心構え

2008.02.13

エントリーシートは、期末試験ではない。(再掲)

私にはひとつ気になっていることがあります。もうすぐエントリーシートの提出期限が一斉にやってくる時期になっており、「エントリーシート書いた?」というノリの話がよく聞かれます。これは、「期末試験対策した?」「やっべー、まだだよー」という会話と同様のレベルの感じがしてなりません。

内定する、ということは、役員面接で通過することです。

途中で何回エントリーシートや筆記や面接を通過しようと、役員面接で落選すればなんら意味はありません。過去のコラムに書いた通り役員面接は特殊な位置付けだとしたら、役員面接に送り込む学生を採用当局が絞り込む「役員面接前面接」が、極めて重要な位置付けとなります。しかも選考はすべての過程が1、2カ月程度で終わる、急なスケジュールになっています。

はっきりいいましょう。広告業界では採用倍率から考えても、エントリーシートで「かつかつ受かる」レベルの人が内定することはありません。じゃんけんに4回連続で勝てば内定、という訳にはいかないのです。

SPIのような筆記試験は別にすれば、広告業界の採用試験のすべてのフェーズは、同じ「コミュニケーション力」という競技です。甲子園で本気で優勝を目指すチームは、地区予選の初戦突破に特別な対策を練ることはありません。手を抜く事なく、優勝するための練習を生かし、普段どおりの試合をするだけです。

人事幹部や役員との面接の場で、どう自分が会社に貢献できるかを説得し、相手に納得してもらうかを、徹底的に追求する。これだけが、内定し、それだけでなく実際に仕事で活躍するために、あなたがしなけらばならないことです。徹底的に考え、自分なりの結論を得たのなら、エントリーシートはその一部分として必ず簡単に書けます。

広告業界は常に「競合プレゼン」に晒されており、「完勝」を目指して全スタッフがそれぞれのパートで全力を挙げます。一度でもベストを尽くしたことのない人には、絶対に通用しない業界です。

内定を手にする学生は、大学の試験でいえば「全優」を狙うレベルで努力している人と言えるでしょう。単位は試験対策程度で取れるでしょうが、内定はエントリーシート対策程度では遠く及ばないのです。

普段の試験対策の「ノリ」でエントリーシートに取り組んでいる学生の方がいれば、まず、心構えから考え直してみてください。今なら、まだ間に合うかもしれません。

※このコラムは、地方の就活生に贈ります。中途半端にエントリーシートに通っても、最後まで駆け抜ける力がなければ、途中の莫大な移動費用が無駄になります。役員面接まで一気に内定するつもりで、十分自己革新して臨んで下さい。

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2005.12.01

時間を守る。

時間を守らない人、は、貸した金を返さない人と同じであり、ビジネスの世界では致命的です。あなたが約束の時間に約束の場所に到着する、ということは、商品を約束の時間に約束の場所へ納品するのと同じく、履行すべき仕事と言えるのです。

貸した金を約束の時期までにちゃんと返す人、約束した金額通りにきちんと払う人とは健全な取引関係が結べますが、少しでも返し渋ったり、返す段階で値切る人と、あなたは仕事をしたいと思うでしょうか。同様に、理由もなく遅刻を繰り返したり、遅刻をしても無意味な言い訳ばかりしている人は、間違いなく社会人の世界では信頼されず、転落していくことになります。

私の会社の大先輩は、「たとえ出席者が自分1人でも、会議は予定時間に開始する」というポリシーを持っていました。実際に自分で1人で司会進行をし、議事録を書いて、それをもって決定事項としたこともあったそうです。私はこの考え方に、とても共感しています。

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2005.11.29

「伝えたい情報」と、「役立てたい情報」。

(2005年1月25日のコラムの再掲載)
人を行動に駆り立てる情報は、「伝えたい情報」と「役立てたい情報」に大別することができるでしょう。

「伝えたい情報」の代表的な例はニュースです。報じられた直後のころがもっとも行動させる力が強いと言えます。フジテレビの人気番組「トリビアの泉」も、役に立たないが伝えたくなる情報ばかりです。しかし所詮はメジャー媒体が発信する情報。ほっといても情報は広まり、いずれ陳腐化し、知られているだけの情報になります。

一方、「役立てたい情報」は違います。特にビジネスの世界は営利が目的であり、自社の利益に関係する情報は発見した人(会社)は、他社が知る前に徹底的に利用し尽くします。それは「伝えたくない情報」と言い換えることもできます。

学生にとって就職活動は人生最初の情報戦です。広告労協が就活生に知られていくスピードが毎年想像より遅いのは、「役立てたい」かつ「広まってほしくない」情報となっているからだと思います。それは自然な気持ちであり、誰も責めることはできません。「今まで知らなかった。もっと広告労協自体を大々的にPR、広告してほしい」という学生は、なぜあまり知られていないかの背景を考えた方がいいでしょう。

「役立てたい情報」が実際に大きく役立ち、やがてその目的を終えた時、それはもっとも強力な「伝えたい情報」に変化します。広告労協のことを存分に伝えられるのは、やはり広告労協を通じて何かを得ることができた03,04,05生の方に他なりません。

特に05生はまだ在学中であり、卒業に向けて忙しい中にも多くの方が自治会カフェテリアで後輩の面倒を見てくれており、2月のフォーラムでも運営の手伝いをしてくれます。05生が卒業する前に、06生は先輩をもっと頼ったほうがいいでしょう。彼らには「伝えたくてしょうがないお役立ち情報」を山ほど持っているはずです。

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2005.11.27

ケイパビリティ・プレゼン。

はじめての広告主と取引を開始しようとする時や一手扱い(1つの広告会社が広告予算すべてを扱うこと)のための代理店競合では、自分たちの会社がどのような独自性や優位性を持ち、どのような体制と条件でサービスを提供し、どのような貢献ができるかということを包括的にプレゼンテーションすることがあります。これを「ケイパビリティ・プレゼン(ケイパビ)」といいます。

ケイパビでは広告主が何を求めているかあらかじめ探っておくことが重要です。価格が第一条件の広告主もいるでしょうし、IT関係の知識を求めるところもあるでしょう。もっと踏み込めば、相手が求めているのが「パートナー」なのか「請負先」なのか、「自分を成功させてくれる」会社のなのか「楽をさせてくれる」会社なのか、見極めることが有効です。

総合力で攻める大手総合代理店や、新聞やセールスプロモーションなど独自の強みをもつ専門代理店など、さまざまなケイパビリティがあります。必ずしも総合代理店だけが勝つとは限りません。イメージ広告ばかりだと思われる車も、カタログを作る上では極めて専門的な知識を代理店にも要請されます。またビジネスショーなどのイベントを仕切る能力も立派なケイパビリティです。

採用試験はあなた自身のケイパビリティ・プレゼンそのものです。相手はどんな人物像を求め、あなたにどんな強みがあるのかがぴたりマッチすれば、それは内定を意味します。

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2005.11.25

Ctrl+F。

(2004年2月14日のコラムの再掲載)
Ctrlキーを押しながら「F」を押すと、多くのアプリケーションで検索ボックスが起動され、任意の文字列を検索することができます。大量の文章の中から、キーワードのある部分を見つけるのにとても役に立ちます。検索機能はメールボックスの中から目的のメールを探し出すなど、ビジネスでは不可欠の機能といえます。

前回のコラム「金原ひとみと綿矢りさ。」を書いたこともあり、私自身文藝春秋3月号を昨朝購入しました。その中で、綿矢りさの「蹴りたい背中」というタイトルが、小説の内容とあわせて複数の審査員から評価されていることを知り、同作品を読む上で知らず知らず、「背中」という言葉ばかりを探し、追っかけながら読んでいました。

結果、筋のディテールについてはあまり理解することができず、しかも「背中」の部分を見つけたときには、その部分が評価されている理由もよく分からないという、あまりに雑な読み方をしてしまったことに気づきました。普段の仕事で文書や事実を「情報処理」するがごとく大量に捌いていく習慣で、文学という芸術にすらCtrl+Fをしてしまったようです。

結論を急ぎ、情報の量を捌くことで、全体的な構造や哲学を見逃すことはよくあります。皆さんもCtrl+FやGoogleのキーワード検索で分かったような気にならず、大事なことについてはきちんと時間をかけてでも全体を俯瞰(ふかん)できる視野を持ってください。

自戒を込めて。

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2005.11.23

いただいた電話。

電話関連のビジネスマナーに、「いただいた電話で恐縮ですが…。」という言葉があります。

これは、先方からかかってきた電話で話していた途中で、自分の要件で相手に聞いたりお願いしたりするときにいうものです。基本的には掛けたほうが通信費用を払うのが電話ですので、そのあたりも配慮した言葉だと思われます。

携帯電話で電話がパーソナル化したことで、どっちがどっちに明確な目的をもってかけられたものか分からなくなることも多いですが、ビジネスの場ではいかに用件をいきなり思い出して切り出すとしても、この常套句はきちんと言ったほうがいいでしょう。

IP電話になって、ビジネスでも通話代がかからなくなったら、死語になっていくのでしょうか。

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2005.11.21

失礼ですが…。

今でも私が慣れない電話応対用語があります。それは「失礼ですが…。」という言葉です。

電話してきた相手の名前が分からない場合には、

「失礼ですが、どちらさまでいらっしゃいますか」

と尋ねるのですが、後半を省略して「失礼ですが…。」で止めるのがこの言い方になります。

「失礼ですが…。」は、一般的に上記の省略語と認められているようですが、はじめて社会人になってこの応対を聞いたとき、聞きようによっては「名乗らないあなたが失礼ですが」と言っていると解釈されないかとドキドキしたものです。

直接名前を聞くことは日本文化的に遠慮すべきものであるために、このような奥ゆかしい表現をするわけです。しかしビジネスの場でははっきり「失礼ですが、どちらさまでいらっしゃいますか。」「失礼ですが、お名前をお聞きしてよろしいでしょうか。」と最後まで言ったほうが気持ちいいと思っています。

採用担当から電話をいただいたとき、掛けなおす事情があるとすれば、必ず相手の名前を確認しておいたほうがいいでしょう。そういう場合はビジネスマナーとして「失礼ですが、お名前を確認してよろしいでしょうか」など、はっきり聞いてみてください。

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2005.11.19

携帯で、名乗る。

電話がお茶の間に1台という時代から、家族全員に携帯1台ずつという時代になり、コミュニケーションのありかたが劇的に変化した、ということは過去のコラムなどでも言及しました。一言で言えば、電話で名乗る必要のない時代になった、ということです。

しかし、相変わらず電話で名乗らなければいけない場面もあります。それはビジネスの場です。新入社員は、あいさつの仕方、名刺の渡し方とともに、電話の取り方を徹底的に教育されます。電話で名乗らなければ、給料をもらうものとして失格なのです。

採用と求職の関係は、立派な「ビジネス上の取引」といえます。学生が就職活動で会社にコンタクトをとるということは、「自分という商品」を売り込むビジネスの話をしているわけです。逆の視点から見れば、会社があなたに電話をかける時も、あなたにビジネスとしての対応を期待しているといえるでしょう。

就職活動のエントリーで、会社に携帯番号を伝えたその瞬間から、あなたの携帯は「社会への窓口」になります。あなたは「個人事務所の代表番号」を持ったのです。

採用担当は固定電話から番号を見ながらかけるので、番号間違いをする可能性もあります。したがって相手が名乗らないのであれば「○○さんですか?」と確認しなければいけません。学生の方から名乗ることにより、ステップが1つ省略でき、早く話を切り出すことができるます。また現在では学生が携帯で名乗ることはほとんどないため、自分から名乗ることで「ビジネスのマナーが分かっている=社会人になる準備ができている」という印象を与えることができるのではないかと思います。

少なくとも就職活動中は、携帯に知らない番号や発信番号非通知でかかって来たら、ビジネスマナーとして名乗ってみてはいかがでしょうか。

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2005.11.17

前株、後株。

前株、後株。ビジネスパーソンとして、誤字の次に間違えてはいけないことです。

株式会社電通、株式会社博報堂といったように、社名の前に株式会社がついているのを「前株(まえかぶ)」、電通ヤング・アンド・ルビカム株式会社、ビーコンコミュニケーションズ株式会社のように社名の後に株式会社がつくのを「後株(あとかぶ)」といいます。その会社にプレゼンする上で、企画書の前株後株を間違えるようでは勝ち目はありません。

前株か後株かは、なんとなくのリズム感では分かるのですが、フランス語の男性名詞・女性名詞と同様、完全な法則性・理屈はありません。実際に確かめないと分からないのです。

前株後株を調べる一番いい方法、それはその会社のウェブサイトを見ることです。普通の構成でサイトを作っている会社なら「会社概要」といったコーナーに必ず正確な名称(=登記上の名称)があります。面接前には必ず調べたほうがいいですね。

# そうか、学生ならリクナビ他就職サイトで調べれば簡単なのですね(苦笑)

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2005.11.15

ファミレス語。

(2004年2月6日のコラムを再掲載)
「~の方でよろしかったでしょうか?」という、「ファミレス語」は、様々な接客の場で相当広がっています。新語議論はいつの時代も存在しますが、このファミレス語は「接客」という場で使われているという点で、仲間内の言葉と違っていると思います。

接客する側は敬語だと思っていても、接客される側は???と思ってしまう。今週の月曜日に放送されたNTV系「スーパーテレビ・情報最前線」の「あなたは正しい日本語を使っていますか?」という特集の中で、あるファミレスのサービス指導担当社員の方がこういうことを言っていました。

間違った敬語でサービスをすると、お客様がせっかく食事をとっている間にも「そういう言い方でいいんだっけ。。。」と頭の中でいろいろ考えてしまうことがある。これでは落ち着いて食事もとっていただけない。結果的にお客様に不快な思いをさせている。

このことは、面接にも言えるのではないでしょうか。

学生が不慣れな言葉で間違った敬語や用語を使うと、失礼だうんぬんとまではいかなくても、相手の面接官は「はあ、そういう風に言うんだぁ、、最近の学生は。。」などと、気持ちの中に余計な事が浮かんでしまい、その間にあなたが何をしゃべっているかに集中できていないということが起きているかもしれません。

敬語は、社会人になるための、最初の壁です。とにかく多くの社会人と会って話し、最後に「私の敬語や話し方はおかしくなかったでしょうか?」と聞いてみてください。聞かなければ人は絶対に指摘してくれません。リクルートスーツを着ているあなたになら、相手はきちんと答えてくれるはずです。

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