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2005.05.17

年収で社長を越えるサラリーマン。

5月16日、「長者番付1位はサラリーマン」という記事が大々的に報じられました。

成功報酬は運用成果の2割 投資顧問、不振なら解雇も

 タワー投資顧問の清原達郎運用部長が、サラリーマンとして初めて高額納税者のトップに躍り出た。高度な金融技術を駆使して「ハイリスク・ハイリターン」を狙うヘッジファンド系の運用会社には「成功報酬として、年間の運用成果の2割程度を支払う」(外資系証券)のが一般的という。
 ただ、成績が上がらなければ解雇もありうる厳しい身分で、一般的な日本企業で働くサラリーマンにとっては、まだまだ“別世界”と考えた方がよさそうだ。
 ヘッジファンド系運用会社は会社の規模や組織形態にもよるが、個人がたたき出したもうけが、かなり直接的に給与に反映する仕組みになっている。大ざっぱにそろばんをはじくと清原部長は顧客に対して、500億円を大幅に上回る運用成果をもたらしたことになる。

このニュースは広告業界で働くものとして「現場が利益を稼いでいる会社」の人事制度における大きな示唆を感じます。

メーカーなど、多大な設備投資を伴う事業は、ヒト、モノ、カネの3資産の運用について経営トップしか判断できないことがあります。メーカーや銀行では仕事の規模に合わせて決裁権があり、上に行かなければ大きな仕事はできないという構造があります。しかし、ファンドマネージャも広告の仕事も、現場の判断が利益を生み出す業態です。私たちの仕事で上司の決済がなければその提案ができないということはかつて聞いたことがありません。今回のニュースは(この会社の社長がよっぽどうまい節税対策をしていない限り)、自分よりも高い報酬を出すことを決断したという点で歴史的な認識を社会にもたらした功績は大きいのではないでしょうか。

社員を成果主義で処遇するためには、その前にその会社のクライアントに対する成果の評価があるはずです。しかし現在の成果主義は往々にして縮小均衡にある利益をどう理屈をつけて配分するかに腐心しているような気がしてなりません。今も利益の取り合いが労使交渉だという「旧来の価値感」が存在するのも事実です。

今回の象徴的な処遇を目の当たりにすると、一律的な交渉以外にこのようなバッファを持っていることが会社にも組合組織にとっても一定のメリットになるのではというヒントになると思います。。市場環境が上向いてきた今だからこそ、ゼロサム・縮小均衡を打破できる知恵が労使で絞り出せるのではないでしょうか。

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