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2005.08.07

再販制度と出版業界(後編)。

この議論をする上で再販制の問題を避けては通れないと主張する人がいます。しかし個人的には出版における再販制について賛成の立場にも反対の立場にも立ちません。それは今や活字離れの本質はもはや再販制議論を越えたところに存在するからです。

タダに勝てる価格設定はありません。それならば、これだけネットやフリーペーパーがある中でも、「今」「お金を払って」書籍・雑誌を読みたいと思わせる「付加価値」を追求するのが先だと言えるでしょう。

レンタルビデオの登場により、「映画はレンタル市場に出てから見る」というライト層が拡大してしまいました。このライト層の登場で映画業界は長らく低迷していましたが、現在では一時期の衰退を脱し、国内外作品を問わずヒットを連発し好調な動員を獲得しています。これはいくらレンタルが安かろうと話題作を先行して映画館で見れるのであれば(様々な割引を併用して)1000円から1500円ぐらいなら支払ってもよいというコア層が確実に存在するということを証明しました。

同様に出版の分野でももはや「書店で新刊を買って読む」というコア層と「古本市場に出てから読む」というライト層は明確に別れています。私は映画のコア層が支出する1000円~1500円という金額のゾーンに望みを託したいと思っています。実際書籍の価格帯は今でもこの程度であり、ベストセラー本も多数あります。新書版のベストセラーであればこれよりも安価です。書籍は日用品とは違い、希望小売価格からどれだけ安くなっているかで買う買わないを判断するものではありません。

このように考えると、紳士服の2プライス店のように、出版業界が協議して新刊の価格を例えば新書は700円、ハードカバーは1400円といった統一価格にするといったアイデアもあるかもしれません。このように再販制を前提とした分かりやすい価格帯を定めれば、出版社も部数を増やすための付加価値創造に注力し、ベストセラーの増加など改めて需要を喚起できるのではないでしょうか。

このような形でも客が戻ってこないようであれば、再販制・取次問題を含めたゼロベースの議論になっても仕方がないでしょう。そうなる前に広告業界もアイデアを出しながら出版業界の再生を図っていかなければならないことは言うまでもありません。

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