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2005.09.08

KAIZEN(カイゼン)。

「改善」という言葉は、ビジネス用語「KAIZEN」として今や世界に通じます。特にトヨタ自動車の経営哲学として有名であり、トップから現場に至るまで徹底的にカイゼン点を見いだし実現していくことで、年間一兆円以上の純利益を生み出しています。

カイゼンとは「より」よくすることであり、今の価値に立ち止まらず常にカイゼン点を発見していくことです。時には過去のやり方の否定から入ることにもあります。このようにカイゼンは付加価値創造の原点ともいえます。またカイゼンはそのノウハウを共有化することで、一人の小さなカイゼンを会社全体のカイゼンにつなげることができます。現場からの提案の声を大きく取り上げるのが日本式カイゼンの大きなポイントです。

トヨタ、松下、キヤノンなど生産現場でカイゼンに尽力した技術者OBの中には、経営再建中の会社に出向きカイゼンを伝授している方々がいます。カイゼン意識のない人には見えないことが、このような「カイゼンOB」の方にはすべて見えるのでしょう。当初はおっかなびっくりの社員も、カイゼンの効果がめきめき現れるにつれ、カイゼンOBを本気で信頼していくようになります。日本の賃金水準は他国に比べても依然高く、国内製造業は高コスト体質と言われていますが、カイゼンひとつでコストが半分になるということも少なくはありません。再建会社はカイゼンOBには宝の山に見えているのかも知れません。

広告業界の仕事もコミュニケーション活動における一種のカイゼン活動だと言えるでしょう。私自身、電車に乗っていても昼食を食べていても「あ、あれをこうすればもっと売れるかもしれない」「これをこう言い換えるともっと人が理解するかもしれない」などと思うことがよくあります。コミュニケーションを生業(なりわい)にしている以上、広告マンには普通の生活の中で他の人が見えない切り口を見いだすことが求められます。

特に経験豊かなクリエーティブディレクターが伸び悩むクライアントを新規担当すると、ブランドやコミュニケーション戦略上の課題を見事に整理し、説得し、カイゼンを果たします。最初は耳の痛い話が、徐々に信頼を獲得して行く。それはあたかもメーカーからきたカイゼンOBのような存在に似ていると言えるかも知れません。

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