラクティブなものにし、どちらが発信者と決められない渾然一体とした「場」を形成できたということが大きく評価されたのだと考えます。

情報やテクニックに惑わされる就職活動です。しかし学生の就職活動は会社にとっては求人活動。そもそも一方的なものではありません。時にはゴールに向けてまっすぐ投げ、相手は「やられた!」と反撃する、面接の場がそんなさわやかなコートになればいいですね。

東京インタラクティブ・アド・アワード公式HP
http://tokyo.interactive.ad.awards.jp/

本コラム2004.04.03東京インタラクティブ・アド・アワード。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.02.24

広告&PR業界就職フォーラム2006、3月5日開催。

広告労協Fさんの新たな取り組みで、広告労協主催「広告&PR業界就職フォーラム2006」が2005年3月5日に緊急開催されます。

3/5『広告&PR業界就職フォーラム2006』募集開始。

3/5(土)東京で、好評を博した「広告業界就職フォーラム」の追加セミナーを緊急開催する事が決定しました。

2/6「広告業界就職フォーラム」では、職種としては営業職、マーケ職、クリエイティブ職などを紹介いたしました。
今回は、2/6には紹介しきれなかった媒体(メディア)に携わる仕事として、媒体職、PR職を中心としたセミナーを行ないます。広告関連業界の中で、これらの職種は一定の採用数があり、有望な職種です。研究しておいて決して損はないように思います。

近年はインターネットの台頭など、メディアの変化も著しいものがあり、これに対応した広告手法が求められています。一方で情報が氾濫する中でメディアを通じて情報をインフォメーションするPRという手法が注目を集めています。
広告労協では、媒体に関連したこれらの職種の紹介を通じ、広告業界の変化の最前線をお伝えする事ができると考えています。

なお2/6フォーラム参加者の方がより幅広く広告関連業界を研究できるように2/6フォーラムとは重複しない中身になっています。広告業界を志望する皆さんは2/6フォーラムに続き、ぜひとも御参加ください。

今回のフォーラムは前回東京で実施できなかった「PR分野」について、京都フォーラムで好評だったビーンスター(株)代表鶴野充茂さんをお招きしてご講演いただき、またパネルディスカッションのコーディネートもしていただく予定です。昨年の東京フォーラムに続き京都でも多くの学生の注目を浴びた「つるつる」こと鶴野さんのプレゼンを見るだけでも、「自己演出」を学ぶことができるのではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.02.18

2004年日本の広告費は5兆8,571億円、前年比103.0%。

2月17日に電通は恒例の「日本の広告費」を発表しました。

2004年(平成16年)の日本の広告費は5兆8,571億円、前年比103.0% -テレビ、インターネットが好調で4年ぶりに増加 -

株式会社電通(俣木盾夫社長)は2月17日、わが国の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2004年(平成16年)日本の広告費」を発表した。
これによると、昨年2004年(1~12月)の日本の総広告費は5兆8,571億円、前年比103.0%であった。総広告費は、2000年に日本経済の回復傾向とIT(情報技術)ブームを背景に広告活動が活発に行われて3年ぶりに増加した後、2001年以降は減少が続いたが、2003年の後半になってブロードバンドやデジタル家電が牽引して増加に転じ、2004年は年間を通して前年実績を上回り、4年ぶりの増加となった。
また、本年2005年(1~12月)の総広告費の見通しは前年比101.4%程度としている。

インターネット広告費(1,814億円)がラジオ(1,795億円)を抜いたということが大きく取り上げられているようですが、かなり前から交通広告(2,384億円)も屋外広告(2,667億円)もラジオを抜いていますし、折込広告(4,765億円)は雑誌広告(3,970億円)を超えています。広告主は市場の大きいメディアの順番に出稿しているわけではありません。マス4媒体はあくまでジャーナリズムをベースとした4つのメディアということであり、なにがマスでなにがマスでないか、どれがどれの上という序列はすでに意味がないのではないでしょうか。

日本の広告費を覚えておくことは、この業界を目指すものの基本です。広告業界を横断的に目指す学生であれば、この発表資料はぜひきちんと目を通しておいてください。

「5兆8,571億円、前年比103.0%」の覚え方ですが、

5箱ない? 父さん。

なんてのはいかがでしょうか。ケタは自分で覚えてください(苦笑)。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2005.02.03

2月2日、日経産業新聞23面。

2月2日日経産業新聞23面に「広告労協が就職セミナー、6日開催、大手社員が講師に、離職歯止めに先手。」という見出しの記事が大きく掲載されました。

広告代理店の労働組合で組織する全国広告関連労働組合協議会(広告労協、東京・中央)は六日、東京都中央区で広告業界を志望する大学三年生を対象に就職セミナーを開催する。人気の高い広告業界だが、若手社員の離職や比率低下に悩む企業が増えている。広告周辺分野も含めた仕事の内容について的確な情報を提供。やる気のある学生の確保に役立てる。

「広告業界就職フォーラム2006」は電通、アサツーディ・ケイ、東急エージェンシー、大広など大手広告代理店の社員が講師として協力。採用試験の評価ポイントなどを伝授する。営業、制作など職種ごとの実際の業務なども紹介。広告の周辺分野である広報、市場調査、インターネット広告などの専門企業の事業内容や採用実績の情報も提供する。

二十日には京都市下京区でもセミナーを開催。両会場で定員を超える合計千人以上の参加申し込みがあり、このほど受け付けを締め切った。

広告労協は電通労組、アサツーディ・ケイユニオンなど五十三組合の六千五百人の組合員で構成する。労組が学生向けの就職セミナーを開催するのは異例という。

広告労協によるとここ三_四年、業界全体の年間新卒採用数は七百_八百人と一九九〇年ごろのピーク時に比べて半分程度にとどまっている。広告労協は各社で若手社員の比率低下や離職が目立つことに危機感を抱いており、セミナーを通じて業界全体の課題解決を目指す。

日経産業新聞は日経本紙と合わせ非常によく読まれている新聞です。労協の活動がこれだけ大きく取り上げられたことは初めてです。この記事のおかげで会社や組合団体に改めて新卒採用の社会的意義を再認識してもらう大きなチャンスになったと思います。少なくとも広告業界の採用担当者のほとんどが広告労協とその活動を知ることになったでしょう。

とはいえ一般社員から選ばれる面接官では、23面までページをめくっていないかも知れません。しかし日経産業はまだメジャーではない新鮮な情報を先んじて掲載するため、一歩踏み込んだビジネスマンでは当たり前の情報源になっています。面接の時に「OB/OGにどれくらいあったのか」と聞かれたなら、ぜひこのフォーラムで会う17名(予定)のパネリスト・スタッフを数に入れてください。「広告労協のフォーラムは日経産業にも大きく載っていました」と添えれば、たとえ知らない面接官でも納得するかもしれません(APEOSのCMのように(苦笑))。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.02.02

日経産業に広告労協の活動が掲載される予定。

広告労協F氏より、広告業界の採用状況と広告労協の取り組みについて日経の記者より取材を受けたという話をお聞きしました。本日2月2日の日経産業新聞に関連記事が掲載されることになっているとのことです。

今回は昨今の雇用状況や変わりゆく組合の形などを絡めた取材だったようです。フォーラムの開催前に取り上げてもらえることは、たとえどんな形であれ大変名誉なこととスタッフ一同喜んでいます。

日経新聞の記者は取材の内容により日経本紙、日経産業、日経MJ、日経金融など複数のメディアに記事を掲載します。もしかしたら日経本紙にも載っているかも知れませんので、目を皿のようにして読んでください。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.01.14

ソニー、内定後2年間いつでも入社。

ソニー、内定後2年間いつでも入社・新採用方式導入(日経ネット)

 ソニーは新たな新卒採用制度を導入する。2006年度採用予定者の採用活動から試験時期を春から夏まで四回に分ける。入社日は内定者が最長で2年間、自由に決められる。大手企業の採用活動は4月、新卒の入社時期は翌年4月に集中する傾向が強く、学生の学業を妨げかねないことが問題化している。ソニーは入社日などを本人の選択に任せ、学業に専念したい学生など優秀な人材の採用につなげる。

大手企業で新卒の採用試験を四回に分けるとともに、入社時期を2年間猶予するのは初めて。ソニーは学生が事前に思い描いていた仕事内容と入社後の格差をなくすため各事業部門が採用に関与する手法を導入することを決めている。今回の措置で学生が応募しやすい仕組みを一段と整備する。ソニーは今年から大卒・大学院卒を対象とする採用活動を4、5、6、8月の四回に分けて実施する。各月の採用数にはとらわれない。06年度採用予定者は合計で05年度採用の約220人と同規模の採用を目指す。 (07:00)

公務員試験のような資格試験だと同様のものがありますが、民間企業のの施策としてはとても大胆だなと感じました。しかし、あくまでソニーのような強いブランドをもつ大企業だけができることでしょう。人手が不足しているから補充するといったことではなく、本当に中長期的なビジョンで新卒採用を捉えているのだと思います。

少し違う話ですが、大手広告代理店に内定したが留年してしまい、翌年も同じところに内定して勤務している社員は案外いるようです。人物評価で選んでいれば、何回受験しようと受かる人は受かるのでしょう。しかし採用数というのは採用当局から言えば目標数値であり、内定後の留年は採用側に大きな迷惑となります。いくら仕事ができそうな学生でも、入社前からミスをするようでは詰めが甘い奴と思われても仕方がありません。私が採用者ならよっぽど同業他社に行かれては困るような人物でなければ落とします。

世の中ソニーのような太っ腹の企業ばかりではありませんよ、05生諸君。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2005.01.11

成人式とアルコール。

成人というのは歴史的にも重要な通過点であり、現代でも法律上の責任が発生する大事な区切りです。しかし「成人式」というイベントはマスコミにとって「荒れる風景」のクローズアップのためにあるとも言えるでしょう。今や視聴者もそれを期待しているのかもしれません。

 <成人式>150万人が大人の仲間入り 三宅村は都内で開く((毎日新聞) - 1月10日19時50分更新)

■暴れる新成人
 9日に式があった青森市では、新成人の男がイベントの行われているステージに上り、踊り出した。すぐに係員に下ろされたが、この男の仲間約10人はその後もバンド演奏中、ステージに向かって紙くずを投げるなど、式の進行を妨