バイオリンの発表会。
ピアノという楽器はタイプライターと同じく鍵盤を押すと決まった音程が出ます。当然音色や強弱・リズム感といった要素は訓練によって体得していくものですが、とりあえず押せばちゃんとした音程が出るので初心者にも取り扱いやすい楽器と言えます。
一方バイオリンは自ら弓で弦を弾いて音を出す楽器です。しかし初めての人が弾こうと思ってもそれは騒音にしかなりません。弾くというよりも「こすりつけている」「引っ掻いている」行為にしか過ぎません。バイオリンでは、まず音を出せるようになるまでに厳しい練習が必要なのです。
コミュニケーションを音楽で例えるなら、言葉は楽譜、声は楽器。そして音程は正しい言葉使い、音色は感情豊かで説得力のある表現だといえるでしょう。曲がよくても演奏家が下手なら音楽は台なしであるように、どんなに机上で文章を練ろうとそれを声に乗せてどう表現するかで、言葉は生きも死にもします。音楽もコミュニケーションも、記号だけでは完結せず、実践して初めて価値をもつものなのです。
しかも就活生が使う楽器はピアノでなく、バイオリンです。キラキラ星一つ演奏するのも簡単ではありません。普通にやっても引っ掻き音にしか聞こえません。学生口調にお仕着せの言葉を乗せても、メッセージとして聞こえてこないのです。
模擬面接会という発表会でバイオリンの音程と音色が聞こえた学生は全体の2割以下でした。音楽に聞こえてはじめて曲の善し悪し・演奏の善し悪しを評価できます。それ以前の学生はいくら楽譜の方をいじっても無駄だと言わざるを得ません。
バイオリンの音程と音色を奏でられるようになるためにはどうしたらいいか、この答えも同じく音楽にあります。それは目と耳を使って人から学び、自分で実践練習するしかありません。
そのための最もよい機会は社会人と話すこと、とりわけOB/OG訪問です。OB/OG訪問では社会人の話し方のリズムや抑揚、言葉の選び方を学ぶ場でもあります。どのような話し方が「言葉」を「メッセージ」に変えるのか、実際にライブで見て聞いてみなければ分かりません。
そしてあなた自身の話の内容と身振り手振りも含めた話し方についてOB/OGに率直な意見を求め、発表会に臨める「音程・音色」になっているか尋ねてください。
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4124/6407866
この記事へのトラックバック一覧です: バイオリンの発表会。:




コメント