他社状況を聞かれたらどう答えるか(3:役員編)。
最後は、やはり「役員」に聞かれた場合について言及しなければなりません。もっとも自信のない見解ですが、私なりの考えを述べたいと思います。
役員は「判断する」のが職務であり、商法上も従業員とは一線を引かれています。したがって役員面接は話し合いではなく役員が判断材料を得る場です。
役員は現場社員と採用担当者が推してきた学生に十分な資質があり、競合他社に行けば脅威となり、内定を出せば本当に入社するかを、極めて直観的に判断します。しかし資質については社内教育でなんとかなっても、入社するかどうかは採用計画の根本をなすものであり、他社内定・選考状況の情報を役員が気にするのは当然だと言えます。
一般に役員に判断をもらう場合、重要な情報はすべてあらかじめ報告しておかなければいけません。学生のそれまでの評価もすべて役員の手元にあります。したがって事前に採用担当と選考状況について十分話し合う機会があったら、その情報は役員にも上がっていることは間違いありません。ここでは「採用担当と話し合いをしたかどうか」で話を分けてみます。
(1)採用担当者と選考状況の話し合いをした場合。
すでにあなたは採用担当と「率直で誠実な話し合い」を十分してきたはずです。役員は採用担当から上がってきた情報をもとに、あらためて最新の状況を聞きますが、とりあえずはそのまま現状報告した上で、「採用担当の方と十分話をし、相談に乗っていただきました。」と伝えることが重要だと思います。仮に自分自身まだ迷っている段階だとしても、採用担当者ときちんとパイプができていることが役員に伝われば、役員は内定後きちんと引き留める仕事をもう一度採用担当者に投げ返し、あなたの資質とやる気で判断することに集中できます。
(2)採用担当者と特に話し合いをしていない場合。
問題は特に選考状況の話し合いもなく役員面接に突入する場合です。それまで現場社員と思われる面接だけであったのなら、選考状況の情報まで上がっているかどうかは分かりません。仮に状況は刻々と変わりますので、改めて役員が問うことになると思われます。
この場合言う情報に気を遣う必要があります。このシリーズの最初に書いた通り、自分のやる気や資質をもっとも代弁できる「2・3社」を選んで話し、やり過ごせるようにした方がいいでしょう。
まず、既に内定している会社のことは業界を問わず言うべきです。内定があるのにもかかわらず自社を受けているということ自体、自社を高く志望していることの表れと理解されます。
さらに、選考に残っている会社については、業界を強く志望していることの補強となり得るなら言った方がいいでしょう。ただし今受けている会社の強みを簡単に沿える形で「御社が第一志望です」とよどみなく堂々と伝えなければいけません。
選考中の会社がない場合は「御社に落ちた場合でも、この業界を受け続けます」というように、くじけない志を役員に見せてください。
なお落ちた会社のことは言う必要がありません。ただし誰もが受ける同業の人気会社については軽く触れておいてもいいでしょう。
ここまでシリーズで書いてきましたが、最後に全体にかかわるまとめを。
選考状況は必ず聞かれる質問です。これは全員に与えられた規定演技の機会とも言えます。聞かれて「いや困りましたねー」という表情を見せるのはいかにも隙が多く、真剣な面接のリズムがくずれます。面接官や実際の選考状況に合わせて、あらかじめ十分準備をしておいてください。
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