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2005.04.20

内定前健康診断の「傷害罪」的考察。

2005年4月19日、東京労働局職業安定部職業安定課人権啓発担当の方に直接連絡をし、内定前の健康診断問題について話をしたところ、以下の見解をいただきました。

●労働安全管理規則第43条「雇入時の健康診断」は、採用が決定しているものを対象としているものであり、採用が決まっていない人を対象とするものではない。
●内定通知前にそのようなことが実施されているとすれば、実施している会社を教えてもらえれば是正の指導をする。

私は失礼ながら「それは行政としての見解ですよね」と確認し「そのとおりです」と答えていただいています。さらに「では何を根拠に健康診断を実施しているんでしょうね」と聞くと「さあ…。人権上も問題ですよね。」とおっしゃっていました。これで企業が内定前の学生に健康診断をすることには法律的な根拠が何もないことがはっきりしました。

そこで一つ新たな疑念が浮かびました。本来人の体に針を刺すのは傷害罪に該当するものですが、医療上の行為に限って罪を免れます。しかし法律の根拠のない依頼に基づいて医療機関が人に針を刺し、体にエックス線を照射することは、医療上の行為として傷害罪を免れることができるのでしょうか

例えば人の髪を切ることも本人の同意がなければ傷害罪に相当する行為です。内定前に健康診断を強いるのは、いわば髪を短くすると校則で決まっている学校の入試で、合否を出す前に学校が床屋を指定して受験者に髪を切らせることと同じです。どのような理由があれ落選者という当事者から見れば圧倒的に立場の強いものの横暴と断じざるを得ません。

医療機関は会社の説明に基づき受託しているだけです。検査対象が43条の対象外の学生であることを知っていたら、受託できるはずがありません。したがって学生に針を刺す行為はもっぱら会社に責任があると言えます。「その時点では知られる必要のない」個人情報を取得されるために、無駄に針を刺され無駄にエックス線を浴び、結果も不採用だったときの肉体的精神的ダメージは確実に立証できるはずです。女性であればエックス線を受ける前に妊娠している可能性の質問にも答えなければいけません。証拠も揃えやすく、法律家にとって興味ある案件なのではないでしょうか。

しかし私は法律家ではありません。私のこの問題への結論は1つです。「健康診断した人を全員採用すること」、これで何ら問題はありません。

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