2005.11.07

Share of VoiceとEvoked Set。

マーケティングや広告の世界では、Share of Voiceという言葉がよく使われます。Quick MBAというサイトではShare of voiceを

the firm's proportion of total promotional expenditures in the market.(市場全体のプロモーション費用におけるその企業の費用の割合)

と解説しています。

もちろんShare of Voiceがその企業のマーケットシェアに必ずしも比例するわけではありません。しかし消費者は何かを購買する上でいくつか「自分の知っている」選択肢(evoked set、エボクドセット)から選びます。消費者が自社製品を「知っている」状態にするためには、企業は一定量「自ら声を出して」消費者に存在を知らせておくことが必要です。

Yahoo! JAPANのようにすでに他社を圧倒する利用者を抱えている企業は、もはや費用がかかる広告を出す必要はないかもしれません。しかしすでに大きなシェアとファンを持つiPodは、現在でもエミネムを使ったCMを大量に流しています。今ならばiPodはCMがなくても売れることは間違いない中、Appleは何のために広告を流しているのでしょうか。

AppleはもはやiPodをただの音楽再生デバイスとは考えていません。iTuneによる楽曲購入、Podcastingによるブログ・ラジオ・動画再生など、その先に存在する全く新しく巨大な市場を持つビジネスモデルの構築を目指しています。彼らのブランド戦略はすでにネットワークオーディオの中のシェアだけでなく、人が利用する「メディア」のEvoked Setに強烈に入り込んでいこうとしているのだと思われます。特に注目されている「Podcasting」が「メディア」として確立し、一般名詞化すれば、ネットにおけるコンテンツ流通や放送の強大なイニシアチブをAppleが持つことができるでしょう。

その日が来るまで、Appleは潤沢な利益を使い様々なプロモーション戦略で莫大なShare of voiceを徹底展開していくに違いありません。Yahoo!やGoogle、楽天などのようにあまり広告活動をせず先行優位を保ってきた企業がそのまま勝ってきたIT業界の構造の中で、Appleの戦略は全く違うアプローチだと言えるのではないでしょうか。

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2005.01.18

求人広告。

一般的に広告とは企業の商品やサービスを販売するための機能としていちづけられますが、会社を維持し発展させていくための「人材」を得るために広告することがあります。これを求人広告といいます。

新聞広告では求人というジャンルが確立しており、特化した広告代理店も多数あります。内藤一水社は老舗の新聞求人広告代理店です。同社サイトの効果的求人戦略というページが参考になります。

もともと職業紹介は労働省管轄の国家事業だったのですが、リクルート社が登場すると状況は一変、求人情報自体をコンテンツとした雑誌が次々と発売されました。広告自体が売れる情報になると見極めた、創業者の江副浩正氏の先見性には敬服するばかりです。ジャーナリズムとコマーシャリズムの間に存在する広告代理店には想像もつかないことです。

今は転職市場はインターネットが主戦場になっています。リクルートのリクナビだけでなく、「type」を出版しているキャリアデザインセンターのように雑誌とネット(@type)の組み合わせや、ネット専門のエン・ジャパンもあります。これらは広告代理店を通してというよりは、主に媒体社自身が直で営業をかけるスタイルです。

新聞の求人広告は、目的をもって購入する転職雑誌やインターネットサービスにくらべ、普段読んでいる新聞にさりげなく入っていることで転職を考える初期段階にアピールできます。古臭いメディアのようですが、マーケットの上流に位置しているといえるでしょう。

今後もネットを中心として求人事業が発展していくことは間違いないでしょうが、案外新聞広告もまだまだ有望だと思います。なぜなら採用担当も「新聞ぐらい読んでる人」を求めているからです。数名の採用であればメディアを絞り応募者自体にフィルターをかけることが効率的です。

※広告業界の会社の求人であれば、広告労協も掲示板で協力するようですよ>採用担当者様。

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2004.12.02

流行語大賞に冠スポンサー。

12月1日、流行語大賞に「ちょー気持ちいい」が選ばれました。

流行語大賞とは「現代用語の基礎知識」を出版する自由国民社が1984年から続けている一種の広報イベントです。しかし2003年からこのイベントにユーキャンが提携し、今年は「ユーキャン流行語大賞」という名称で相当パブリシティが出ています。

異業種提携による、出版事業第1弾『生涯学習のユーキャン』とパートナーシップ。(自由国民社)

小社は2003年、㈱日本通信教育連盟(本社:東京都新宿区/代表:品川 惠保)と『日本新語流行語大賞』を始めとして「現代用語の基礎知識」に関するパートナーシップを結びました。

小社は、異業種提携による出版事業の拡大を希求していたところ、その第1弾として『生涯学習のユーキャン』と「現代用語の基礎知識」選『日本新語流行語大賞』のパートナーシップのお話があり、両社が共に半世紀にわたって掲げてきた企業理念「全ての人に知る、学ぶ、喜びを提供することで、社会、文化に役立ちたい」という共通点から同意に至り連携の運びとなりました。

これにより、日本新語・流行語大賞は『現代用語の基礎知識選/ユーキャン流行語大賞』とネーミングも新たに展開いたしましたので、今後ともよろしくご支援ください。

そもそも自由国民社の現代用語の基礎知識のための広報イベントが完全に社会的地位と権威を持つようになったためこの度冠スポンサーをつけたというとても珍しい事例になっています。誰のための広報イベントなのかよくわかりませんが(苦笑)。

しかしあくまで広報イベントであってネーミングライツにはなりえません。NHKは「ユーキャン」流行語大賞を報じているのでしょうか…。

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2004.10.28

レスポンス型広告(後編)。

営業部門を代行するレスポンス型広告に携わることは大変困難な仕事ではありますが、大きな成果を得られたときの広告主からの信頼はとても厚いものになります。

もちろんレスポンス型とはいえブランド価値を無視した広告はNGです。飛び込み営業に失うものはありませんが、広告はブランド価値を上げも下げもします。広告表現面で、会社の顔としての位置付けとレスポンス促進のバランスが極めて難しいところでもあります。

レスポンス型広告の究極の指標は「コスト効率」ですが、コスト効率を追求すれば、結局は媒体の仕入れ価格を下げるというところに行き着きます。しかし安くできる媒体ではレスポンス「数」を上げていくのにも限界があり、ブランド醸成の観点からも課題があります。

さらには、レスポンス型広告は売上とコストが比例するので、広告を止めればすぐに売上がなくなります。客引きをしないと客が入らない飲み屋と同じです。

現在のように景気回復基調になる前は、広告もレスポンス効率に特化した時期が長く、広告代理店にも付加価値よりコストカットを求められてきました。今後は消費者の消費意欲向上と共に、広告主も「指名買い」を得られる高付加価値・高収益の商品・サービスを投入してくることが予想されます。

その際には本来の広告代理店の役割である「コミュニケーション戦略による付加価値創造」を再認識してもらう絶好のチャンスになることでしょう。

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2004.10.27

レスポンス型広告(前編)。

営業という職種は、その会社の商品やサービスを販売し、会社に利益ををもたらす役割をもちます。営業部門がなければ会社は利益を得ることができません。しかし自ら顧客を捜し当てるような「外勤の営業マン」がいない会社もあります。

例えば消費者向けの通信販売には営業マンは存在しません。また美容や毛髪関連など、人の悩みに関するサービスを提供する業界にも営業はいません。

このような業界では、広告が営業活動そのものになります。このような業界への仕事では、広告会社は営業部門をまるごと請け負っていることと同じです。もちろんこれらの会社には外勤営業部門がないだけで、コールセンターなど広告の反響に対応する内勤部署はあり、そこが実質的な顧客窓口となります。

営業としての広告は、営業マンと同様、知ってもらうだけでなく具体的に反応がなければ評価されません。このような目的の広告は「レスポンス型広告」と呼ばれています。

インターネット専業の広告代理店の多くはこのレスポンス型広告に特化しています。また大手広告代理店の大広は自前のコールセンターなど独自のノウハウなどを持ち、テレビや新聞通販に強みがあるといわれます。

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2004.10.21

ケイパビリティ・プレゼン。

はじめての広告主と取引を開始しようとする時や一手扱い(1つの広告会社が広告予算すべてを扱うこと)のための代理店競合では、自分たちの会社がどのような独自性や優位性を持ち、どのような体制と条件でサービスを提供し、どのような貢献ができるかということを包括的にプレゼンテーションすることがあります。これを「ケイパビリティ・プレゼン(ケイパビ)」といいます。

ケイパビでは広告主が何を求めているかあらかじめ探っておくことが大事です。価格が第一条件の広告主もいるでしょうし、IT関係の知識を求めるところもあるでしょう。もっと踏み込めば、相手が求めているのが「パートナー」なのか「請負先」なのか、「自分を成功させてくれる」会社のなのか「楽をさせてくれる」会社なのか、見極めることが有効です。

総合力で攻める大手総合代理店や、新聞やセールスプロモーションなど独自の強みをもつ専門代理店など、さまざまなケイパビリティがあります。必ずしも総合代理店だけが勝つとは限りません。イメージ広告ばかりだと思われる車も、カタログを作る上では極めて専門的な知識を代理店にも要請されます。またビジネスショーなどのイベントを仕切る能力も立派なケイパビリティです。

採用試験はあなた自身のケイパビリティ・プレゼンそのものです。相手はどんな人物像を求め、あなたにどんな強みがあるのかがぴたりマッチすれば、それは内定を意味します。

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2004.10.05

「B to B」と「B to C」。

広告業界に限らずビジネスで頻繁に使われる言葉に、「B to B(ビー・トゥ・ビー)」と「B to C(ビー・トゥ・シー)」があります。B to B は、Business to Businessの略であり、法人(企業)から法人向けのビジネス、B to CはBusiness to Consumer、すなわち法人から個人向けのビジネスを意味します。

B to Cの代表例は、スーパーやコンビニ・百貨店などの流通業界やレストラン・ファストフードなどの外食産業、B to Bの代表例はオフィス機器メーカーやSI(システムインテグレータ)などが挙げられます。

しかし、コンシューマ(消費者)向けの商材を取り扱っているならB to C、法人向けならB to Bと、簡単には分類できません

アルコールメーカーは個人向けの商品を取り扱っていても、それを仕入れる酒屋、スーパー、飲食店への販売が中心です。自社流通を持たないメーカーの営業部門の実態はB to Bといってもいいでしょう。

流通業界にも法人向け営業があります。百貨店にとって法人が顧客に送るギフトは、個人のマーケットと同様巨大なものです。また景品があたるキャンペーン(プレミアムキャンペーン)のようなセールスプロモーションも百貨店の巨大マーケットであり、百貨店が広告主や広告代理店に景品を提案し、大量調達します。景品が食器皿の場合は海外からの輸入や梱包・輸送も手慣れておかなければならず、百貨店ならではの強みがあります。

PC直販のデルは個人同様法人にも大きなシェアを持ちます。いわば「B to B or C」と言える業態でしょう。またクレジットカード業界は、個人に決済機能を提供するという意味ではB to C、加盟店に入金代行する点でB to Bと、「B to B and C」とも呼ぶべきビジネスです。さらにはほぼ100%B to Bである広告会社の業界に、最近「スラムダンク作者井上雄彦氏の新聞広告」のような「個人広告」という事例も出てきていることにも注目したいところです。

結論をいえば、ビジネスに「B to B」の要素がないという業界は極めてまれだといえるでしょう。仮にB to Cから始まったビジネスとしても、そのノウハウをB to Bに水平展開することで企業はさらに成長します。また外食産業のように実際に販売するのは個人だとしても、その原料の調達は巨大なB to Bの交渉です。

業界や会社の研究をするときには、実際にその企業がお金をもらう、お金を払う先がどこなのかという視点を持つことが重要です。

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2004.09.29

クリティカル・マス。

クリティカル・マス(critical mass)とは化学用語で「臨界(質)量」のことです。物質が一定以上の密度で集まると自然に化学現象を起こすことで、原子力の分野などで使われます。

マーケティングの世界では、普及している数(または普及率)があるレベルを超えるとさらに普及が加速する現象、その普及レベルを言います。この経済学的理論は奈良産業大学経営学部水谷直樹氏のサイトが極めて分かりやすい解説をしています。このレベルを越えれば需要が加速していき、生産体制もどんどん拡大して価格も下がり、関連マーケットも生まれ成長していきます。マーケティング上は「人口の17%がクリティカル・マス」といわれているそうです。

最近もっとも劇的にクリティカル・マスを越えて成長したのは携帯電話でしょう。携帯電話は相手あってのツールですが、クリティカルマスを越えて普及が進むと、まだもっていない人はコミュニケーションの中で取り残され、ついにもたない理由すら許さない状況に追い込まれます。普及率自体がコミュニケーションニーズを創造し、急速に普及が進んでいきました。

もう一つ有名な例は、DVDプレイヤーです。DVDプレイヤーは長い時間をかけてクリティカルマスを越え、録画もできるDVDレコーダーは今や家電製品の中心的位置付けとなっています。

普及の最初のステップはソニープレイステーション2がDVD再生機能を搭載したことですが、その後パソコンのCD-ROMドライブがDVD対応に取って代わられ、いつの間にかDVDを再生できる機器が複数台あるという家庭も多くなっていきました。日本映像ソフト協会(JVA)発表の資料では2001年のDVD世帯普及率は22%となり、業界としてはこの時点でクリティカル・マスを越えたと判断したのだと思います。

その後DVDプレイヤーのクリティカルマスに敏感に反応したレンタルビデオチェーンは、品揃えまで変えて消費者の現在そして将来の需要に応えました。DVDプレイヤー未購入者もレンタルビデオ店を見て新しい時代がきたことを実感し、次々と購入に踏み切っていきます。そして今や2004年3月時点のDVD世帯普及率は35.4%に急増、3世帯に1世帯はDVDが見られる環境になっています。

機関車トーマス、クレヨンしんちゃん、ポケットモンスターなど子供用のレンタルビデオはものすごい回転率であり、たいていボロボロです。かすれた画面を子供と一緒に見ながら、アナログメディアによる映像コンテンツはクリティカル(危機的)な状況にあると実感しました。

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2004.09.26

カタログの仕事が大事な理由。

先日会社の先輩が「いろいろ大事な仕事はあるけども、実は大事なのはカタログ製作だ」と言っていました。そういえばある後輩も「ずっとカタログ製作の仕事で泥沼の残業をしていましたが、とても楽しかったです」と言っていたのを思い出しました。

2人は共通して「カタログの作業は広告主とがっぷり四つに仕事ができる」と言います。

カタログ製作は極めて地味な作業であると同時に莫大で正確な製品知識が必要となります。また素材となる写真撮影数も膨大です。極めて専門的であり、かつ販売の現場でそのまま使われるものであるため、広告主も広告会社などに丸投げすることはできず、最終的な校正は結局広告主側が行うことになります。テレビCMや新聞広告でも同様に制作物の最終責任は広告主にありますが、要請される正確さや知識はカタログの比ではありません。

このためカタログ製作は知識や経験のあるスタッフが極めて重宝されます。価格競争もないわけではありませんが、一度も取引をしていない印刷会社がいかに安く言ってきても、結局製作で苦労するのは広告主自身です。したがってカタログ製作は一旦広告主との信頼関係が構築されれば比較的長期に指名受注できる分野となっています。後輩は「とにかく広告主とべったりの作業だったが、苦しさも楽しさも共有できた」と言っていました。

とても地味な分野だと思われますが、たとえば電機製品や自動車などの高額商品は、最終的な購入行動の決め手がカタログであることも度々です。小さい広告会社でもこのカタログ扱いのあるところは一つの強みを持っていると言えるでしょう。

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2004.06.30

公告。

「公告」と「広告」は極めて異質なものです。

自発的にメッセージを広く伝えることで、なんらかの影響を及ぼすことを目的とするのが「広告」であり、なんらかの定めに則り特定情報を公に周知させることを目的とするのが「公告」といえるでしょう。

一般に公告は国や官公庁が法律に則って新しい法律の施行前や国有地の払い下げなどの際に行われます。しかし公告といっても、官報と呼ばれる専門紙(?)への掲載や、役所の前にある掲示板に掲示するだけという場合がほとんどです。

官公庁以外にも、株式上場企業が重大な決議や判断をする際に、商法や東証の定めに則り公に告知することがあります。代表的な例が決算公告を筆頭とする法定公告です。

6月29日は株主総会が集中する日でした。株主総会で承認された決算は商法に則り官報または定款に定めた日刊新聞紙で公告しなければなりません。

多くの上場企業が定款で日本経済新聞を公告を掲載する日刊新聞紙と定めています。このため6月30日の日経朝刊はこの「決算公告」が集中します。今朝はぜひ駅売店で日経を購入し、その分厚さを確かめてみてください。

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2004.06.29

オプトイン、オプトアウト。

今や迷惑の代表のような無承諾電子メール広告。送信するための費用がほぼゼロであるために、送信者が際限なく一方的なメールを送ってきます。このようないわゆるSPAMメールは、現在改正特定商取引法で厳しく制限されています。

しかしあらかじめ受信者本人にメール受領の許可を得ていれば、電子メールでのコミュニケーションはone to one marketingの基本ツールとなりえます。この受領許可を得ることを「オプトイン(opt-in)」といいます。

また一度はメールを受け入れたとしても、それを解除したいときにはその機会をきちんと与えなければいけません。このことをオプトアウト(opt-out)といいます。

DM業者だけでなく、企業がキャンペーンで集めた応募者リストに(当選通知のような)キャンペーン以外のメールを送ることにもオプトインが必要になります。同時に、要請された場合にはオプトアウトしなければいけません。これは個人情報保護法の規定です。

先日ついに私の家にもきた「携帯電話未納料金お支払いのお願い」なるハガキ、こちらの関連法規はこの条文のようです。自分でオプトアウトさせようとすると術中にはまりそうなので、警察にノックアウトしてもらいたいところです。

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2004.06.24

ライフタイムバリュー(LTV)。

ライフタイムバリュー(Life Time Value)とは顧客生涯価値と訳され、その人が一生のうちどれくらい商品・サービスを消費・利用するか、現時点で金額などで換算することをいいます。

いろいろ調べましたが、大きくいって

(1)一生に飲むビールの量といった、特定ジャンルの生涯消費量。

(2)特定企業の商品・サービスの顧客となった人が、その後どれだけその企業の顧客となり続け、利益を与えるか。

の2種類で使われています。

(1)一般的な人の特定ジャンルの消費についてのLTV視点。

日本郵政公社「DM FACTORY」

ライフタイムバリューとは、平均的な寿命を持つ人がある特定の商品やサービスを一生のうちにどれくらい消費するかという考え方です。例えば、ビールであれば約2万本を消費するといわれています。

ジェリココンサルティング

単純にいうと、一人の顧客が一生を通じて使うお金のことをライフタイム・バリューという。(中略)ある製品を、生涯、どれだけ購入するかはほぼ決まっている。家電製品なら1世帯当たり730万円。呉服なら530万円。キッチン・バス・トイレなど水回り製品は550万円、車関連は3500万円。

(2)特定企業(特定サービス)にとってのLTVの視点。

野村総研

顧客ロイヤルティを高めていけば、その顧客は生涯にわたって企業に大きな利益をもたらすという考え方。

電通ワンダーマン

LTVとは、経費と利益に将来寄与するすべてのものの、現時点で測った純価値

上記ジェリコのデータにある「車関連3500万円」のLTVは、保険やガソリンなども含んでいるのでしょうが、いずれにせよ極めて大きいものです。もっとも大きい「車」マーケットでは、定期点検や車検といった定期的なリレーションを持つことで次の大きな購入時期の情報を得、途切れることなくカスタマーシェア(LTVの中で自社シェア)を拡大していきます。ダイレクトマーケティングのもっとも大きなフィールドといえるでしょう。

しかし画一的にしつこく推奨するのでは逆に顧客は逃げていきます。顧客データを持っているだけでは利益にならない。そこには人間味のあるコミュニケーションが必要です。

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2004.06.23

ダイレクトメール。

ダイレクトマーケティングの基本ともいえるダイレクトメールに日本で一番熱心な会社は、ある意味日本郵政公社だと言えるでしょう。公社化される前の郵政省のころから、ダイレクトメール=郵便の商利用の拡大のために、役所らしからぬ姿勢で取り組んできています。

日本郵政公社「DM Factory」では、ダイレクトマーケティングの基本とも言えるDMの基本知識・基本戦略・作成の流れ・データベースマーケティング・費用対効果などがまとまっており、読み物としても面白くためになっているものになっています。DM関連用語集には、私たちが普段使っている用語がたくさん載っています。

また、日本DM協会や、クリエイティブなDMを表彰する全日本DM大賞など、旧郵政省時代からダイレクトメール市場の活性化のための施策には事欠きません。

電子メールの普及でリアルなダイレクトメール(「郵政省メール」と言いましたね)は劣勢ですが、電子メールのリアリティのなさ、テレアポのうっとうしさ、訪問販売の迷惑さを考えると、誠実なダイレクトメールはまた息を吹き返す可能性もあるのではないでしょうか。

ダイレクトマーケティングとしてのDMの第一人者といえば、電通ワンダーマンが挙げられます。同社サイトの「ビジネス・メディアとしてのダイレクトメールの今後」も併せてご覧下さい。

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2004.06.16

トヨタ「パッソ」とダイハツ「ブーン」。

6月7日に、トヨタとダイハツの共同開発車である「パッソ」「ブーン」が発表され、それそれ大キャンペーンを展開中です。この2車種は実態は同じ製品ですが、それぞれの会社のブランドとしてスモールカー市場に参入しています。かつてのトヨタ「デュエット」とダイハツ「ストーリア」の関係と同じです。

ダイハツはトヨタの子会社でもあり、一見不思議な戦略に思えます。なぜこのようなことをするのでしょうか。

日本の新車市場は、事実上車ディーラーからの販売に集約されます。したがって今もディーラー網は重要な役割をもっています。またディーラーはCRMの原点のような業界であり、一度新車を購入したきっかけで長い付き合いをすることも度々です。

一般にダイハツは、娘の通勤や主婦の乗り回しなどの軽自動車マーケットで、地方に強いディーラー基盤をもっています。そのディーラー網と付き合いを持っているお客さんが、今更大きい車の運転は自信がないがたまには黄色ナンバーではない車も乗りたいというニーズを持っているとしたら、ブーンのような車をラインアップに持っておきたい理由は十分あるでしょう。

またトヨタのディーラーでも、セカンドカーやもっと安価な車のニーズに対応するためには、もっと廉価で小回りのきくコンパクトな車種が必要です。「パッソ」はそのポジショニングに投入されたものでしょう。またこれにより既存車種の無用な値崩れを避けることもできます(「ヴィッツはもう少し安くならないのか」という話に、「ではパッソはいかがでしょうか」と逆提案も可能)。

もちろん圧倒的にトヨタのディーラー網の方が大きく強いのですが、両車種の生産主体はダイハツであり、ダイハツとしてもトヨタ側で売れるメリットは大きいと言えます。

あくまで推測ですが、消費者が車を選ぶ上で、トヨタ・ダイハツ双方のディーラー網を訪れることは稀なのではないでしょうか。このため、パッソとブーンが同じ製品だとしても、それぞれのディーラーのラインアップの中で独自に位置付けることができるのでしょう。

ディーラー双方に行くことは稀でも、ネット上のキャンペーンは自由に行き来できます。双子の兄弟がそれぞれの就職先(?)でどのような活躍をしているか、見比べて見てください。

トヨタ自動車株式会社 PASSO(パッソ)
「プチトヨタ劇場」

ダイハツ工業株式会社 BOON(ブーン)
「zuttosuki.com(ずっと好きドットコム)」


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2004.05.30

個人広告。

インテルインサイドから始まってコラボ商品まで共同ネタをひっぱっていますが、今度は対極的な「個人広告」についての考察を。

個人が広告を出すメディアとしては、1996年に発刊されたリクルートの「じゃマール」という雑誌がありました。これは個人が「売りたい」、「買いたい」、「出会いたい」などの情報を交換する雑誌で、個人が広告費用という形で誌面を買い、それぞれが情報を発信するという画期的なものでした。ちょうどインターネットが普及し始めてきた頃ですが、コンビニでも買える雑誌に自分の広告が載せられるというインパクトは当時としても相当大きかったと記憶しています。

しかし個人の情報発信はインターネットに急速に移行し、雑誌のじゃマールはISIZE内「ISIZEじゃマール」というコンテンツを持つも、2000年6月に雑誌が廃刊、ISIZEじゃマールも2001年12月20日にサービス中止となっています。

今でも雑誌の読者のコーナーで個人間情報を投稿するものはありますが、インターネットの普及・常時接続化に伴い、個人の広告ニーズは特定の「メディア」ではなくインターネットという「インフラ」に吸い込まれています。この意味で個人HPは(告知の場を買う)「広告」とはいえないでしょう。

例えば著名人のホームページは本人とファン・視聴者と直接つなぐ場であり、メディアを通じないダイレクトなメッセージの発信しています。有名人の表層を伝えるのがメディア、本音を伝えるのがインターネットという構造は、従来のメディアと有名人の関係を大きく変えてきているのでしょう。

しかし本当のインパクトと信頼性を求めるのであれば、既存マスメディアできちんと考査を通した個人広告が効果的です。昨年の阪神セリーグ優勝翌日の星野仙一監督の個人広告は全国に感謝のメッセージを発信すると同時に、その個人広告自体が多くのメディアに取り上げられました。

ただHP上に謝辞を載せるというのはすでに何ら新鮮味がない時代になっています。新聞というメディアでメッセージを伝えることがいかに強烈な印象を残せることかを広告業界に再認識させた事例となり、先日2003年TCC賞を受賞しました。

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2004.05.29

コラボ商品。

CMのコラボレーションだけでなく、商品そのものを複数の会社の共同プロジェクトで開発し、「共同開発」「コラボレーション」と銘打って発売するケースが最近見られるようになりました。これらは「コラボ商品」と呼ばれています。

最近広告で明確に共同開発・コラボレーションと謳っているものには以下のようなものがあります。

・アディダスとキリンビバレッジの共同開発「キリン 対乳酸プロダクト903」(アディダスサイト内には商品ページは確認できず)。

新宿中村屋キリンビバレッジの共同開発「食べ茶」(食事に合う紅茶)

資生堂コカ・コーラの「香り」をコンセプトとした共同開発ブランド「アロマワークス」(「ボディースタイルウォーター(飲料)」「ボディースタイルミスト(化粧水)」

カルビーと桃屋・中野物産との期間限定コラボレーション「かっぱえびせん ごはんですよ!味」「かっぱえびせん 都こんぶ味」(桃屋・中野物産のサイトには商品ページは確認できず)。


この他にも有名茶メーカー京都福寿園の名前を冠としたサントリー「伊右衛門」も一種のコラボレーションといえるかもしれません。

これらの商品CMもダブルスポンサー上の考査を受けていると思いますが、告知内容自体は1つの商品であり、複数社が目的をもって共同で責任を持って開発したということが明確であることから放送を許可されているのだと想像しています。

個人的な意見ですが、コラボ商品はイベント的に発売される分には大きな興味を引き売上げを獲得すると思いますが、1つの長期的なブランドとして確立させるのはかなり難しいプロジェクトだと思います。私は上記の中でも資生堂・コカコーラの「アロマワークス」ブランドが、WiLLのような「コンセプトベース」ブランドではなく、本格的な「共同開発」ブランドとして今後どのように成長していくかを注目していきたいと思います。

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2004.05.28

コラボCM。

テレビCMは1単位が15秒~30秒と時間が短い上に、そもそもメディアの枠が売り手市場で希少であるため、新聞の連合広告のようなものは通常ありません。

しかし2001年にはサントリーボス、スカパー、KDDI、富士写真フィルムなどがストーリー上つながったいわゆる「コラボレーション」型のCMが初めて放送されました。

推測ですがこれは1枠を刻んで割安で告知するといった主旨ではなく、純粋にクリエイティブ上のインパクトをねらったものでしょう。実際このシリーズは大量に放送され、媒体費用も相当大きかったはずです。

このCMを見て「あれ?」と思う感覚が、ダブルスポンサー問題の本質です。しかしそれ以上に「次を見たい!」と思わせるようなクリエイティブの質が、テレビ局をOKさせたのではないかと想像しています。

このコラボCMがタグボートによるものだったというのも納得できます。しかし営業やメディア担当の負荷はCM2本分といったレベルをはるかに超えていたのでしょうが(苦笑)。

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2004.05.27

連合広告。

連合広告とは複数の広告主が集まって1つのテーマの広告をするというものです。連合広告は主に新聞や雑誌など印刷媒体が舞台となります。

新年や慶事の際に「明けましておめでとうございます」というメッセージの下などに、一定の枠内で社名程度の広告をずらっと並べたものも連合広告の一種であり、別名「名刺広告」といいます。広告の上に関連記事を掲載するなど、新聞社が主体となって企画する「広告企画」の一種となるため、当然ダブルスポンサー問題は発生しません。

他には、入試シーズンに大学特集、高校特集といった季節性のある記事と連動して、複数の学校が一定の枠の中で並列に並んで広告を出すようなものがあります。通常同業他社の広告主が同じ面に掲載されることは嫌われることですが、このような統一的で横断的な企画性があれば出稿する価値もでてきます。

また媒体社による連合広告企画ではなく、代理店が自主的に取りまとめる連合広告もあります。この場合は代理店が先に広告枠を買い切っている(買い切らされている)場合が多く、それを前提に媒体社と協議しながら審査を通していくということになります。新聞広告以外でも、電車のまど上広告で「沿線のお店案内」といった企画で複数の広告主を並べる連合広告をやっているものも見受けられます。これは代理店が1枠スペースを買って独自に小分けして販売しているものです。これもその枠を買い切っている可能性は高いと思います。

連合広告というものは、個々の広告主に向けたフルサービスとはちょっと違う感覚が必要であり、決して簡単なものではありません。しかしある種この機能に特化した会社であればむしろ効率的に利益を上げることができます。

その代表格は、いわずとしれた「リクルート」さんですね。ただし媒体も自社持ちですが。

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2004.05.26

ダブルスポンサー。

広告の枠や時間を2つ(以上)の広告主でシェアすることをダブルスポンサーといい、一般に掲載拒否される対象となります。

この理由は大きく分けて2つあります。

(1)広告商品の販売単位を維持する。

例えば電車の中づりが1枠100万円だとして、代理店がその枠を買って上下2つに分割し、勝手に広告主2社に60万円ずつで販売するというようなことがあれば、商品の最小単位がくずれ、不当に代理店が儲ける上に、媒体の見え方の質を下げることにつながります。同様にTVCMの最小単位は15秒ですが、これを7.5秒の2枠に勝手に切って小額の商品として再販されるようなことも媒体社としては避けなければいけません。

(2)広告の主体がどちらなのか分からず責任主体が不明瞭となることを避ける。

広告というのはメディアの枠を借りた広告主のメッセージです。メッセージは発信の主体が責任を持たなければいけません。その主体者がどちらか分からないようなあいまいな広告は排除されることになります。

ダブルスポンサーについては上記がメディア全般の原則であり、特にテレビ広告では厳密に適用されています。

メッセージの主従関係が明確な広告(カメラ量販店がメーカー名を並べる)などは(審査の上)OKといったこともありますが、少なくとも2つ以上の法人が絡む広告は厳しい審査の対象となります。PCメーカーのCMにインテルのロゴとサウンドロゴが入るものは、今でこそ普通に放送されていますが、企画の当初は審査上最もギリギリの線だったに違いないと思います。

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2004.05.25

インテルインサイドは日本発。

マイクロプロセッサ(MPU)メーカーのインテルの「インテルインサイド」キャンペーンは、各種MBAの教育でも取り上げられる、ブランド戦略の世界的成功例とされています。MPUという一般には知られない分野を、パソコンメーカーのプロモーションと連動することで多大な認知とブランディングを確立し、同時に他のMPUメーカーの進出を牽制する仕組みを構築したキャンペーンです。

このインテルインサイドが日本の大手広告代理店の企画から始まったということは、今や知っている人は少ないのかもしれません。1990年頃「Intel in it」というワーディングとロゴで、当時より始まった車内広告貸切電車でPCメーカーポスターとインテルのポスターを並列して掲載するなど、PCメーカーとの共同広告を日本で展開していました。

その後このキャンペーンは米国本社に注目され、Intel Insideという言葉に代わり、PCメーカーへのインセンティブを絡めた世界的マーケティング戦略に採用され現在に至っています(現在はインテル社の独自プログラムとして直で実施されています)。

私はこのインテルインサイドを日本発の誇るべきキャンペーンだと思っています。以前アメリカで実際にあった夏に雪かき機を売る方法というコラムを発表しましたが、部品メーカーが表舞台に立つという課題も夏に雪かき機を売るのと同様の困難性があると思います。それを画期的なアイデアによって世に送り出し、現在までその価値は衰えていません。

 残念ながらどのMBAの教科書にも日本発ということは書かれていないようです。しかし、このコラムの読者の方はぜひ覚えておいてください。日本人にもこのようなキャンペーンを作る力があることを。

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2004.05.22

イグノーベル賞。

イグノーベル賞は2002年に日本からバウリンガルが受賞してからかなり取り上げられるようになりました。

イグノーベル公式HPでのイグノーベル賞の定義は、

Every Ig Nobel Prize winner has done something that first makes people LAUGH, then makes them THINK.(すべてのイグノーベル賞受賞者は、まず人々を笑わせ、そして考えさせる何かを成し遂げた人です。)

となっています。 

過去の日本人(と思われる人)の受賞研究は以下のようになっています。


The 2003 Ig Nobel Prize Winners
CHEMISTRY
Yukio Hirose of Kanazawa University, for his chemical investigation of a bronze statue, in the city of Kanazawa, that fails to attract pigeons.
(2003年イグノーベル賞:ハトに嫌われる銅像の化学的検証に対し金沢大学 Yukio Hirose氏に授与)

The 2002 Ig Nobel Prize Winners
PEACE
Keita Sato, President of Takara Co., Dr. Matsumi Suzuki, President of Japan Acoustic Lab, and Dr. Norio Kogure, Executive Director, Kogure Veterinary Hospital, for promoting peace and harmony between the species by inventing Bow-Lingual, a computer-based automatic dog-to-human language translation device.
(2002年イグノーベル平和賞:コンピュータによる犬と人間の間の自動翻訳装置「バウリンガル」を発明することで異なる種の間に平和と調和を促進したことに対し、タカラ他の開発者へ授与)

The 1999 Ig Nobel Prize Winners
CHEMISTRY
Takeshi Makino, president of The Safety Detective Agency in Osaka, Japan, for his involvement with S-Check, an infidelity detection spray that wives can apply to their husbands' underwear.
(1999年イグノーベル化学賞:妻が夫の下着に吹き付ける不貞行為発見スプレー「S-Check」のかかわりに対し、大阪の探偵会社社長へ授与)

The 1997 Ig Nobel Prize Winners
BIOLOGY
T. Yagyu and his colleagues from the University Hospital of Zurich, Switzerland, from Kansai Medical University in Osaka, Japan, and from Neuroscience Technology Research in Prague, Czech Republic, for measuring people's brainwave patterns while they chewed different flavors of gum. [Published as "Chewing gum flavor
affects measures of global complexity of multichannel EEG," T. Yagyu, et al., Neuropsychobiology, vol. 35, 1997, pp. 46-50.]
(1997年イグノーベル生物学賞 違う香りのチューインガムを噛むときの人の脳波パターンの測定に対し、関西医科大学出身Yagyu氏などに授与)

ECONOMICS
Akihiro Yokoi of Wiz Company in Chiba, Japan and Aki Maita of Bandai Company in Tokyo, the father and mother of Tamagotchi, for diverting millions of person-hours of work into the husbandry of virtual pets.
(1997年イグノーベル経済学賞 何百万人の人の仕事の時間をバーチャルペットの家畜学に転換させたことに対し、バンダイ他たまごっちの開発者へ授与)

The 1996 Ig Nobel Prize Winners
BIODIVERSITY
Chonosuke Okamura of the Okamura Fossil Laboratory in Nagoya, Japan, for discovering the fossils of dinosaurs, horses, dragons, princesses, and more than 1000 other extinct "mini-species," each of which is less than 1/100 of an inch in length. [REFERENCE: the series "Reports of the Okamura Fossil Laboratory," published by the Okamura Fossil Laboratory in Nagoya, Japan during the 1970's
and 1980's.]
(1996年イグノーベル生物多様性学(?)賞 恐竜・馬・竜・王妃(?)・その他1000以上ものの、すべて長さ100分の1インチ以下の、死に絶えた「小種」の発見に対し、名古屋の岡村化石研究所に授与)

イグノーベル賞の「まず人々を笑わせ、そして考えさせる」という価値観は、広告のあり方にも近いものだと思います。笑わせるだけならただの娯楽です。考えさせる何かを残せるものがメッセージとして届いている広告なのではないでしょうか。

あなたは最近のどんな広告に笑い、そして考えさせられましたか?

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2004.05.21

広告と広報の違い。

広報(PR)業界を受験する学生にとって、「広報と広告はどう違うか」という質問への答えは常に用意をしておかなければいけません。特に広告業界をきっかけに広報業界を知った人には重要です。

広報と広告の違いについては浜松商工会議所のHPが分かりやすい解説をしています。この解説では


広報とは「企業がマスコミに向けて情報を発信し、それがマスコミの報道を通じて社会に情報伝達されるもの」。
広告とは「新聞や雑誌のスペース、ラジオやテレビの時間を買って、その中で企業のメッセージ(新製品情報を含む)を伝えていくこと」。

としています。

このような定義上の違い以外に、両者の違いを短く言う表す言葉や例えを持っているとよいでしょう。例えば、

自分が言いたいことを言うのが広告。相手が知りたいことを言うのが広報。

広告はメッセージ、広報はニュース。

広告はビジネス活動、広報はロビー活動。

広告は特効薬、広報は漢方薬。

広告は地上戦、広報は情報戦。

といった感じでしょうか。

しかし、私はある広報マンから聞いた以下の例えにもっとも感銘を受けました。

「広告はモーターボート、広報はヨット。」

(モーターボートは自力で走り、ヨットは風向きを見ながら進んでいく。)

この例えは、自分が広告向きなのか広報向きなのかを考える上でも参考になるものではないでしょうか。

みなさんも広報と広告がどう違うのか、自分自身で言葉を発見してみてください。いい言葉が見つかったら、ぜひこのコラムにコメントとしてぶら下げてみてください。

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2004.05.10

ユニバーサルデザイン(UD)。

最近ユニバーサルデザイン(UD)という言葉がよく報道されます。UDは1980年代に米国ノースカロライナ州立大学(NCSU)のロナルド・メイス氏が提唱したものであり、UDの定義

The design of products and environments to be usable by all people, to the greatest extent possible, without the need for adaptation or specialized design.
(改造や特別な設計をする必要もなく、最大限可能な限りすべての人々が使うことができるための製品や環境のデザイン)

とされています。

上記NCSUのサイトで定義されている「UDの7つの原則」とその例について、三重県のサイトが分かりやすい解説をしています。ここではユニバーサルデザインの7つの原則とは


1. 誰にでも使用でき入手可能(公平性)
2. 柔軟に使用できる(自由度)
3. 使い方が容易にわかる(単純性)
4. 使い手に必要な情報が容易にわかる(わかりやすさ)
5. 間違えても重大な結果にならない(安全性)
6. 少ない労力で効率的に、楽に使える(省体力)
7. アプローチし、使用するのに適切な広さがある(スペースの確保)

と翻訳しています。

UDは、身障者用、外国人用などを「最初から区別せずに」商品開発や街づくりをするという点で、それまでのモノ作りと考え方が違うものです。身障者は身障者用を使ってくださいというものではなく、誰でも気兼ねなく使えることが重要な概念となっています。

UDの考え方は極めて受入れやすいものだと思いますが、製品を作る側に立てばUDはコスト増につながる可能性もあります。しかし、トヨタ自動車が「人にやさしいクルマ作り」としてUDという考え方を世に発信しているなど、広告業界にとっても注目すべきキーワードとなっています。

もしも筆記試験やグループディスカッションのテーマなどにUDが出た場合は、「最初から区別せずに」という点が分かっているかどうかが評価の分かれ目になると思います。このblogを機会に頭に入れておいてください。

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2004.05.08

セルリキ(セルフリキデーション)。

プレミアムキャンペーンはオープン懸賞、クローズド懸賞、べた付け(総付け)が挙げられますが、ちょっと変わった手法で「セルリキ(セルフリキデーション)」というものがあります。

リキッド(liquid)は英語で「液体」ですが、リキデーション(liquidation)は「清算」という意味になり、セルフリキデーションは直訳すれば「自己清算」となります。セルフリキデーションとは「プレミアムの費用を一部消費者が支払う」ことでプレミアムを得ることができる仕組みのことを言い、略して「セルリキ」と呼んでいます。電通ワンダーマンの解説が分かりやすくなっています(セルフリキデーティングプレミアム)。

プレミアムは良くても当たるかどうか分からないクローズド懸賞では最初から参加しない人も多く、またべた付けでは大したものはあげられないというジレンマがあります。セルフリキデーションは購買を前提とした(マストバイ)キャンペーンで、クローズド懸賞べた付け両方のいいところを採った仕組みです。

レアものなど消費者に欲しいと思わせるほどのプレミアムであれば、それを得るために商品も買うし自分でも多少のお金を出すという人は結構います。そのような能動的な消費者向けにはぴったりのキャンペーンといえるでしょう。過去にはペプシやサントリーなどの例があります。

とはいえ、一般消費者からお金を振り込んでもらい、購買証明付きの応募ハガキなどと突き合わせて発送するというのはオペレーティングする側としても大変であり、また応募する側もかなりコアな人を対象とするために、そう一般的な手法とはなっていません。しかし今やITが発展し、ネットショッピングやマイレージのポイント交換もできる時代になっており、工夫次第では従来よりもスムースにセルリキ方式のキャンペーンを実施できるのではないかと思います。

あなたがいままで「絶対欲しい!」と思った景品は何ですか?いくらまでならお金を出してもよいと思いましたか?

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2004.05.06

垂直展開と水平展開。

アップセル・クロスセルより大きい概念として、垂直展開・水平展開という言葉があります。

垂直展開とは現在もっている技術やブランドをさらに深化させ、そのジャンルでより強固な地位を確保することです。この代表はCPUメーカーのインテルといえるでしょう。インテル創業者が提唱した「ムーアの法則」はマイクロプロセッサにも当てはまると言われますが、実際は厳しい競争下の不断の垂直戦略によって自ら成し遂げてきたものといえるでしょう。

一方水平展開とは現在もっている技術・ノウハウやブランドを他のジャンルに転用し、より幅広い市場で利益を上げていくことです。この代表はアマゾンに他なりません。アマゾンはまずはオンライン書店として創設され、ITを活用したCRMで絶大なる顧客満足と巨大な市場と得ました。そしてそのノウハウを書籍以外の商品にも拡大し、世界最大のネットショッピング会社となりました。

アマゾンがbook.comのような安易なサービス名にしなかったのは、当初から総合ショッピングサイトとしてのブランド化をねらっていたからだと言われています。これが本当だとすれば、そのビジョンの壮大さには感嘆せずにはいられません。

最近では2003年7月にDell Computer Corporationが社名をDell Incに変更しています。これもコンピュータ以外に液晶テレビPDAなど他のジャンルも扱っていくという「水平展開」のためだと考えられます。

強固なブランドにとって水平展開は極めて魅力的です。しかしユニクロの食品事業のように、有名ブランドだからといって必ずしも水平展開が成功するわけではありません。ソニーのように電子機器からゲーム・音楽・映画などコンテンツに至るまでの水平展開は、ただ他の市場でも利益を得るというだけでなく、同社の統合的なブランド戦略に基づく事業拡大といえるでしょう。

水平展開が成功してはじめてブランドの本領発揮といえるかもしれません。

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2004.05.05

アップセルとクロスセル(メーカー編)。

流通同様に、メーカーにとってもアップセル・クロスセル戦略は重要です。この考え方にもとづくと商品開発やキャンペーン戦術が見えやすくなることがあります。

メーカーのアップセルの成功例は、「500mlペットボトルお茶・水」でしょう。190mlが中心の缶コーヒー、250mlまたは350mlが中心の清涼飲料はいずれも税込み110円ですが、500mlのお茶・ミネラルウォーターは、しっかりしたフタが付いていて持ち運びに便利で保存が利き、ぬるくなっても飲めるという付加価値があり、税込み150円という価格でも多くの消費者が手に取ります。新たな需要も喚起し、価格も高く設定できたいい例だと思います(ただし輸送費が高くなるなど多少のコスト増も発生します)。

メーカーのクロスセル戦略としては、花王の健康エコナ油と健康エコナマヨネーズが挙げられるでしょう。花王の最初の食品ブランドである「エコナ」は、健康に悪いイメージの油ジャンルで「厚生労働省許可特定保健用食品(いわゆる特保)」を開発したものです。この成功を機に、2002年9月にエコナ油を使ったエコナマヨネーズを発売、特保という権威とエコナブランドをバックにキユーピー牙城のマーケットで独自の地位を確立するにまで至りました。食卓での横断的な健康戦略は後発ブランドのクロスセル戦略そのものといっていいでしょう。

商品開発自体がアップセル・クロスセル戦略になっている場合もありますが、多くは広告やセールスプロモーションの形をとります。あまり厳密な区切りはありませんが、たとえば以下のようなものが挙げられるでしょう。

・購買頻度アップ 例:山崎パンまつり

・商品幅拡大 例:ライオン「住まいの除菌清潔フェア」

商品群をもっているのはメーカー自身です。しかしメーカーは基本的に消費者個人の購買履歴をとることができません。このため、常に流通を意識した形でのアップセル・クロスセル戦略が必要だといえるでしょう。

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2004.05.04