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2005.06.22

COOL BIZ(クール・ビズ)の商標は誰のものか。

今や「COOL BIZ/クールビズ」の名前を知らない人はいないというぐらい、政府が提唱した軽装運動は周知されています。ネクタイ業界の反対はあるものの、新しいマーケットが誕生したといってもよいでしょう。

マーケットが生まれたということは、ビジネスの世界で「クールビズ」という呼称が使われるということになります。当然商標としての権利関係が発生します。この用語はどのような使用許諾関係にあるかを調べるため「環境省の“COOL BIZ”の 使用について」を参照してみると、以下のようなコメントがありました(太文字筆者)

《クール ビズの使い方》

“クール ビズ”は、 “省エネファッション”といった言葉と同様、夏のオフィスの冷房温度を28℃としても快適に格好良く過ごせるビジネススタイル全般の一般的な愛称として広く使われることを意図しています。
特定の性能や製品を示すものではなく、特定の商品名やブランド名として使用することはできません。
類似した言葉で商標登録をしている企業もありますので、使用方法、表現については使用される方の責任で、十分に御注意ください。誤った使用に関するクレーム等には、環境省及びチームマイナス6%運営事務局は一切責任を負いかねます。

実際に商標登録(もしくは申請中)の会社を特許庁商標登録で調べてみたところ、某下着メーカーが平成17年(2005)4月26日に出願(先願権発生)していました(「COOLBIZ クールビズ」:商標出願2005-37467、「クールBIZ クールビズ」:商標出願2005-37465、【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】 第25類(被服,ガーター,履物,運動用特殊衣服 ) )。これらはまだ申請中(いわゆるTM表記)の段階となっています。出願日を見ると公募名称の決定イベントの段階で申請しているようです。

取れる商標は取っておくことは民間企業としては極めて正しい行動です。しかし一方では今回は国家の施策がきっかけとなって新しい衣料関連市場を創造しているのも事実です。「クールビズ」という言葉の「使用方法、表現については使用される方の責任」「誤った使用に関するクレーム等には一切責任を負いかねる」という説明には、あいまいで後手後手の印象が拭えません。

商標申請中の会社は「チーム-6%」という環境省の提唱に賛同している会社ですので、現実的にはなんら権利関係で他社と争うことはないと思われます。しかしその会社の株主にしてみれば、商標登録による利益が十分でなければ株主総会での指摘などになりかねません。そもそも商標登録は自社がやらねば他社がやるといこともあり、今回の場合いずれの結果でも当事者である会社にとってはデリケートな問題と言えるでしょう。

せっかくのムーブメントも、基本的な権利処理の関係でうまくいかないとも限りません。政府・自治体が商標の主権者となりえるかどうかは私に知識がありませんので分かりませんが、政策に関する政府の商標権などを検討してみるいい機会なのではと思っています。

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コメント

Nice!
良いご着眼ですね。
知財が確立してくると行政も極めて難しい時代になってくる。
こうした専門的知識に関心・見識のない広告マンは過去のモノになるでしょうね。

投稿: 水野由多加 | 2005.06.22 17:40

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