« 再販制度と新聞業界(前編)。 | トップページ | 再販制度と新聞業界(後編)。 »

2005.08.09

再販制度と新聞業界(中編)。

新聞社の取材費は、購読費収入と広告費収入(+事業収入)から捻出されます。収入の半分程度を占める購読費は、一部の経済紙、専門紙を除き、言うまでもなく宅配制度に依存しています。新聞販売店はあまねく零細規模であり、雇用の受け皿・奨学金制度など、宅配制度にはジャーナリズム以外にも一定の社会的意義があると言えるでしょう。

再販制に話を戻すと、新聞は毎日新しい紙面が発行され、古い紙面が流通することはありません。また基本的には1種類の商品しかなく、本紙が売れなければ(購読料も広告費も)収入の道が細ってくるだけです。新聞の再販制は事実上流通を含めた産業保護に他なりません。

私は、新聞業界の意義と現状を考えると、再販制を継続し新聞流通を保護しなければいけないと考えます。そうしないとあっと言う間に日本から多様なジャーナリズムが衰退してしまうからです。

「テレビのニュースがあれば十分じゃないか」、という人がいます。しかし新聞が「取材する」ニュースの量はテレビの比ではありません。また報じる量もテレビは限られています。もっとも問題なのは「ネットで見るから新聞とらなくていいよ」という人です。しかしいわゆるポータルサイトで報じられているニュースの多くは新聞社が配信しており、実際に取材しているのは新聞記者なのです。最近はこれをポータルサイトが取材していると勘違いしている人が増えてきています。この現状を新聞社はどのように受け止めているのでしょうか。いや、そもそも気づいているのでしょうか。

再販制がなくなればどうなるか。仮に新聞社が定価を下げないとしても、販売店の現場で熾烈な価格競争で「既存顧客」の取り合いとなり、つぶれる店舗が続出します。新聞流通ががたがたになれば新聞社の基盤は揺るぎます。仮に勝ち残った新聞社がいたとしても、テレビやインターネットでの無料ニュースに依存している人が新たに新聞を定期購読するとは思えません。再販制がなくなっても新聞購読者層全体が増えるわけではなく、読者の高齢化とともに終焉を迎えるでしょう。

|

« 再販制度と新聞業界(前編)。 | トップページ | 再販制度と新聞業界(後編)。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4124/4960130

この記事へのトラックバック一覧です: 再販制度と新聞業界(中編)。:

» 私の就職活動本の用途 [がんばれ!広告業界就活生〜07年度新卒へ〜]
 どうも、ライターの孫子です。  そろそろ、「面接の達人」や「絶対内定」などの就職活動本がリニューアルされる時期ですね。皆さんの中には、すでにこれらの就職活動本を何冊か購入なさっている方がいらっしゃるかと思います。今日はそういった、就職活動本について書こうと思います。  まず、私は、面接の達人ユーザーでした。そして私のこの本の用途は、就職活動の疑問に対する答え得るためです。  つま�... [続きを読む]

受信: 2005.08.12 04:19

« 再販制度と新聞業界(前編)。 | トップページ | 再販制度と新聞業界(後編)。 »