2008.02.13

エントリーシートは、期末試験ではない。(再掲)

私にはひとつ気になっていることがあります。もうすぐエントリーシートの提出期限が一斉にやってくる時期になっており、「エントリーシート書いた?」というノリの話がよく聞かれます。これは、「期末試験対策した?」「やっべー、まだだよー」という会話と同様のレベルの感じがしてなりません。

内定する、ということは、役員面接で通過することです。

途中で何回エントリーシートや筆記や面接を通過しようと、役員面接で落選すればなんら意味はありません。過去のコラムに書いた通り役員面接は特殊な位置付けだとしたら、役員面接に送り込む学生を採用当局が絞り込む「役員面接前面接」が、極めて重要な位置付けとなります。しかも選考はすべての過程が1、2カ月程度で終わる、急なスケジュールになっています。

はっきりいいましょう。広告業界では採用倍率から考えても、エントリーシートで「かつかつ受かる」レベルの人が内定することはありません。じゃんけんに4回連続で勝てば内定、という訳にはいかないのです。

SPIのような筆記試験は別にすれば、広告業界の採用試験のすべてのフェーズは、同じ「コミュニケーション力」という競技です。甲子園で本気で優勝を目指すチームは、地区予選の初戦突破に特別な対策を練ることはありません。手を抜く事なく、優勝するための練習を生かし、普段どおりの試合をするだけです。

人事幹部や役員との面接の場で、どう自分が会社に貢献できるかを説得し、相手に納得してもらうかを、徹底的に追求する。これだけが、内定し、それだけでなく実際に仕事で活躍するために、あなたがしなけらばならないことです。徹底的に考え、自分なりの結論を得たのなら、エントリーシートはその一部分として必ず簡単に書けます。

広告業界は常に「競合プレゼン」に晒されており、「完勝」を目指して全スタッフがそれぞれのパートで全力を挙げます。一度でもベストを尽くしたことのない人には、絶対に通用しない業界です。

内定を手にする学生は、大学の試験でいえば「全優」を狙うレベルで努力している人と言えるでしょう。単位は試験対策程度で取れるでしょうが、内定はエントリーシート対策程度では遠く及ばないのです。

普段の試験対策の「ノリ」でエントリーシートに取り組んでいる学生の方がいれば、まず、心構えから考え直してみてください。今なら、まだ間に合うかもしれません。

※このコラムは、地方の就活生に贈ります。中途半端にエントリーシートに通っても、最後まで駆け抜ける力がなければ、途中の莫大な移動費用が無駄になります。役員面接まで一気に内定するつもりで、十分自己革新して臨んで下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006.02.26

小学生でも分かる。

拙著はおかげさまで売れ行きもよく、また無料PDFプレゼントキャンペーンのおかげもあってか、本の感想を多くの方から頂戴しています。心より感謝申し上げます。

寄せられた感想の中で、「本の中でもっとも印象に残ったコラム」を聞いていますが、「おかしいです」は、おかしい「です」。を挙げてくる学生の方はかなりいます。このことが家庭で話題になり、私が小学生低学年の息子に

(すこし幼稚な読み方で)「~になりたいです!」って大学生のお兄ちゃんたちがいうのは小学生みたいだよね~
というと、息子は
そりゃ幼稚園だ。
と軽く返してきました(爆)。

このコラムのミソは、会話ではなく文章を書く上で極めて重要であるということです。あなたがどのようなイントネーションで書こうと、読む側が幼稚な読み方と捉えれば、小学生どころか幼稚園級に聞こえてしまうのです。

本コラムを熟読いただいている方、今一度心に刻んでください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.25

話の「編集」。

以前広告労協F氏が主催した「上京者のための辛口模擬面接会」でF氏はある女子学生のエントリーシートを見ながら個々の項目に関して質問し、最後に困惑したようにこう指摘しました。

「もっと話を『編集』してください。」

面接官というのは学生を一言で言える優秀さを探し当てるために面接をします。その材料たるエピソードがたくさんあっても、方向性がばらばらでは、全体で何を言いたいのかが分かりません。そのようなエピソードはいわゆる「撮って出し(撮ったものをそのまま放送する)」のビデオ素材と同じです。そのようなものをただダラダラと見せられても、一つのメッセージとしては伝わってきません。

F氏の「編集」という言葉は、問題の本質を見事に言い表しています。私も「機関車トーマスの価値観。」(2004.04.27発表)で書きましたが、短い面接の場ではどんな話をしようと、どんな質問に答えようと、その内容は「自分は役に立つ人物である」ことをアピールできるものになっているべきだと言えます。採用試験が「自分を採用してもらう」ことを目的としているなら、少々強引でもすべてのエピソードを「役に立つ=採用してもらう価値がある」という統一した方向性に「編集」することが重要です。

私は常々テレビ番組の編集能力の高さに注目しています。短い時間でのプレゼンメソッドとして、テレビの情報番組・ニュース番組の編集はとても参考になります(もちろんやりすぎの編集が批判されることはありますが)。あなたのエピソードのそれぞれが、流れるように統一テーマ(=役に立つ人材像)を醸し出せるようになれば、あなたというドキュメンタリーは完成です。質問にただ回答するのではなく、その質問から多少強引にでも統一テーマに持っていくぐらいしなければ、その部分は面接官の記憶から「カット」されるに違いありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.23

話題の選び方。

学生の方の面接報告で

エントリーシートに好きなものとして(マンガ・アニメの)「ワンピース」を挙げていたところ、面接官に「『ワンピース』は私は実際よく分かりません。相手が分からないかも知れないものをあなたはなぜ書いたのですか」と聞かれました。

というものがありました。模擬面接ではこのような指摘をすることがよくありますが、実際に面接官が指摘した事例は初めて聞きました。まさに氷山の一角と言えるでしょう。

例えばこれがCMのタレントやキャラクターの提案だったらどうでしょうか。「ワンピース」を知らないクライアントにそのよさを理解してもらうには、その存在自体や人気の程度をていねいにプレゼンする必要があります。大きなキャンペーンのメインキャラクターを決めるプレゼンなら十分準備もできるし、プレゼン本番でもじっくり説明できます。しかし、面接で本筋と関係ないところで相手がひっかかったりするのは時間が無駄であるだけでなく面接のいい流れを止めてしまうことにもなりかねません。また上記面接官のように話題の選び方自体を指摘されることもあるでしょう。

また私の仕事であるインターネット広告ではPV、CT、CPC、CPA、UUなど極めて多くの専門用語が飛び交います。また販売方法自体もページビュー保証型、期間保証型、クリック課金型、成果報酬型などがあります。これらの専門用語に慣れ過ぎると、重要なプレゼンテーションの場で相手が知らないまま使ってしまったり、請求する場になってトラブルを引き起こしたりします。

難しいのはプレゼンする相手の知識レベルが様々な場合です。その場合は、そのプレゼンに出席する相手のキーマンが誰かを事前に調べ、その人のレベルに合わせるのが通常でしょう。レベルに合わせるといっても、すべて冗長に説明するということではなく、最初にその用語を使う時にきちんと説明したり用語集を添付したりなど、「相手への配慮」が感じられることが重要です。

このように、話題の選び方や説明の仕方の問題は単なる世代間のギャップが起こしたことと考えるべきではなく、仕事の現場でこそ気をつけなければいけないことだといえます。

面接で自分の興味のあることを話すのであれば、「一言の」補足説明で「あ、あれね」と分かるような説明ができるようなものでなければいけません。広告業界での面接では、タレントならCM、アーティストであればCMソングで例えるのが一番分かってもらえる確率が高いでしょう。逆に言えば広告業界で働く人にもきちんと知られている話題を挙げることがよいと思われます。

私にとって「ワンピース」とはその直前の「こち亀」同様、「ADKが絡んでいるアニメ」というイメージがあります。最近で言えば東急エージェンシーが取り組んでいる「快傑ゾロリ」が我が家の主役です。これらは著作権表示やスタッフロールを注意深く見ていればわかります。CM同様、アニメや映画でどこの広告会社が絡んでいるかは、当該会社を受ける際の必須知識かも知れません。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.12.19

アルバイトと、職業観。

模擬面接の場で幾度となくアルバイトの話を聞いてきました。社会を垣間見る上でアルバイトの経験は非常に重要です。しかしその言い方ひとつでプラスにもマイナスにもなります。

「アルバイトで頑張れたので、御社でも頑張れます」と直球で言えば、「仕事をなめるんじゃない」と思われるでしょう。またウェイトレスをしていた学生が「人と接する仕事が好きなので、御社を志望しました」と言っても、接客業のようなB to C型と広告業のようなB to B型のビジネスは基本的には異質なものであり、「そのような志向ではこの業界には合わないのでは」と思われても仕方がありません。

アルバイトに限らず、自分の経験や得意分野が相手の世界にも「そのまま」当てはまるというロジックには、注意と気配りが必要です。あなたが主張することが仕事の現場にも当てはまるかどうかは、あくまで面接官側の判断なのです。

アルバイトは特にその人の「職業観」に直結します。これは企業と学生のマッチング度を計る上で最も重要な要素の1つです。個人的な意見ですが、アルバイトの話は、その経験を通じて構築された自分自身の職業観(大きく言えば世界観)に一旦昇華すべきだと思います。その後に、その職業観がその業界や企業がマッチするかどうか、どのように生かすことができるか論じていくことで、相手の世界にすんなり入っていくことができるのではないでしょうか。

人とのつながり、コミュニケーションの重要性などは、社会人にも学生にも共通の価値観が存在するでしょう。しかし「職業」に関する意識は天と地ほど違います。業界内外で働く人の職業観に数多く触れ、自分のアルバイト経験などと照らし合わせ、自分自身の職業観をしっかり持ってください。それが説得力を持つかどうかが、社会人になれるかどうかの分かれ目といっても過言ではないでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.17

経験による自分の成長は、「位置」より「幅」。

自己PRに、サークルやボランティアの経験による「自分の成長」を書いてくる人はとても多いです。しかし、ESはあなたのもともとの背景を知っている両親や親戚、旧友にアピールするのではありません。相手は、初対面の社会人です。

現実のセレクションでは、倍率が高いこともあり、成長ではなく、あなたがどの位置にいるか、絶対的なポジションが勝負になります。広告代理店は社員を教育するメソッドが少ないので、特にこの傾向が顕著です。中間採用が多いこともこれを示します。

では、絶対的に高いポジションにいない人にチャンスはないのでしょうか。そんなことはありません。成長の「幅」を「具体的」に見せればいいのです。

TOEIC200点の人が、ネットで英語が使えないを悔しさをバネにして一念発起して800点までいけば、帰国子女の900点より評価する採用担当はいるでしょう。また引きこもりの人が、ボランティアサークルに接したことで一気に社会性に目覚め、今では引きこもりの子供の指導をしているという話は、面接官にもっと話を聞かせてほしいと思わせることでしょう。ここまで極端でなくても、表現方法一つであなたの成長はいくらでもイキイキとアピールできるはずです。

もともと、ほとんどの(文系の)会社は、新卒者に具体的な経験を求めていません。なぜならば会社に入ってからの教育・経験の方が圧倒的に厳しいからです。あなたが会社・社会についてこれるかどうか、自分で道を切り拓けるタイプなのか、TOEICや資格など絶対的なポジションにいる学生より、成長の幅を経験した学生の方を期待する面接官も必ずいます。

今のあなたの位置を確認するのと同時に、過去の自分がどうだったのか、具体的に振り返ってみてください。成長の幅が小さいとすれば、まだまだ人生を変えるような経験が少ないといえるのではないでしょうか

(2002.12.08 に発表したものを再掲載)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.15

「Jess:日本語小論文 評価採点システム」。

エントリーシートをチェックするのに、役立つ「かもしれない」サイトがあります。その名も「Jess:日本語小論文評価採点システム」。

大学入試の小論文を「自動的に採点する」というものであり、質問文と解答文を入れると以下の評価基準で採点します。

■修辞

文章がよく書かれているか評価します。具体的には以下について評価します。

・文章の読みやすさ
・語彙の多様性
・ビッグ・ワード(big word, 長くて難しい語)の割合
・受動態の文の割合

■論理構成

アイディアが理路整然と表現されているかを評価します。

■内容

与えられた問題文に関連した語彙が用いられているかを評価します。

私のコラムで様々な方から評価をいただいたいくつかのコラムで試してみました。

●「役員=お父さん、人事=お母さん論」(質問文は「就職活動における役員面接の問題点を論ぜよ。」)、

・修辞 3.9 ( 5点中 )
長すぎる文があります。
句(読点と読点の間、あるいは読点と句点の間)の長すぎる文があります。
句の中の文節の数が多すぎる文があります。
埋め込み文が全体の分量に比べてやや多いように見受けられます。
語彙の多様性がやや不足しています。
・論理 2.0 ( 2点中 )
・内容 1.5 ( 3点中 )
質問文との関係が希薄であるように見受けられます。
分量過少による減点 0
最終得点 7.4 ( 10点中 )


●「まず、名乗る。」(質問文は「採用試験では、自己紹介で自分の名前を名乗ることが重要である理由を述べよ。」)

・修辞 3.5 ( 5点中 )
漢字の使用がやや少ないように見受けられます。
連用形や接続助詞の句の並びの多い文が、幾つかあるように見受けられます。
語彙の多様性がやや不足しています。
長くて難しい語がやや少ないように見受けられます。
・論理 2.0 ( 2点中 )
・内容 2.2 ( 3点中 )
分量過少による減点 0
最終得点 7.7 ( 10点中 )


●「性差のない登用。性差のない採用。」(質問文は「女性の昇進問題について論ぜよ。」)

・修辞 3.6 ( 5点中 )
句(読点と読点の間、あるいは読点と句点の間)が総じて(平均的に)やや長いように見受けられます。
句の中の文節の数が総じて(平均的に)やや多いです。
句の中の文節の数が多すぎる文があります。
埋め込み文が全体の分量に比べてやや多いように見受けられます。
連用形や接続助詞の句の並びの多い文が、ややあるように見受けられます。
受動態の文が全体の分量に比べて多いように見受けられます。
・論理 2.0 ( 2点中 )
・内容 2.6 ( 3点中 )
分量過少による減点 0
最終得点 8.2 ( 10点中 )

全般的に論理では高得点、文章自体には課題が多いようです(苦笑)。また初期のコラムはやはり荒っぽいものも多く、最近は文体が固まってきたのか安定してきているようです。

「広告業界を志望する理由を述べよ。」という質問文で、あなたのエントリーシートの文章を入れてみてはどうでしょうか?論理は普通にきちんとしていれば評価されるようですので、まずは論理点から高得点を目指してみてください。

※「埋め込み文」とは括弧書きか引用のことなのでしょうか。要注意ですな>挨拶専用85氏(爆)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.13

「添削」と、「ダメ出し」。

「エントリーシートの添削をしてください」という要望が多数寄せられます。しかしこの活動で「添削」をするつもりは一切ありません。大学生が求めている「添削」の多くは、提出するESを完成させるためのものです。しかしESは提出するだけで単位が取れる授業ではないのです。

strong>ESで大事なことは「何を言うか」と「どう言うか」です。これは広告業界の重要な機能であるマーケティング(what to say)とクリエーティブ(how to say)を自分自身で一気通貫してみる疑似体験だと言えます。

「添削」とは、目の前にある中身をベースに「どう言うか」かをチェックすることです。しかし就職活動では「何を言うか」の方が圧倒的に重要です。それはあなた自身しか分かり得ないことであり、中途半端な添削は「何」の追求を止めてしまう恐れもあります(もちろんクリエーティブ志望なら、同じぐらい「どう言うか」を評価されています)。

「添削」という言葉は受動的なニュアンスが大きく、個人的にも好きではありません。OB/OGにエントリーシートの件で相談するならむしろ「ダメ出しをしてほしい」という方がいいのではないでしょうか。これであれば「what to say」がダメならそれを、「how to say」がダメならそちらを指摘してくれるでしょう。

厳しい評価を受けることはとても抵抗があると思います。しかし所詮は社会人と学生、何の利害もない間柄です。旅の恥はかき捨てといいますが、OB/OG訪問もどんどんダメ出しをもらってください。それはまもなくすれば揺るぎない自信に転換すること間違いありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.11

「40歳までのキャリアプラン」に「結婚・出産」を入れるべきか。

ある広告代理店のエントリーシートで「入社して40歳までに、どのような人生の計画を考えますか?」という課題が課されています。これに関し女子学生から「結婚や出産といったことも書かなければいけないのでしょうか」という相談がありました。

この件について、知り合いの社会保険労務士の先生にヒアリングしたところ、以下のような意見をいただきました。

・この会社は社員のキャリア形成支援に力を入れている。新卒採用にこのような課題を課すのは、その人の価値観やどのようなプロフェッショナリズムを目指すのか、そのためにどんな心構えや計画を持っているかを知りたいのであろう。

・キャリア・プランは2年先くらいまでの近未来、5年先、10年先、ライフ・プランといったスパンで記述するのが一般的。近未来は自己の能力開発などの実行計画を、遠未来は昇進・昇格や結婚・出産などのライフ・イベントをも想定して書くもの。

・一般論でいえばこの設問は職業観や信条、キャリアゴールを問うものであるため、自分の考えを率直に記述すればよいと思われる。ただしこれは建前であって、結婚・出産に対する取り組みは企業や組織のカルチャーによって微妙に異なるのが現実。この会社の福利厚生の方針や施策の具体的な内容なども念頭に置いて記述することが勧められる。

この話からも分かるとおり、キャリアプランというのはプライベートも含めた自分の人生と密接なものだと言えるでしょう。自分の人生の多くの時間を費やす会社がどのようなキャリアプランを支援してくれるかは、会社を選択する、または勤務している側からすればとても重要なことです。

しかし学生のキャリアプランを「選考の材料」にするということはいかがなものでしょうか。

今、日本の抱える諸問題の根源は「少子高齢化」だといえます。子供を2人、3人と持ちながら仕事ができる環境を整えるのが日本の課題であり人気企業の務めです。会社に子供を作ることはできません。企業の社会的責任(CSR)の基本は今や社員の子育て支援にあると言えるのではないでしょうか。

とはいえ、女子学生にとってこの質問では「出産」をどう表現するかが最大の難関です。果たして2人まして3人子供を持つと、このエントリーシートに書くことができるでしょうか。1人が限界の社会では少子は進行するばかりです。また男子学生が「育児休暇をとる」と書けるでしょうか。

人生は自由であり、結婚も出産も計画的にはいきません。その時々に人生の転機があります。個人的な意見ですが、会社が「選考の材料」としてキャリアプランを書かせるのは、その企業が出産・育児に関して男女の区別なく全面的な支援の姿勢をもっている場合に限るべきだと考えます。出産・育児への対応について事前に学生へ十分な説明がなされない中でこのような設問があるとすれば、それは不適切なものだといわざるを得ません。

この会社で育児支援に関する事前説明があったかは分かりませんが、社会保険労務士の先生の指摘にあるとおりこの会社はキャリア形成支援に力を入れている企業であり信頼できると思われます。今回のケースに限っていえば堂々と自分の考えを書くことが大事であり、入社後にそれをきちんと履行してもらうようにしましょう。

しかし子育て支援の姿勢がない会社がこのような質問を出せば、当落を決める材料にする恐れがあります。上記社労士の指摘の通り、その会社の福利厚生の方針や具体的な内容をきちんと調べることが重要です。

※この課題に取り組むには、山本直人氏(元博報堂人事ディレクター)の「グッドキャリア キャリアがブランドになる時」が参考になると思います。ぜひご一読を。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.09

「おかしいです」は、おかしい「です」。

エントリーシートの文章は多くの場合「だ・である」体ではなく「です・ます」体が望ましいと、私を含めた複数の広告労協スタッフは共通見解を持っています。エントリーシートは目上・先輩が見ることが確実な書類であり、丁寧な文体のほう印象がいいのは当然のことです。

しかし「です・ます」体にするときの鬼門が、「です」です。

もともと「だ」の丁寧語が「です」です。「だ」という語尾は「そうだ」「10時だ」といった断定以外に、「大変だ」「静かだ」といった「形容動詞」の語尾につかわれ、そのまま「です」に言い換えられます。

断定  :そうだ。10時だ→そうです。10時です。○
形容動詞:大変だ。静かだ。→大変です。静かです。○

ところが「長い」「おいしい」といった「形容詞」には語尾に「だ」がつきません。したがってそのまま「です」をつける言い換えは不適切、もしくは稚拙なものになります。

形容詞 :長い。おいしい。→長いです。おいしいです。×

また形容詞ではありませんがエントリーシートに頻繁に見られる言葉として

「したい。」→「したいです。」×
「なりたい。」→「なりたいです。」×

が挙げられます。

このような言葉は小学生の作文でよく見られます。それを大学生が使うのには、敬語ができていないのと同じぐらいがっかりします。もしかしたらこの言葉が幼稚であるという意識自体がないのかもしれません。それほど現代には丁寧な言葉遣いをする機会が少ないのでしょう。

じゃあ何と言えばいいのか。それは形容詞や「したい」などの言葉で終わる文章を極力避けるしかありません。例えば

私は海外の経験が長い→私は長く海外にいました/私は長い海外経験があります。

という言い換えが考えられるでしょう。

特に主観的な意見は「~と思います」と結ぶのがよいと思います。例えば

○○ビールはとてもおいしい→○○ビールはとてもおいしいと思います。
将来は営業になりたい。→将来は営業になりたいと思います。

というように。

※という私も、話し言葉ではおかしい「です」を乱発します。これは「です」をつければなんでも標準語になると思っている九州人の特徴です(苦笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.07

高速掛け算メソッド「繰り上がり分離法」 (SPI対策)。

SPIは基礎的な「算数」が重要になってきますが、算数の基礎中の基礎といえば「加減乗除」です。しかし、ケタ数の大きな掛け算は繰り上がりが多く、計算間違いも多くなります。そろばんの心得のない私としては、繰り上がりを小さくメモしたり覚えたりして、次の九九の結果と足し合わせるのがとてもいやでした。それは九九のリズムと足し算のリズムが違うからです。

このことについて、私は中学1年生のときに、何をきっかけに発見したのか忘れましたが、画期的な掛け算メソッドを思いつきました。それは「繰り上がりの足し算と掛け算九九を分離し、最初に繰り上がりを含めて一気に九九の答えを書き出し、最後にまとめて足し算をする」という方法です。

●高速掛け算メソッド「繰り上がり分離法」 ((C)2004 とおりすがりの業界人)

multiply_method.gif
クリックすると拡大します。

詳しくは上の画像に書いてあります。原理は簡単です。

(1)それぞれの数字の掛け算の答えを、1の位は通常の場所に、繰り上がりの部分をその左下にきちんと書く(繰り上がりをメモや覚えたりしない)。

(2)最後に縦に揃った数字を一気に足す(足して10になるものなどを探したりするとより早い)。


ということを実践するものです。

掛け算と足し算のどっちが計算しやすいかといえば、誰でも足し算に決まっています。一方掛け算も、九九だけをすばやく言うのは誰でもできます。この方法は結果的に、「掛け算の複雑さ」を、「足し算の複雑さ」に変えてしまうものであり、より速く、かつより正確にできると思います。実際私はこの方法で、ケタ数の多いかけ算が多く出てくる化学が全く怖くなくなり、計算間違いが激減し、しかも速く解けるようになりました。

いつかこの方法を世の中に伝えたい!と思っていたのですが、SPIに悩む学生さんも大いに活用できるということもあり、このblogにて満を持して発表いたします。1点の差が大きいSPIですので、是非この手法に慣れ、計算間違いを減らし、解答時間を短くしてください。

もちろん、この方法は中学・高校・大学受験にも使えます。電卓・コンピュータの時代だからこそ、筆算が苦手にならないための手法として、広く伝わっていけばいいなと思います。

※本blogに関して2005年4月21日に「高速掛け算メソッド「繰り上がり分離法」の反響に際して。」というコラムを発表しました。併せてご覧下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.12.05

お願いだから、間違えないで。

エントリーシートは、手書きで書かせることが多いようです。かつてのコラムでも「手書き」の重要性は述べましたが、同様に誤字脱字が致命的なことにも触れました。

フォーラムのアンケートで、私は皆さんの手書き文章には山ほど接しました。その中で、悲しくなるほど頻繁に出て来た誤字がありました。それは

「OB訪」と「広告業

です。

エントリーシート提出ラッシュがくる前に、指摘しておきます。広告業界を目指して数々のOB訪問しているのならば、お願いですから、この2語は間違えないでください。説得力ががた落ちです。

労協登録者がこんなことでESで落とされるのはあまりに忍びない。。。ぜひ指差し確認を。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.12.03

誤字・脱字は、致命的。

ホームページを作っていると、いつでも文字が直せるので、ついつい誤字に寛容になったりします。

# あえて誤字で書き込む特殊な掲示板もあるぐらいです(笑)

しかし、広告、特に印刷に関係する仕事にとって、誤字脱字は致命的です。不動産広告、スーパーのチラシでゼロが一桁違うだけで台無しになります。いまやインターネットでも、ゼロを一つ少なくして、大赤字となったネットPC販売もありました。さらには誤字だけでなく、言葉の誤用についても、極めて敏感になる必要があります。

広告物の内容についての最終責任は広告主にあります。ドライにいえば、誤植の責任は校了した広告主にあるといえます。しかし、広告主に対する納品物の最終責任は営業にあります。不完全なものを納品したということで、代理店が責任を取らされるのは必至です。

誤字の多いエントリーシートを見ると、この学生と仕事をするのは「危険」だと感じます。基本的な日本語の教養のない人に、印刷物の校正、ひいては営業を任せることはできないのです。

ESは事前に提出することのできる唯一の試験科目です。何を書こうと自由ですが、誤字脱字だけは十分チェックしてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.10.03

就活での「資格」の位置づけ。

06生自治会によるblogで、109さんが広告業界で役立てるよう色彩検定の資格を取得したことに対し、OBから

「学生は、実際の社会で働くということがどういうことなのか、まだ全然わからないのにもかかわらず、自分の能力は、社会で活用させることができる、と思ってしまうのは、思い上がりすぎているよ。」

「取得した資格をどう生かすかではなくて、その資格を取得するためにどう努力したのか、が大切なんだよ。」

と指摘されたと書いていらっしゃいました。彼女の就活へのアドバイスとしては極めて的確であり、私も当時の109さんに会っていたらそう指摘したと思います。きっと109さんはその資格が広告業界に役に立つと断言(に近い言い方を)したのではと想像しています。広告業界にはっきり「役立つ」とされる資格は私が知る限りありません。

しかしながら、資格を取得したという「結果」は、109さんが「それはつまり、自分の立てた目標に近づくために、必死で努力することができる、ということです。」とコメントしているように、目標に向かって一定の時間と費用と努力を費した経験があることの証明と言えます。社会人に必要なことは、このように目標を立てて、計画的に遂行する力であり、それを一度でも成し遂げたことがある人とない人では、入社後の成長に大きな差が出ることは間違いありません。

もちろん優秀なスポーツ選手も目標に対して遂行していく力がありますが、スポーツは勝負の世界ですから上には上があり、日本一など本当のトップグループだけが(そのスポーツに詳しくない人を含め)「結果だけで」誰からも評価されるレベルと言えるでしょう。そのようなグループにいなかった選手は、やはりその「努力の経過」をアピールする必要があります。しかし資格というのは、トップでなくても一定の水準を保証するものであり、しかも専門的であるが故に詳しくない人に対しても「少なくとも努力の経過はあった」と思わせることができます。

学生時代に学業やスポーツ以外に何か一つでも資格にチャレンジすることは、一つのことにだけ熱中したり遊びほうけていないで、将来のことをきちんと考え実行したことを、言外にアピールすることができます。その資格に定評があり、取得に相当の努力を要する(と一般に理解されている)ものであればあるほど、その資格はエントリーシートに書くだけでも十分意味があるでしょう。むしろあまり説明せずに書いているだけの方が効果的かもしれません。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.07.03

アルバイトと職業観。

「アルバイトで頑張れたので、御社でも頑張れます」と直球で言えば、「仕事をなめるんじゃない」と思われるでしょう。またウェイトレスをしていた学生が「人と接する仕事が好きなので、御社を志望しました」と言っても、接客業のようなB to C型と広告業のようなB to B型のビジネスは基本的には異質なものであり、「そのような志向ではこの業界には合わないのでは」と思われても仕方がありません。

アルバイトに限らず、自分の経験や得意分野が相手の世界にも「そのまま」当てはまるというロジックには、注意と気配りが必要です。あなたが主張することが仕事の現場にも当てはまるかどうかは、あくまで面接官側の判断なのです。

アルバイトは特にその人の「職業観」に直結します。これは企業と学生のマッチング度を計る上で最も重要な要素の1つです。個人的な意見ですが、アルバイトの話は、その経験を通じて構築された自分自身の職業観(大きく言えば世界観)に一旦昇華すべきだと思います。その後に、その職業観がその業界や企業がマッチするかどうか、どのように生かすことができるか論じていくことで、相手の世界にすんなり入っていくことができるのではないでしょうか。

人とのつながり、コミュニケーションの重要性などは、社会人にも学生にも共通の価値観が存在するでしょう。しかし「職業」に関する意識は天と地ほど違います。業界内外で働く人の職業観に数多く触れ、自分のアルバイト経験などと照らし合わせ、自分自身の職業観をしっかり持ってください。それが説得力を持つかどうかが、社会人になれるかどうかの分かれ目といっても過言ではないでしょう。

(2005.4.1発表のものを再掲載)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.06.12

話の「編集」。

広告労協F氏主催「上京者のための辛口模擬面接会」で久々に学生と向き合い、シーズン前に比べ確かに成長している学生たちに会いました。しかしやはりこの時期まで苦労している学生であり、その原因が何なのか、広告労協F氏がずばり言い当てていきます。

F氏はある女子学生のエントリーシートを見ながら個々の項目に関して質問し、最後に困惑したようにこう指摘しました。

「もっと話を『編集』してください。」

面接官というのは学生を一言で言える優秀さを探し当てるために面接をします。その材料たるエピソードがたくさんあっても、方向性がばらばらでは、全体で何を言いたいのかが分かりません。そのようなエピソードはいわゆる「撮って出し(撮ったものをそのまま放送する)」のビデオ素材と同じです。そのようなものをただダラダラと見せられても、一つのメッセージとしては伝わってきません。

F氏の「編集」という言葉は、問題の本質を見事に言い表しています。私も「機関車トーマスの価値観。」(2004.04.27発表)で書きましたが、短い面接の場ではどんな話をしようと、どんな質問に答えようと、その内容は「自分は役に立つ人物である」ことをアピールできるものになっているべきだと言えます。採用試験が「自分を採用してもらう」ことを目的としているなら、少々強引でもすべてのエピソードを「役に立つ=採用してもらう価値がある」という統一した方向性に「編集」することが重要です。

私は常々テレビ番組の編集能力の高さに注目しています。短い時間でのプレゼンメソッドとして、テレビの情報番組・ニュース番組の編集はとても参考になります(もちろんやりすぎの編集が批判されることはありますが)。あなたのエピソードのそれぞれが、流れるように統一テーマ(=役に立つ人材像)を醸し出せるようになれば、あなたというドキュメンタリーは完成です。質問にただ回答するのではなく、その質問から多少強引にでも統一テーマに持っていくぐらいしなければ、その部分は面接官の記憶から「カット」されるに違いありません。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.05.19

話題の選び方。

学生の方の面接報告で

エントリーシートに好きなものとして(マンガ・アニメの)「ワンピース」を挙げていたところ、面接官に「『ワンピース』は私は実際よく分かりません。相手が分からないかも知れないものをあなたはなぜ書いたのですか」と聞かれました。

というものがありました。模擬面接ではこのような指摘をすることがよくありますが、実際に面接官が指摘した事例は初めて聞きました。まさに氷山の一角と言えるでしょう。

例えばこれがCMのタレントやキャラクターの提案だったらどうでしょうか。「ワンピース」を知らないクライアントにそのよさを理解してもらうには、その存在自体や人気の程度をていねいにプレゼンする必要があります。大きなキャンペーンのメインキャラクターを決めるプレゼンなら十分準備もできるし、プレゼン本番でもじっくり説明できます。しかし、面接で本筋と関係ないところで相手がひっかかったりするのは時間が無駄であるだけでなく面接のいい流れを止めてしまうことにもなりかねません。また上記面接官のように話題の選び方自体を指摘されることもあるでしょう。

また私の仕事であるインターネット広告ではPV、CT、CPC、CPA、UUなど極めて多くの専門用語が飛び交います。また販売方法自体もページビュー保証型、期間保証型、クリック課金型、成果報酬型などがあります。これらの専門用語に慣れ過ぎると、重要なプレゼンテーションの場で相手が知らないまま使ってしまったり、請求する場になってトラブルを引き起こしたりします。

難しいのはプレゼンする相手の知識レベルが様々な場合です。その場合は、そのプレゼンに出席する相手のキーマンが誰かを事前に調べ、その人のレベルに合わせるのが通常でしょう。レベルに合わせるといっても、すべて冗長に説明するということではなく、最初にその用語を使う時にきちんと説明したり用語集を添付したりなど、「相手への配慮」が感じられることが重要です。

このように、話題の選び方や説明の仕方の問題は単なる世代間のギャップが起こしたことと考えるべきではなく、仕事の現場でこそ気をつけなければいけないことだといえます。

面接で自分の興味のあることを話すのであれば、「一言の」補足説明で「あ、あれね」と分かるような説明ができるようなものでなければいけません。広告業界での面接では、タレントならCM、アーティストであればCMソングで例えるのが一番分かってもらえる確率が高いでしょう。逆に言えば広告業界で働く人にもきちんと知られている話題を挙げることがよいと思われます。

私にとって「ワンピース」とはその直前の「こち亀」同様、「ADKが絡んでいるアニメ」というイメージがあります。最近で言えば東急エージェンシーが取り組んでいる「快傑ゾロリ」が我が家の主役です。これらは著作権表示やスタッフロールを注意深く見ていればわかります。CM同様、アニメや映画でどこの広告会社が絡んでいるかは、当該会社を受ける際の必須知識かも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.04.21

高速掛け算メソッド「繰り上がり分離法」の反響に際して。

2004.03.08に最初に発表し、2005.03.31に再度掲載した「高速掛け算メソッド「繰り上がり分離法」。」が最近各所のblogでとりあげていただいています。特に「はてなブックマーク」「ひろぶろ」(こちらの方がすさまじい勢い)に取り上げられたことが大きかったようです。私は広告業界で働くものですが、blogにおけるメディア力をもっているサイトを改めて認識した次第です。すべてのコメント、トラックバックしていただいた方にはこの場をもって御礼申し上げます。

私の筆力に問題があり、一部補足が必要なようなので、説明いたします。

●これは商標でも特許でもなんでもありません。

図や文中に(C)と表示していますが、あくまで本blogの筆者としての著作権表示です。商標や特許・実用新案などの申請をしてるわけでも(そのようなつもりも)ありません(そもそもこれが特許や実用新案になるわけがありません)。この方式で人が計算することに何ら私的な権利を持っているわけでも権利を主張しているわけでもない点をご理解ください。


●自分で思いついたのは事実ですが、それ以前もしくはこのコラム発表以前にこのメソッドがなかったと主張するものではありません。

25年ぐらい前の話なので記憶があいまいなのですが、この計算方法を思いついた頃に小学校の恩師のところに遊びにいく機会があり、そこで先生に説明して「学校で教えたらどうですか」と聞いたところ、「便利かもしれないが、途中に出てくる数字の意味があいまいになるしねー」という評価をいただいた覚えがあります(恩師のところに行ったのが中学一年生の時だけだったのでそう表記させていただきました)。子ども心に出版物への投稿などを夢見ていましたが、実行するあてもなく40歳近くになってしまいました。今日blogという手段を得て実現したこの反響は、当時の夢そのものだと感激しています。

当然25年ぶりの発表であるために、すでにこのような事例があるかもしれないとは感じていました。しかしネット上で事例を調べ、類似のものがないと思われたため、過去の経験をこのような形で発表しました。しかし参考書や学校教育の現場を調べたわけではありませんので、もしかしたらすでに一般化されている可能性を否定するものでは一切ありません。


●計算が苦手な方のためのメソッドであり、誰にでもこれがよいなどと主張している事実は一切ありません。

このコラムは筆算が苦手または遅い人のため、繰り上がりと九九を「同じ大きさの文字で」そろえて足し算しやすくするという、ちょっとした「工夫」を言っているだけです。しかし反響を見るとそのような方にとっては画期的なものだと確信しています。こんなまどろっこしいことしなくても普通に筆算が速い人や、暗算の達人にお勧めするなどめっそうもないことです。

このサイトはもともと就職活動に悩む学生のために毎日細々とアドバイスを書いているものであり、悩める学生のやる気を起こさせるために多少誇張したトーンで書いたことは事実です。誤解や誤読は筆者側の責任であると痛感しています。なにとぞご容赦いただければと思います。

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2005.04.01

アルバイトと、職業観。

模擬面接の場で幾度となくアルバイトの話を聞いてきました。社会を垣間見る上でアルバイトの経験は非常に重要です。しかしその言い方ひとつでプラスにもマイナスにもなります。

「アルバイトで頑張れたので、御社でも頑張れます」と直球で言えば、「仕事をなめるんじゃない」と思われるでしょう。またウェイトレスをしていた学生が「人と接する仕事が好きなので、御社を志望しました」と言っても、接客業のようなB to C型と広告業のようなB to B型のビジネスは基本的には異質なものであり、「そのような志向ではこの業界には合わないのでは」と思われても仕方がありません。

アルバイトに限らず、自分の経験や得意分野が相手の世界にも「そのまま」当てはまるというロジックには、注意と気配りが必要です。あなたが主張することが仕事の現場にも当てはまるかどうかは、あくまで面接官側の判断なのです。

アルバイトは特にその人の「職業観」に直結します。これは企業と学生のマッチング度を計る上で最も重要な要素の1つです。個人的な意見ですが、アルバイトの話は、その経験を通じて構築された自分自身の職業観(大きく言えば世界観)に一旦昇華すべきだと思います。その後に、その職業観がその業界や企業がマッチするかどうか、どのように生かすことができるか論じていくことで、相手の世界にすんなり入っていくことができるのではないでしょうか。

人とのつながり、コミュニケーションの重要性などは、社会人にも学生にも共通の価値観が存在するでしょう。しかし「職業」に関する意識は天と地ほど違います。業界内外で働く人の職業観に数多く触れ、自分のアルバイト経験などと照らし合わせ、自分自身の職業観をしっかり持ってください。それが説得力を持つかどうかが、社会人になれるかどうかの分かれ目といっても過言ではないでしょう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.03.21

経験による自分の成長は、「位置」より「幅」。

自己PRに、サークルやボランティアの経験による「自分の成長」を書いてくる人はとても多いです。しかし、ESはあなたのもともとの背景を知っている両親や親戚、旧友にアピールするのではありません。相手は、初対面の社会人です。

現実のセレクションでは、倍率が高いこともあり、成長ではなく、あなたがどの位置にいるか、絶対的なポジションが勝負になります。広告代理店は社員を教育するメソッドが少ないので、特にこの傾向が顕著です。中間採用が多いこともこれを示します。

では、絶対的に高いポジションにいない人にチャンスはないのでしょうか。そんなことはありません。成長の「幅」を「具体的」に見せればいいのです。

TOEIC200点の人が、ネットで英語が使えないを悔しさをバネにして一念発起して800点までいけば、帰国子女の900点より評価する採用担当はいるでしょう。また引きこもりの人が、ボランティアサークルに接したことで一気に社会性に目覚め、今では引きこもりの子供の指導をしているという話は、面接官にもっと話を聞かせてほしいと思わせることでしょう。ここまで極端でなくても、表現方法一つであなたの成長はいくらでもイキイキとアピールできるはずです。

もともと、ほとんどの(文系の)会社は、新卒者に具体的な経験を求めていません。なぜならば会社に入ってからの教育・経験の方が圧倒的に厳しいからです。あなたが会社・社会についてこれるかどうか、自分で道を切り拓けるタイプなのか、TOEICや資格など絶対的なポジションにいる学生より、成長の幅を経験した学生の方を期待する面接官も必ずいます。

今のあなたの位置を確認するのと同時に、過去の自分がどうだったのか、具体的に振り返ってみてください。成長の幅が小さいとすれば、まだまだ人生を変えるような経験が少ないといえるのではないでしょうか

(2002.12.08 に発表したものを再掲載)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.02.27

「Jess:日本語小論文 評価採点システム」。

先日新聞に紹介されていて感動したサイトがあります。その名も「Jess:日本語小論文評価採点システム」。

大学入試の小論文を「自動的に採点する」というものであり、質問文と解答文を入れると以下の評価基準で採点します。

■修辞

文章がよく書かれているか評価します。具体的には以下について評価します。

・文章の読みやすさ
・語彙の多様性
・ビッグ・ワード(big word, 長くて難しい語)の割合
・受動態の文の割合

■論理構成

アイディアが理路整然と表現されているかを評価します。

■内容

与えられた問題文に関連した語彙が用いられているかを評価します。

私のコラムで様々な方から評価をいただいたいくつかのコラムで試してみました。

●「役員=お父さん、人事=お母さん論」(質問文は「就職活動における役員面接の問題点を論ぜよ。」)、

・修辞 3.9 ( 5点中 )
長すぎる文があります。
句(読点と読点の間、あるいは読点と句点の間)の長すぎる文があります。
句の中の文節の数が多すぎる文があります。
埋め込み文が全体の分量に比べてやや多いように見受けられます。
語彙の多様性がやや不足しています。
・論理 2.0 ( 2点中 )
・内容 1.5 ( 3点中 )
質問文との関係が希薄であるように見受けられます。
分量過少による減点 0
最終得点 7.4 ( 10点中 )


●「まず、名乗る。」(質問文は「採用試験では、自己紹介で自分の名前を名乗ることが重要である理由を述べよ。」)

・修辞 3.5 ( 5点中 )
漢字の使用がやや少ないように見受けられます。
連用形や接続助詞の句の並びの多い文が、幾つかあるように見受けられます。
語彙の多様性がやや不足しています。
長くて難しい語がやや少ないように見受けられます。
・論理 2.0 ( 2点中 )
・内容 2.2 ( 3点中 )
分量過少による減点 0
最終得点 7.7 ( 10点中 )


●「性差のない登用。性差のない採用。」(質問文は「女性の昇進問題について論ぜよ。」)

・修辞 3.6 ( 5点中 )
句(読点と読点の間、あるいは読点と句点の間)が総じて(平均的に)やや長いように見受けられます。
句の中の文節の数が総じて(平均的に)やや多いです。
句の中の文節の数が多すぎる文があります。
埋め込み文が全体の分量に比べてやや多いように見受けられます。
連用形や接続助詞の句の並びの多い文が、ややあるように見受けられます。
受動態の文が全体の分量に比べて多いように見受けられます。
・論理 2.0 ( 2点中 )
・内容 2.6 ( 3点中 )
分量過少による減点 0
最終得点 8.2 ( 10点中 )

全般的に論理では高得点、文章自体には課題が多いようです(苦笑)。また初期のコラムはやはり荒っぽいものも多く、最近は文体が固まってきたのか安定してきているようです。

「広告業界を志望する理由を述べよ。」という質問文で、あなたのエントリーシートの文章を入れてみてはどうでしょうか?論理は普通にきちんとしていれば評価されるようですので、まずは論理点から高得点を目指してみてください。

※「埋め込み文」とは括弧書きか引用のことなのでしょうか。要注意ですな>挨拶専用85氏(爆)。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2005.02.20

「添削」と、「ダメ出し」。

「エントリーシートの添削をしてください」という要望が多数寄せられます。しかしこの活動で「添削」をするつもりは一切ありません。大学生が求めている「添削」の多くは、提出するESを完成させるためのものです。しかしESは提出するだけで単位が取れる授業ではないのです。

ESで大事なことは「何を言うか」と「どう言うか」です。これは広告業界の重要な機能であるマーケティング(what to say)とクリエーティブ(how to say)を自分自身で一気通貫してみる疑似体験だと言えます。

「添削」とは、目の前にある中身をベースに「どう言うか」かをチェックすることです。しかし就職活動では「何を言うか」の方が圧倒的に重要です。それはあなた自身しか分かり得ないことであり、中途半端な添削は「何」の追求を止めてしまう恐れもあります(もちろんクリエーティブ志望なら、同じぐらい「どう言うか」を評価されています)。

「添削」という言葉は受動的なニュアンスが大きく、個人的にも好きではありません。OB/OGにエントリーシートの件で相談するならむしろ「ダメ出しをしてほしい」という方がいいのではないでしょうか。これであれば「what to say」がダメならそれを、「how to say」がダメならそちらを指摘してくれるでしょう。

厳しい評価を受けることはとても抵抗があると思います。しかし所詮は社会人と学生、何の利害もない間柄です。旅の恥はかき捨てといいますが、OB/OG訪問もどんどんダメ出しをもらってください。それはまもなくすれば揺るぎない自信に転換すること間違いありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.02.13

「40歳までのキャリアプラン」に「結婚・出産」を入れるべきか。

ある広告代理店のエントリーシートで「入社して40歳までに、どのような人生の計画を考えますか?」という課題が課されています。これに関し女子学生から「結婚や出産といったことも書かなければいけないのでしょうか」という相談がありました。

この件について、知り合いの社会保険労務士の先生にヒアリングしたところ、以下のような意見をいただきました。

・この会社は社員のキャリア形成支援に力を入れている。新卒採用にこのような課題を課すのは、その人の価値観やどのようなプロフェッショナリズムを目指すのか、そのためにどんな心構えや計画を持っているかを知りたいのであろう。

・キャリア・プランは2年先くらいまでの近未来、5年先、10年先、ライフ・プランといったスパンで記述するのが一般的。近未来は自己の能力開発などの実行計画を、遠未来は昇進・昇格や結婚・出産などのライフ・イベントをも想定して書くもの。

・一般論でいえばこの設問は職業観や信条、キャリアゴールを問うものであるため、自分の考えを率直に記述すればよいと思われる。ただしこれは建前であって、結婚・出産に対する取り組みは企業や組織のカルチャーによって微妙に異なるのが現実。この会社の福利厚生の方針や施策の具体的な内容なども念頭に置いて記述することが勧められる。

この話からも分かるとおり、キャリアプランというのはプライベートも含めた自分の人生と密接なものだと言えるでしょう。自分の人生の多くの時間を費やす会社がどのようなキャリアプランを支援してくれるかは、会社を選択する、または勤務している側からすればとても重要なことです。

しかし学生のキャリアプランを「選考の材料」にするということはいかがなものでしょうか。

今、日本の抱える諸問題の根源は「少子高齢化」だといえます。子供を2人、3人と持ちながら仕事ができる環境を整えるのが日本の課題であり人気企業の務めです。会社に子供を作ることはできません。企業の社会的責任(CSR)の基本は今や社員の子育て支援にあると言えるのではないでしょうか。

とはいえ、女子学生にとってこの質問では「出産」をどう表現するかが最大の難関です。果たして2人まして3人子供を持つと、このエントリーシートに書くことができるでしょうか。1人が限界の社会では少子は進行するばかりです。また男子学生が「育児休暇をとる」と書けるでしょうか。

人生は自由であり、結婚も出産も計画的にはいきません。その時々に人生の転機があります。個人的な意見ですが、会社が「選考の材料」としてキャリアプランを書かせるのは、その企業が出産・育児に関して男女の区別なく全面的な支援の姿勢をもっている場合に限るべきだと考えます。出産・育児への対応について事前に学生へ十分な説明がなされない中でこのような設問があるとすれば、それは不適切なものだといわざるを得ません。

この会社で育児支援に関する事前説明があったかは分かりませんが、社会保険労務士の先生の指摘にあるとおりこの会社はキャリア形成支援に力を入れている企業であり信頼できると思われます。今回のケースに限っていえば堂々と自分の考えを書くことが大事であり、入社後にそれをきちんと履行してもらうようにしましょう。

しかし子育て支援の姿勢がない会社がこのような質問を出せば、当落を決める材料にする恐れがあります。上記社労士の指摘の通り、その会社の福利厚生の方針や具体的な内容をきちんと調べることが重要です。

※この課題に取り組むには、山本直人氏(元博報堂人事ディレクター)の「グッドキャリア キャリアがブランドになる時」が参考になると思います。ぜひご一読を。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2005.02.08

ある学生の文章力。

昨日の熱気も冷めぬ中、労協事務所でフォーラム参加者からのアンケートをすべて拝見しました。多くの方々に役に立ち勇気を与えることができたことをうれしく思うと同時に、06生とも今後の強い絆を結べたと確信しています。

「とある仕組み」によって回収率が抜群だったアンケートでしたが、700枚を超える回答の中、思わずこちらの方も感銘を受けた男子学生の声をご紹介します。

とおりすがりの業界人さんのお話が一番私の得たかったものだと思う。
先輩にただ頭を下げてエントリーシートを添削してもらっているだけでは分からない、大人のコミュニケーション方法を垣間見た気がするからだ。私たちは学生だ。それゆえ、相手に歩み寄ってきてもらうコミュニケーションに慣れすぎている。私たちが社会に飛び込むということは、今この瞬間から、社会人として見られるという意味であることを肝に銘じて、悔いのない就職活動をしたいと思った。

私の講演に関する感想であり手前味噌的で恐縮ですが、私が意図としていた通りもしくはそれ以上の的確な受け止め方をし、かつ短い記入時間の中でこれだけの完成された文章で表現していることに驚きを隠せませんでした。多分一息で書いたのだと思われます。

膨大なエントリーシートを目の前にすると採用担当も斜め読みをしてしまうものですが、その中でもいいものは必ず手を止め注目させる力があります。このコメントの何がどういいかという国語的な分析は避けますが、実際にこの何百もの中から私の感銘をもって目に留まったという事実を知ってください。

| |