組合の就職支援は、広告労協F氏の「発明」です。
極端に多忙になってしまった10月以降、過去の評判のよかったblogを再放送することで何とか毎日更新している本blogも、本日で3年目に入ります。どのようなコメントをするか迷ったのですが、昨年のこの日と同様、やはり広告労協Fさんの偉大な「発明」に敬意を表し、もう一度2002年10月21日に発表したコラムを再掲載します。
実は本blogの出版計画も検討しており、同時にblogの継続についてもいろいろ考えるところがあります。今後は私のできることは限られてくると思いますが、Fさんの発明と事業を今後も継続していくべく、後続の現役社員・学生の労協OB/OGたちに期待していきたいと思います。
「広告業界就職フォーラム」は、広告労協の中心的スタッフで、現役の大手広告会社社員であるF氏の「発明」だと思っています。
●一人の先輩社員とも話さずに受かり、辞退する学生たち。
広告業界もご多分にもれず採用を絞っているところがほとんどであり、同時に業界自体の従業員数が少ないため、訪問する先輩社員がいない学生がかなりいます。入社試験を社外の会議室で実施する会社もあり、OB/OG訪問どころか社内に一歩も入ることなく受験することもあります。多くの学生が「リクナビ」と「就職本」と「ネット上の風評」の組み合わせだけで活動しているようです。
そんな中でも、狭き門を通過する人はどんどん通過していきます。しかしこのような学生はプレゼンテーション能力が高く、他の一流企業にも内定を取っているものです。こういう場合内定各社を冷静に見つめることとなり、相談する相手もなく、「親が知らないから」「自分もよく知らないから」といった理由だけで、広告会社の内定を蹴るということが多々あります。せめてOB/OG訪問でもしていれば、率直に相談できるところです。
●就職シーズンに、学生は「広告業界」自体を評価する。
広告業界志望者も現実的には他業種にも応募しており、結果的に多くが他業種に就職していきます。しかし、この「他業種」は多くの場合「広告主になりえる業種」です。広告業界が人気業界であり倍率が高いことは仕方がないとしても、OB/OG訪問や面接などで「雑に扱われた」「ちゃらちゃらしている」「横柄だ」といった印象を志望者に与えていることがあったりしたら、それは結局将来の広告業界全体に偏見を持たせる原因になっていくと思います。
●社員にとって、中途半端な「OB/OG訪問」
私自身就職シーズンになると、今でも何人もOB訪問を受けます。しかし、忙しい日中の時間を割いての面会では、実際は通り一遍のアドバイスしかできないものです。さらには現実的に倍率が高すぎ、人事に推薦するようなこともできないので、せっかくの縁も一期一会だろうと、その後のフォローにも消極的になりがちでした。
同時に、もう少し時間をかけて相手のことを知ることができれば、もっと適切なアドバイスができるのではと思うこともあります。しかし、OB訪問も様々なルートで散発的にやってきますので、OB訪問のたびにお茶をしたりお昼をごちそうしたりするのも、現実的に時間や費用がかさむものですし、ノウハウも蓄積しません。
同様に私の会社の組合(「単組」と言います)活動として取り組んでも、実際はほとんどの学生が他業界や同業他社に行く場合が多く、また企業内組合としての位置付けが強い単組の立場では、対外活動がし辛いという面もあります。
●業界と学生の間にある「広告労協」の位置付けと、F氏の発明。
「広告主それぞれのコミュニケーション課題を解決する」ことが広告業界のミッションだとすれば、自分自身も通過してきた入社試験も、それぞれの学生にアドバイスできるはずです。一方で、広告業界といっても、「電通」「博報堂」の2社を、しかもイメージ程度でしか理解していない学生は山ほど存在します。トップ2社以外の広告会社にとって優秀な人材を確保するためにはもっと業界全体のことを知ってもらう必要があります。
言い換えれば、広告業界は人気業界であることにあぐらをかくのではなく、将来の広告主にもなりえる若い層に、就職活動という時期を通じて、広告業界へのシンパシーをあらかじめ作っておくチャンスがあるのです。これは中長期的に広告業界全体の発展に貢献することに間違いありません。
これを「各組合の連携でやってしまおう」と構想を練り、03年度に「突然」実現させたのが、広告労協の中心的スタッフであるFさんでした。
本来であれば広告会社の連合体である日本広告業協会といったところがやるべきと思われるでしょうが、やはり採用当事者でもあるという立場から、現実的には困難です。広告労協は、加盟単組の活動を助けるための情報収集・提供が中心的な機能ですが、広告業界に従事する人に広く貢献する※ことをミッションとした、対外的な団体でもあります。ましてや基本的にはOB訪問という誰でもやっているボランティアを組織対応するだけですから、インターネットの活用もあり、実現は意外に簡単なものでした。私自身F氏からアイデアを聞いたとき「その手があったか!!」と感動し、今日に至っています。
●就職フォーラムを核とする、労働組合活動の好循環を目指して。
広告労協が学生に対してボランティアをすることで、広告業界だけでなく、「労働組合」という世界にもシンパシーをもってもらえると確信しています。
電通労働組合、ADKユニオンを含め労協加盟のほとんどの労組が加入を強制されない「オープンショップ」であり、会社全体のことを考える「企業内組合」であり、組合の役員はみな現場の社員(「非専従」)です。加入するしないは内定した方の判断ですが、この労協の活動が各労組の存在なしにはありえないことを感じていただければ、きっと仲間になってもらえると信じています。
労協Fさんの壮大なる構想は、いまや広告労協のコアイベントという位置付けとなり、各組合の中心的スタッフもできる限りの協力体制を敷いています。また03年度に本フォーラムのサポートを得ながら内定を得た学生の方達も、04年度の後輩のためにボランティアとしてお手伝いいただいています。04年度、05年度と続けていき、講師陣もすべて「就職フォーラムの先輩」で構成されるようになればいいなと思います。
※全国広告関連労働組合協議会規約
第三条(目 的)
基本課題の推進および労働者の社会・経済・文化的地位向上発展を推進することを目的とする。
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