労組役員の立場から、意見を書きます。
アサヒコムは7月5日に「選手会、1年の合併延期を要請 「議論必要」と機構側に」と報じました。以下引用。
選手会、1年の合併延期を要請 「議論必要」と機構側に
労組プロ野球選手会(ヤクルト・古田敦也会長)と日本野球機構の団体交渉に当たる「プロ野球協議・交渉委員会」が5日、東京都内であり、選手会は、近鉄とオリックスの合併について十分に議論されていないとして、1年間の合併延期を要望した。野球協約にある特別委員会の開催も再度、申し入れた。機構側の明確な回答はなかった。
委員会では近鉄、オリックス両球団がこれまでの経緯を説明。ライブドア社の買収申し出を近鉄が断ったことには「企業として信頼性がない」との説明があったという。
選手会側は「勝手に進めてもらっては困る。1年ぐらいは議論する必要がある」(古田会長)と延期を要求。球団命名権の売却を来季に限って認め、延期する間の近鉄球団の経営負担を減らす案を示した。
古田会長は協議後、合併が延期されれば、年俸抑制策についての議論に応じる用意があることも明らかにした。
特別委員会は「選手契約に関係ある事項」を選手を交えて話し合う場と定められており、選手会が6月18日に開催申入書を提出していた。特別委の招集権を持つ実行委員会議長の豊蔵セ・リーグ会長は、再度の要請に「あり得ると思う」と話しただけで、開催の見通しは立っていない。
(中略)
選手会は、機構側の対応を見ながら、今後の方針を固めていく構えだ。 (asahi.com 07/05 21:52)
球団経営は自由競争ではなく、プロ野球選手にはドラフトやFAなど様々な制約があります。いいかえればプロ野球選手には職業選択の自由が極めて制限されているといえるでしょう。だからこそ、まずは選手主体で考えるべきです。
古田会長は6月24日木曜深夜テレビ朝日系「NANDA!」で、「合併問題って何が問題なの?」という視聴者の声に、以下のように分かりやすく答えていました。
・球団がなくなることが自体がもっとも困ること。
・親会社が変わってもチームを残すという方向で考えるべき。
・時間がなさ過ぎる。
・選手の半分は職を失う可能性あり。
・球団に関わっている人は選手だけでない。トレーナー、マネージャーなどの職にも影響する。
・プロスポーツは生活の一部のようなファンもいて、通常の企業経営と同じ感覚には疑問。
特に
「偉い方が「8球団が適正」などという。記事にものる。ファンもそう思う。それが怖い。球団数が減るとファンが減る。子供がやらなくなる。縮小の方向になる。悪いスパイラルになる。」
という言葉が印象的でした。
今回の合併は選手からみた議論があまりに少なすぎます。選手を各球団で引き取るといった話もあるようですが、野球が9人でするスポーツである以上、すでにいる選手へのしわ寄せも否定できません。
このような場合、選手の高年俸が取り沙汰されることがあります。しかし実力のある選手が高年俸であり続けることは、次の世代の少年たちに夢をもってもらう上で必要なことです。実力勝負の結果ならまだしも、企業経営の都合だけで一斉にリストラされることが簡単に起こり得るなど、子供にどう説明していくのでしょうか。
合併による選手とファンのメリットは極めて少ないといえるでしょう。だからこそ、近鉄も、そしてオリックス自身も、まずは球団売却から検討すべきです。本来の形で経営するつもりがないのであれば、まずは売却という方法にありとあらゆる選択肢を排除すべきでないでしょう。
過去にもさまざまな業界の企業が球団経営に携わりました。かつて西武の前にはクラウンライターというライターメーカーがライオンズを所有していました。ライブドアでいけない理由がどこにあるというのでしょう。現在の球団コミッショナーは相撲の年寄よりも年寄の方ばかりです。若い世代の球団経営の発想こそ、パリーグ独自の発展の起爆剤になるのではないでしょうか。
上記「NANDA!」では、近鉄の中村紀がインタビューに「トップの話だから口出すことができない。」といっていました。高年俸の大スターでも、結局個人では何も経営陣に交渉することはできません。だからこそ、労働組合プロ野球選手会の出番なのです。そして労働法にのっとり、プロ野球機構は労組との交渉の場に立たなければいけません。
同じ組合の役員として、応援します。労組プロ野球選手会、古田会長、がんばれ。ライブドア、がんばれ。