時間の「マナー」と「ルール」。
ある制作会社の面接で、30秒で自己PRをと指示されたにもかかわらず学生が時間をオーバーすると、面接官が吐き捨てるように「30秒って言ったんだよ!」と小さな声で言ったという報告がありました。
社会では時間厳守が基本マナーであることは言うまでもありませんが、この面接官の怒りには少し違う原因があると思います。それはCMの尺(しゃく)です。
ご存じの通りテレビCMは15秒と30秒の2種類の長さ(尺)があります。1分やそれ以上は「長尺(ちょうじゃく)」と呼ばれますが、日本では15秒か30秒がCMの長さと言ってよいでしょう。
CM制作者にとってこれらの尺は「マナー」ではなく「ルール」です。陸上競技でも100m走と400m走、1万m走とマラソンが全く違うスポーツであるように、彼らがCM制作を選んだということは表現者としてそのルールを選んだということです。たとえ短距離走でも、スタートダッシュからフォーム安定・ラストスパートに至るまで様々な駆け引きがあります。少なくともルール自体を軽視するようなことがあれば、同じ競技者として失格と見なされて当然です。きっとこの面接官は自己PRが短すぎても同じことを言うのでしょう。
制作会社の面接では「30秒以内で」と「30秒で」には大きなルールの違いがあると認識してください。15秒という単位、30秒という単位を体にたたき込むことはCM制作をする上でもっとも重要なことのひとつであり、面接でも例外ではありません。
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