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2005年4月

2005.04.30

縦割り行政。

内定前の健康診断問題に取り組んで2年になりますが、この問題が解決しない理由は「厚生労働行政の縦割り」にあると確信しています。

今回「医療事業所」側の問題に切り込んでいくため、4月18日に実際に内定前健信を受託しているクリニックに電話してみました。「***さんの健康診断を受ける予定の学生なのですが…。」と切り出すと、電話に出た事務の女性は「あ、入社時健診ですね。」という言葉を使っていました。そこで「特に会社からは言われていないのですが、健康診断を受けるということは、入社を前提としているんですよね…。」と聞いてみたところ、「そういうことは会社に聞いてください。」の一点張りでした。様子からしてこのクリニックはこの健康診断が労働安全規則第43条に基づくものではないことを知っているようでした。

そこで今度はそのクリニックを所轄・指導する保健所に電話をし、今度は「うちの息子が内定もらわない間に健康診断を受けろと言われているが、つい最近も別な会社で内定前に健康診断を受けさせられた。そもそも43条の範囲外の健康診断が行われていることに、保健所はクリニックや会社の指導はしてもらえないのか」と話しました。すると「それは会社側の問題ですね」とあっさり言われました。

仕方なく今度は組合の名前で東京労働局に相談したところ、親身になって対応はしていただきましたが「会社の指導はできるが、医師の指導はできない」と言われています。そこで「では厚生労働行政として、医師側に指導する部署はどこか」と聞くと、調べた上で上記管轄保健所の名前が上がりました。これで無限ループの完成です。

我慢できず私は知り合いの厚生労働省の医療行政の指導官に聞いたところ、「厚生労働行政といっても、相互には何もつながりがない」とはっきり言われました。また43条は労働安全規則であるため、企業(事業者)に対する定めということもあり、医療事業所に対する法律ではないという解釈のようでした。

結局この問題の根源は、43条の根拠でないのに43条を装った「会社のウソの申告」によって健康診断業務が行われている点だと言えそうです。しかし、より多くの健康診断を請け負った方が儲かるという理由で黙認しているクリニックの存在も否定できません。

このような縦割り行政の中では、この問題については労働局から企業側への個別対応でしか解決できないようです。根本解決には医療倫理と個人情報保護の観点から医療事業者の自覚を促すことと、労働安全規則上に内定前健康診断禁止を明文化することが必要です。

広告労協だろうが私個人であろうが第三者には違いなく、企業や医療事業者から当事者資格に欠けると言われる可能性もあるでしょう。それを後押しするのは「おかしい」と思っている学生の声です。「不適切採用情報提供」からあなたの体験をお聞かせください。

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2005.04.29

安否確認。

ゴールデンウィークに入り、多くの社会人が大型連休をとります。しかしインドネシア沖地震による津波被害などのように、海外での災害の際には会社としてもできるだけ早い安否確認が必要になります。これは国内でも同様です。大きな会社やグループ企業を抱える会社ではその家族も含めると数万人、数十万人が関係していることもあり、大きな災害の場合には、社員・家族の罹災状況を早急に把握することが重要です。また取引先の社員や家族の罹災状況もできるだけ早く入手するのも広告会社の仕事の一つです。

4月25日に発生したJR福知山線の脱線事故は、航空機事故級の大災害となってしまいました。日が経つほどに被害状況は悲惨を極めてきています。事故の時間帯や行き先などから、私はニュースに接するたびに労協就職フォーラム関係者がいないかドキドキしながらお亡くなりになった方々の名簿を見て安否を確認しています。今のところ労協06生関係の学生の方々は無事だったようでほっとしているところです。関西方面からの選考状況報告が来るとうれしくなってしまいます。

しかしまだ入学したての学生の方などが被害に遭われたようです。将来ご縁があったかも知れない若い命が失われたことに、本当に心が痛みます。

お亡くなりになった学生の方々、すべての犠牲者の方々に、心よりお悔やみを申し上げます。

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2005.04.28

社長報酬「594円」まではよかったが…。

ウィルス対策ソフト大手「トレンドマイクロ」が4月23日朝に配布した更新ファイルに不具合があったという事故で、問題が収拾するまで社長報酬を「594円」にするという報道がありました。

(前略)チェン社長は、障害を肝に銘じるために、給料を問題のパターンファイルのバージョン番号「2.594.00」にちなんだ594円に大幅に減給。チェン社長は「最後のユーザーのパソコンが復旧するまで給料は594円にする」と話した。
 また、マヘンドラ・ネギ代表取締役CFO(最高財務責任者)は「顧客の環境を復旧する支援はするが、損害賠償は検討していない」と、障害があった企業などに対する損害賠償はしないことを明言した。 (中井 奨=日経ソリューションビジネス)

PCトラブルを回避するための企業がPCに悪影響を及ぼすということは病院の院内感染・医療ミスに近く、根本的な信用問題となります。このような不祥事に直面した場合、メディア対応の初動が極めて重要です。今回の役員報酬「594円」という象徴的な責任の取り方はメディアにも取り上げられやすい、とてもいい措置だったのではと思っています。

しかし4月27日の日経MJ企業総合面で、トレンドマイクロ社は「『最後の1台が復旧するまで』検査担当者の給与を50%カットする」ことを発表したと報じられました。これが事実だとしたら残念ながら法律違反と言わざるを得ません。

労働基準法第91条では「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半分を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」と定められています。したがって、トレンドマイクロ社が担当者の1日分の賃金の「50%カット」をするのは合法ですが、減給の総額が月給の10%を超えるような場合は法律に抵触することになります。検査の担当「役員」であれば労働者ではないので問題ありませんが、取締役でない従業員はすべて上記制限の対象となります。

もちろん担当者の不注意が原因であれば、その担当者が(法律の範囲内の)社内処分を受けるのは当然です。しかし現場担当者に法律を越えた処分をするということは別次元の問題であり、同時に担当者を全面に出した処分は、その会社ワークフローが極めて属人的であり、チェック態勢の考え方自体ができていないのではと思わせます。

この会社は外資であり社長も外国人女性の方のようです。全体的には危機管理としてはよくできたメディア対策をしたのではと思います。しかし日本の労働法をよく知らないということも別な批判を受ける恐れもあるでしょう。ここは日本ですので適切な対応をしていただければと思います。

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2005.04.27

学生が背負うブランド(その3)。

「背負うブランド」シリーズ最終回は、学生にとっての「地方ブランド」です。

blogというものは時に個々のエントリーだけがリンクされて広まることもありますので、誤解されやすい点は何度も念を押させてください。このシリーズでは「学生のブランド」を「(面接がすべて終了した後)面接官がその学生の名前を見るだけで勝手に連想させる何か」と定義しています。

就職活動ではいうまでもなく「自分自身の様々な経験や実績で過去のブランドをアピールし、自分の将来に期待してもらう」ことがもっとも大事です。一方多くの学生は一発でブランドを印象付けるような強烈な経験が不足しています。

そのような悩みをもつ学生のため、前回のコラムでは誰でも持っている「大学ブランド」のよい部分をどう活用するかを述べました。しかし大学ブランドには偏差値的な先入観がいまだ存在することも事実です。採用試験において大学名を完全に伏せて面接する会社もあります。そこで今回は「地方ブランド」の活用について考察を書きます。

ビジネスでも何でも、初対面同士では共通の話題がないのは当然です。特に東京という土地では人が多すぎお互いの共通点がなかなか見出せないものです。商談の場で相手の出身大学を直接聞くようなことはまずありませんが、出身地方を聞いて相手のバックグラウンドを知ることはよくあります。自分の出身地のことならば相手もいきいきと話すことができ、その後のコミュニケーションも円滑になります。新入社員が飲み会の場で自己紹介するときも(地方出身であれば)出身地を言うのは普通でしょう。ゼロから始まる新入社員にとって、出身地は相手に与える最初のブランドです。

大きく分類すると、地方のブランドは「文化や観光資源」、「県民性」、「出身有名人のイメージ」で作られていると言えます。これは大学のブランドである「特色ある教育」「校風」「有名OB/OG」に対応しています。しかし大学のブランドと違い、地方のブランドははっきりした定番的評価があります。

地方大学生の就職活動でも、意識的か無意識的かを問わず面接官はあなたに最初から出身地のブランドを重ねます。関西の学生であれば、話がうまく笑わせてくれることが期待されているでしょう。九州の学生であれば目立ちたがり屋で活動的な個性、北海道出身であればフロンティアスピリットのある大胆な行動力が期待されているかもしれません。

そもそも東京の企業に応募してくる地方大学生は少数派です。あなたのブランドの一つは、なんと言っても地方出身であることなのです。相手が出身地にポジティブなブランドイメージを持っている可能性が高いのであれば、地方代表として期待に応えてあげて損はありません

またあまりイメージのない地方があることも事実です。しかし「地方の背負うブランド。」で述べたとおり、地方のブランド向上は立派なビジネスです。そのような地方の出身者は、地元のイメージをコミュニケーション力で伝え、愛する地元のブランド向上のためのアイデアを披露するなど、過去の背景と将来の期待値を同時にアピールできる策はいくらでもあるはずです。

地方に住んでいるとあまりの日常性に地元の特異性に気づかないこともあるでしょう。この手の話はいくらでも資料があります。特に「県民性」に関しては様々な書籍やサイトで詳しく見ることができます。

「県民性ワールド」
都道府県別ヒット商品の法則 地域マーケティングの第一人者が教える (矢野新一)
県民性の謎がわかる本 47都道府県あなたの金銭感覚は?(山下竜夫 )

またウィキペディアの「出身別の人名記事一覧」も参考になります。

外国人と仲良くするためには自国の文化を説明できるようになっていなければならないように、地方出身者が東京の人と話をする上では出身地のブランドを再認識しておくべきでしょう。自己PRとして使うだけでなく、面接の会話の中でのエッセンスとしても使えるはずです。地方大学生だけでなく、地方から上京してきた東京の学生で母校のブランドが弱い場合にも、必要に応じて出身地のブランドを活用してみてください。



これまでいろいろ述べてきましたが、大学ブランドや地方ブランドだけで内定することはありえません。しかしあなた自身のブランド一本勝負でも壁にぶつかることはあると思います。子会社が親会社のブランドを生かしてビジネスをする、ブランド企業との取引実績をアピールする、新興ブランドが有名アーティストのCMでいいイメージを獲得するなど、何かのブランドの助けを借りて自分のブランドを確立していくことはビジネスの世界では当然のことであり、決して恥ずかしいことではありません。

壁にぶつかった時には、ぜひ自分の周りのブランドを総動員してみることを試してみてください。

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2005.04.26

学生が背負うブランド(その2)。

繰り返しになりますが、このシリーズでの定義に基づき「学生のブランド」という言葉を説明すると「(面接がすべて終了した後)面接官がその学生の名前を見るだけで勝手に連想させる何か」となります。「勝手に連想」わけですから、あなたが意図としたことを連想してくれているかどうかの保証はありません。

前回のコラムで、学生は面接官に「過去の背景」と「将来の期待値」という2つのブランドを残すと書きました。しかし現実問題として過去の背景なしに将来の期待値だけ信じろといっても困難です。過去の背景は本来のブランドの意義である「信頼」の原材料であり、信頼のない期待はありえません。

もちろん、自分自身の様々な経験や実績で過去のブランドをアピールすることがもっとも大事です。しかし多くの学生は一発でブランドを印象付けるような強烈な経験が不足しています。そのような場合には、自分が所属しているブランドに一度立ち返ってみることも大事でしょう。今回は、「大学ブランド」をどう活用できるかを考えてみます。

社会では、職業や所属を抜いて関係を持つことはまずありません。会社員がその会社のブランドを背負って仕事するように、学生はその大学のブランドを背負って就職活動に臨みます。また今や「大学のブランド=偏差値ブランド」ではありません。民間主導の世の中になり、企業の求める人材像は偏差値評価の正反対になったと言えるでしょう。その価値観を理解したうえで、母校のブランドをどう活用するか、もしくはブランドを越えるか研究することが大事です。

誤解しないで欲しいのですが、面接の場でその大学のブランドを延々と説明しろということではありません。大学のブランドはすでに相手の中にあるものです。そのイメージとあなたが重なった時に、どのようにして自分にプラスにもっていくかという点が重要なのです。以下具体的な例を挙げてみます(具体的な大学名を出し失礼な部分もあるかと思いますが、個人的な意見としてご容赦ください)。

一般の人が大学のブランドとして想起するものは以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 偏差値・学力

  • 有名教授、有名ゼミ

  • 国際的。語学に熱心

  • 司法試験や会計士試験など資格取得に実績

  • スポーツが強い。有名スポーツ選手の出身

  • 有名経営者の出身

  • 著名人、タレントの出身

スポーツが盛んな大学は、活動的なイメージを持ちます。駒澤大学は仏教系大学のひとつですが、多くの人や企業にはもはや「箱根駅伝」のイメージで捉えられているでしょう。駒大生にとってこのブランドをあなたにかぶせない手はありません。また明治大学、法政大学、日本大学などは野球やラグビー、アメフトなど様々な分野の強豪校であり、有名プロ野球選手などを多く輩出しているため、スポーツイメージが大きい大学です。もちろんそこの学生が誰でも体育会所属というわけではありません。しかし体育会のもつ「明るさ」や「元気さ」が感じられない学生には、面接官は違和感を覚えることでしょう。そのような学生を採用するよりは、同じ大学で元気のいい学生を採った方がいいと考えるのが自然です。「元気」と「仕事ができる」というイメージは重なるものなのです。

上智大学のように語学や国際教育で有名な大学で、そのような専攻をしてきた学生はアピールが楽です。大学ブランドと自分の力を面接官に重ねて見させることができます。しかし語学と直接関係ない学部はあるでしょう。そのような学生でも大学のブランドを放棄するのはもったいないことです。確かにTOEICの点数は語学専攻生と比べてかなり見劣りするでしょうが、質問に及んだとき「語学専攻ではありませんが上智大生としてはずかしくない程度の勉強はしています」などと答えれば、面接官は自分のもっている大学ブランドと合致することで安心することになります。

中央大学法学部といえば司法試験の名門として有名です。ここの出身学生で民間企業を受けるときには、必ず「司法試験は受けないの」と聞かれているのではないでしょうか。このとき「あまり勉強しなかったので…」などと正直に答えれば、中央大学法学部というブランドを一切「放棄」することになります。法律は法曹のものだけではありません。社会では契約という法律行為やコンプライアンス(法令順守)が重要です。司法試験の話を聞かれるということは、専攻である法律のことはどうするのという質問と同値ですから、法学部生として一定水準の答えを用意し、大学・学部ブランドを活用すべきだと思います。この考え方は「理系から広告」という学生にも当てはまるでしょう。理系学生は一定の知力があるというブランドがあります。詳しくは「理系学生の規定演技」をご参照ください。

卒業生が大学のブランドに大きく影響することもあります。日本マクドナルド原田永幸CEO(元アップルコンピュータ社長)は東海大学、ヤフーの井上雅博社長は東京理科大卒、楽天の三木谷浩史社長は一橋大学卒、イトーヨーカドーグループ鈴木敏文会長は中央大学卒など、有名ブランド会社の社長が卒業した大学の在学生は、それを活用しない手はありません。大学ではありませんがライブドア堀江貴文社長が卒業し、ソフトバンク孫正義社長も在籍していた久留米大学附設高校は、ITベンチャーを輩出する学校として一躍有名になりました。もともと企業人として他社とビジネスするということは、先輩が築いたブランドを元に現在の自分に期待してもらうことです。自分自身に根拠があろうがなかろうが、先輩のブランドを語れるのは後輩の特権なのです。社長でなくても、著名人・アーティスト・スポーツ選手でもいいでしょう。面接官が初めて知る事実でも構いませんので、自分とかぶせやすいイメージの先輩がいるのであれば、積極的に使ってみてください。

最後に「女子大」ブランドについて言及します。広告業界に限らず、女子大の「良妻賢母」ブランドはビジネスの場ではプラスには働かないと思われます。社会は男女同数、ビジネスの場では今でも男性が多く、普段からの男性との向き合い方も重要な素養ですから、同じ資質の女性であれば女子大ではなく共学から採用したいと思われても非難はできないでしょう。女子大の学生はまず一般的な女子大のブランドと向き合い、それを乗り越えた自分固有のブランドを作る必要があるといわざるを得ません。それには実際に総合職として勤務しているOGに話を聞くことがもっとも効果的です。業界を問わずひたすらOG訪問するべきでしょう。

みなさんが今の大学を選んだ理由は人それぞれでしょう。しかしどんな大学でも、あなたという個人よりはブランドがあります。一旦そこを選んだのであれば、その大学の持つ「よい」ブランドは目一杯活用すべきです。大学のブランドとあなた固有のブランドが相乗効果を生むことで、あなたの将来を期待する理由が生まれてくるのです。

今や就職実績が大学の命運を決める材料になっています。みなさんは知らないかもしれませんが、就職活動シーズンに中高年ビジネスマンが読むような雑誌に大学の広告が出ていることがあります。みなさんの自己PRの時に少しでもいいブランドイメージをかぶせてもらえるよう、大学もあらかじめ企業に自己PRをしているのです。

大学がどのようなブランド戦略・PR活動をしているかを知り、大学有名OB/OGからスポーツ実績まで総動員し、あなたのブランドを高める上での母校ブランド活用作戦を準備してください。

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2005.04.25

学生が背負うブランド(その1)。

「背負うブランド」シリーズの締めは、他ならぬ学生の「あなた」が背負うブランドです。

「あなたのブランド」とは何でしょう。ブランドの定義に基づけば、「あなたの名前を聞くだけで相手に勝手に連想させる何か」です。さて、そんなものがあるのでしょうか。

初対面の場では誰にもブランドはありません。しかし面接という過程の中であなたは2つのブランドを相手に残すことになります。1つはあなたの「過去の背景」というブランド、もう1つはあなたの「将来の期待値」というブランドです。

これは企業のブランドと同じ構造です。企業ブランドは過去の実績と信頼が土台となり、新製品はその土台に乗り新たな期待値をもって消費者にアピールします。この2つは独立した存在ではなく、一貫性をもつことでブランドの全体像がくっきり結ばれるのです。

面接官は面接が終わった後、それまで見てきた学生の中で「この学生を採りたい」という判断材料を探します。その材料があなたの残したブランドそのものです。「一言で説明できる自分の良さ」を面接官に勝手に連想させられたかどうかが結果を左右します。

しかし「一言で説明できる自分の良さ」を、自分の「キャッチコピー」を考えることと同値だと思っている学生が多いようです。就活マニュアル本にもそう書いてあるのでしょう。これは「広告すればブランドができる」という短絡的な考え方に近いといわざるを得ません。「私はスルメです。かめばかむほど味が出ます」といったオチを全面に出しても、あなたのブランドの深みまで理解させてられているかは甚だ疑問です。むしろコピーが「すべった」ときのイタさが際立つと思われます。

模擬面接の経験から言うと、数多くの学生と面接した直後に残っているのは、取って付けた様なキャッチコピーではありません。面接官はその学生のもつ具体的な背景と実際に会って初めて感じることのできる将来の期待値を総合し評価をしているのです。したがって面接でのあなたのブランドを残すには、何かの一発勝負ではなく複数の素材をアピールする必要があると思います。

そんなものが自分にあるのか、と悩む学生がほとんどでしょう。次回はこの点について具体的に書いていきます。

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2005.04.24

学校が背負うブランド。

ブランドは積極的に作っていくべきものですが、多くは結果的にできているものです。高校や大学などの学校にも「自然に」ブランドが構築されています。

高額商品である住宅や生命保険、車の選択は、慎重を期したとしても途中で売ったり解約したりできないわけではありません。一方学校を選択することは経済行為とは異質なものであるがゆえに、その学校の持つブランドが選択のカギになります。

学校のブランド価値は長らく「偏差値」によって決まってきました。それは法曹・国家公務員・医者といった職業が価値観の上位を占め、民間企業への勤務や事業を興すことの評価が相対的に低かったからだと思われます。事実、金融・経済は大蔵省、産業は通産省の「主導」で、国策として動いているという意識が高度経済成長以降続いてきました。

しかしIT技術の驚異的な発展により、現代社会は昔から見たらまさに未来的な環境となっています。もはやエキサイティングな仕事は民間の現場に転がっているといえます。先見性を持ってこのことに取り組み、ネット環境がそろった米国型のキャンパスをつくってユニークな教育と人材輩出をしてきたのが、慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)です。特に民間企業のへの定評は高く、まさに大学・学部を聞けば呼び起こす「ブランド」が確立しています。

また民間主導の世の中になり、学歴偏重からコミュニケーション力や統率力・タフさなどビジネスに必要な素養を学生に求めるようになりました。このような背景を知ってか、行動的なブランドイメージを獲得するために、各大学ともスポーツの強化に力を入れています

スポーツを使ったブランド戦略は広告会社が普通に提案しているメソッドです。サッカーやオリンピックなどには多くの企業が協賛につき、また選手個人にもスポンサーがつきます。協賛しているだけでも間接的なイメージアップにつながる訳ですから、選手や大学自体ははるかによいブランドイメージがつきます。例えば駒澤大学、神奈川大学、山梨学院大学などのブランドは「箱根駅伝」によって構築されているといっても過言ではないでしょう。

民間主導の世の中となり、IT企業のように小さい会社がブランドを構築して大きく成長した例は枚挙に暇がありません。同様のことは大学にも求められています。少子化の中で特徴あるブランド作りをしていかなければいけないという危機感が大学関係者にはあります。また国立大学も独立行政法人化され、企業との連携や国際的な競争力をつけようと努力を始めています。東京大学では大学広報に大手広告代理店からの出向を受け入れ、広報機能の強化を目指しています。

大学のブランドはもはや自然にできたものでは太刀打ちできず、自らブランドを再構築しなければなりません。大学生としてではなく、広告業界を目指すものとして母校のことを考えてみてください。

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2005.04.23

地方が背負うブランド。

広告労協F氏と04生の時に初めて就職塾を実施したときに、「興味のあるブランドを一つ挙げて、その理由を説明してください」という課題を出しました。評価基準としては前回の「企業が背負うブランド。」で述べたようなことを理解しているかどうかでしたが、学生からの「Fさんならどう答えますか?」という質問に、Fさんは少し考え、「私は『東京』に興味があります」と答えていました。

以前後楽園球場と呼ばれていた球場は「東京ドーム」に生まれ変わり、新たな東京名所になりました。千葉県にあるディズニーランドも東京ディズニーランド、成田空港も新東京国際空港という名称です。もし「後楽園ドーム」という名前にしていれば、もしかしたら西武ドームが「東京ドーム」になっていたかも知れません。

「後楽園ドーム」と「東京ドーム」という言葉がもたらす印象の違い。F氏は「東京」という言葉がもつ力強さはまさにブランドそのものだと言っていました。また彼は「トヨタ」や「ホンダ」などの有名商標と違い「東京」という言葉は誰でも社名などに使うことができ、安易にブランドイメージを作り上げるときにも使用されると指摘しています。そこにいた学生だけでなく、私自身もF氏の話に深い感銘を受けました。

「東京」は別格としても、少なくとも日本人なら「~出身」という言葉だけで何かしらのイメージを持つことになります。それはその地方の持つブランドそのものです。人は初めて会った人に出身地方を聞くことで、それまでの相手の人生の背景を「勝手に」想像します。それは想像される方が好む好まざるにかかわらず、聞いた側に「必ず」起こる現象です。「京都」「横浜」「神戸」など強烈なブランドを持っている都市や、「銀座」「六本木」のように国際ブランドの「一画」もありますが、多くは都道府県単位や東北や九州地方といった大きな単位でブランドイメージは存在します。

通常のブランドの定義と同様、いいブランドイメージも悪いイメージも、イメージがないことも、その地方の持つ固有のブランドです。地方のブランドが向上することは、その地域の住民や企業に活力と経済的利益をもたらします。観光資源がその地方のブランドを形成することが大半ですが、愛知県豊田市(トヨタ自動車)や静岡県磐田市(ヤマハ)など有名企業そのものがその地方のブランドの核となることもあります。またブランドのない地方は、人が移住することも企業が移転することもなく、地元の若い人も転出してしまい、高齢化・過疎化が進んでいきます。昨今の自治体の合併は、それぞれの地方にとってブランドを再構築する最後のチャンスともいえます。

地方の広告会社を志望する学生にとって、地方のブランド向上はもっとも重要なテーマであると言えるでしょう。「東海・九州地区の広告事情、特に私鉄ハウスエージェンシーについて。」というコラムと併せ、ぜひ地方のブランド向上について自分の意見を持ってください。

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2005.04.22

企業が背負うブランド。

「ブランド」とは何か、これだけで修士論文が書けてしまう難しいテーマです。ここではブランドを

「その名前を聞くだけで相手に勝手に連想させる何か」

と定義し、数回に渡って就活生に少なくとも知っておいて欲しいことを書きたいと思います。

会社や商品に関して「~と聞いて何を連想しますか?」という質問をした際、その答えに一定の傾向があれば、それはその会社や商品の持つブランドです。「何も連想しない」人が多ければ、その会社や商品のブランドは弱いものと言えます。

ブランドは相手に「勝手に思わせる」何かですから、いいブランドイメージはそれ自体が販売促進力を持ち、市場での優位性を保持し、より高い価格での販売を可能にします。いわばブランドは最高のセールスマンです。

一方ブランド構築の努力をしなければ、消費者がその商品と接しても購入の判断をする材料がなく、別途費用をかけて営業マンのリソースを投じるか、値引きをして勝負するしかなくなります。また最悪なのは不祥事などでそのブランドに否定的なイメージが付いた場合です。企業名を聞くだけで「買いたくない」という連想を起こさせてしまうことは、時に企業に致命的なダメージを与え、あっという間に市場から転落し時に倒産することもあります。

ブランドは一朝一夕に出来上がるものではありません。すべての企業は中長期的な視点でブランドを作り、成長させ、背負っていきます。そしてあらゆる企業のブランド構築に貢献するのが広告業界の重要な役割です。

ファッションブランドを略してブランドということがあります。しかし広告業界で働くことを目指す学生であれば、「興味のあるブランドは」と聞かれたときにはファッションブランド以外を挙げてほしいと思います。その答え1つでどれくらい広告業界で働くことが理解できているか分かるものなのです。

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2005.04.21

高速掛け算メソッド「繰り上がり分離法」の反響に際して。

2004.03.08に最初に発表し、2005.03.31に再度掲載した「高速掛け算メソッド「繰り上がり分離法」。」が最近各所のblogでとりあげていただいています。特に「はてなブックマーク」「ひろぶろ」(こちらの方がすさまじい勢い)に取り上げられたことが大きかったようです。私は広告業界で働くものですが、blogにおけるメディア力をもっているサイトを改めて認識した次第です。すべてのコメント、トラックバックしていただいた方にはこの場をもって御礼申し上げます。

私の筆力に問題があり、一部補足が必要なようなので、説明いたします。

●これは商標でも特許でもなんでもありません。

図や文中に(C)と表示していますが、あくまで本blogの筆者としての著作権表示です。商標や特許・実用新案などの申請をしてるわけでも(そのようなつもりも)ありません(そもそもこれが特許や実用新案になるわけがありません)。この方式で人が計算することに何ら私的な権利を持っているわけでも権利を主張しているわけでもない点をご理解ください。


●自分で思いついたのは事実ですが、それ以前もしくはこのコラム発表以前にこのメソッドがなかったと主張するものではありません。

25年ぐらい前の話なので記憶があいまいなのですが、この計算方法を思いついた頃に小学校の恩師のところに遊びにいく機会があり、そこで先生に説明して「学校で教えたらどうですか」と聞いたところ、「便利かもしれないが、途中に出てくる数字の意味があいまいになるしねー」という評価をいただいた覚えがあります(恩師のところに行ったのが中学一年生の時だけだったのでそう表記させていただきました)。子ども心に出版物への投稿などを夢見ていましたが、実行するあてもなく40歳近くになってしまいました。今日blogという手段を得て実現したこの反響は、当時の夢そのものだと感激しています。

当然25年ぶりの発表であるために、すでにこのような事例があるかもしれないとは感じていました。しかしネット上で事例を調べ、類似のものがないと思われたため、過去の経験をこのような形で発表しました。しかし参考書や学校教育の現場を調べたわけではありませんので、もしかしたらすでに一般化されている可能性を否定するものでは一切ありません。


●計算が苦手な方のためのメソッドであり、誰にでもこれがよいなどと主張している事実は一切ありません。

このコラムは筆算が苦手または遅い人のため、繰り上がりと九九を「同じ大きさの文字で」そろえて足し算しやすくするという、ちょっとした「工夫」を言っているだけです。しかし反響を見るとそのような方にとっては画期的なものだと確信しています。こんなまどろっこしいことしなくても普通に筆算が速い人や、暗算の達人にお勧めするなどめっそうもないことです。

このサイトはもともと就職活動に悩む学生のために毎日細々とアドバイスを書いているものであり、悩める学生のやる気を起こさせるために多少誇張したトーンで書いたことは事実です。誤解や誤読は筆者側の責任であると痛感しています。なにとぞご容赦いただければと思います。

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2005.04.20

内定前健康診断の「傷害罪」的考察。

2005年4月19日、東京労働局職業安定部職業安定課人権啓発担当の方に直接連絡をし、内定前の健康診断問題について話をしたところ、以下の見解をいただきました。

●労働安全管理規則第43条「雇入時の健康診断」は、採用が決定しているものを対象としているものであり、採用が決まっていない人を対象とするものではない。
●内定通知前にそのようなことが実施されているとすれば、実施している会社を教えてもらえれば是正の指導をする。

私は失礼ながら「それは行政としての見解ですよね」と確認し「そのとおりです」と答えていただいています。さらに「では何を根拠に健康診断を実施しているんでしょうね」と聞くと「さあ…。人権上も問題ですよね。」とおっしゃっていました。これで企業が内定前の学生に健康診断をすることには法律的な根拠が何もないことがはっきりしました。

そこで一つ新たな疑念が浮かびました。本来人の体に針を刺すのは傷害罪に該当するものですが、医療上の行為に限って罪を免れます。しかし法律の根拠のない依頼に基づいて医療機関が人に針を刺し、体にエックス線を照射することは、医療上の行為として傷害罪を免れることができるのでしょうか

例えば人の髪を切ることも本人の同意がなければ傷害罪に相当する行為です。内定前に健康診断を強いるのは、いわば髪を短くすると校則で決まっている学校の入試で、合否を出す前に学校が床屋を指定して受験者に髪を切らせることと同じです。どのような理由があれ落選者という当事者から見れば圧倒的に立場の強いものの横暴と断じざるを得ません。

医療機関は会社の説明に基づき受託しているだけです。検査対象が43条の対象外の学生であることを知っていたら、受託できるはずがありません。したがって学生に針を刺す行為はもっぱら会社に責任があると言えます。「その時点では知られる必要のない」個人情報を取得されるために、無駄に針を刺され無駄にエックス線を浴び、結果も不採用だったときの肉体的精神的ダメージは確実に立証できるはずです。女性であればエックス線を受ける前に妊娠している可能性の質問にも答えなければいけません。証拠も揃えやすく、法律家にとって興味ある案件なのではないでしょうか。

しかし私は法律家ではありません。私のこの問題への結論は1つです。「健康診断した人を全員採用すること」、これで何ら問題はありません。

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2005.04.19

「内定」と「内々定」の違い。

新卒採用の過程で「内定」と「内々定」という言葉が使われます。法的にどんな違いがあるのか、内定の取消しはどんな場合に可能なのか。神奈川県商工労働部労政福祉課の労働問題対処ノウハウ集からの抜粋を紹介します。

一般に新卒の採用は、企業の募集案内(誘引)→学生の応募(労働契約締結の申込み)→試験・面接→採用内定の通知(申込みに対する承諾)→労働契約(解雇権留保付の就労始期付労働契約)の成立、という経過をたどります。契約成立の時期と履行(就労開始)の時期の間に数ヵ月またはそれ以上の期間があるために慣習的に「内定」という言葉が用いられています。内定は採用内定通知書の交付と入社同意書または誓約書の提出という形で文書化されるのがふつうです。

企業が内定を取消すことは労働契約の解約すなわち解雇となります。企業には労働基準法20条の解雇予告(30日以上前の予告または30日分以上の平均賃金に相当する解雇予告手当の支払い)の義務があるほか、内定者を不適格などとする客観的で合理的な事由がなければ解雇そのものが解雇権の濫用と解され無効とされます。

これに対して正式な内定通知に先立って「内定と理解して(考えて)もらってよい」「採用の予約をさせてほしい」などと遠回しな表現で採用の内意を口頭で伝える場合があります。これは「内々定」と呼ばれ、正式な採用内定手続きが後日行われることの通知であるといわれます。法的性質については議論があり、内々定はまだ承諾の意思表示であるということはできず、労働契約が成立しているとは解せないという意見もあります。そうなると内々定の取消しは労働契約の解約でなくなり、法的効力において内定と大きな違いがあることになります。

内定の取消しは、その事由が内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような合理的事由があると認められ、かつ、社会通念上相当とされるものであれば可能とされます。たとえば次のような事由が考えられます。

①学生側の事由によるもの
・単位不足などにより学校を卒業できなかった場合
・所定の免許・資格が取得できなかった場合
・心身の病気その他の理由により勤務できないことが明らかな場合
・履歴書の記載内容や面接時の発言内容に虚偽があり、採用内定通知までにそのことを知ることができない理由があり、その内容が採否判断の重要な要素である場合
・採用に差し支える犯罪行為(破廉恥罪など)があった場合
②会社側の事由によるもの
・企業に新規採用を不可能とするような予測不能な経営事情が発生した場合(経営不振を事由とする場合は、「整理解雇の4要件」に照らして解雇が有効かどうかが判断されることになります。)


●内定取消・内定辞退のときのチェックポイント
・現在すでに内定になっているか、内々定の段階か。
・取消事由はどんな内容か。
・内定通知書や入社誓約書等に記載されている取消事由はどうなっいるか。
・内定を辞退する場合の予告期間はどのように定められているか。

●内定期間中の研修に関するチェックポイント
・提出済みの入社誓約書等にその研修に参加することが明示されていたか。
・記載されていない場合、その研修は職務に関係のある内容か。
・卒業試験や卒業論文などの学業に支障をきたさないか。

●採用延期になった場合のチェックポイント
・就労予定日、延期事由、給与の取扱いはどうなるか。

顧問社会保険労務士の先生にお聞きしたところ、内定取消が不当と思われる場合は、

①まず企業の住所地を管轄するハローワークに相談する
②解雇ルールに反するような労基法違反の可能性があると思われる場合は労基署に相談する


というのが順当な対応策です。

ただし、①については、内定が10月1日の就職協定日前に出されたものであるかどうか、その企業の求人をハローワークが受理していたかどうかで、対応のし方が異なるようです。たとえば神奈川県では大学新卒には就職協定が適用される以上、協定日前には内定そのものが存在しえない、したがって取消問題があっても関与しない(関与したくない)ということのようです。

いずれにせよ内定は必ず文書でもらうことが肝腎で、文書が届くまでは内々定にすぎない、というくらいに考えた方が無難なようです。

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2005.04.17

人気企業採用試験の待ち時間。

人気企業である広告代理店A社の1次面談を受けた学生から、以下のような報告メールが来ました。

これからA社を受けられる方には、是非「ビビるな」とお伝えください。
待ち時間に他の人の面接の様子が聞こえました。明らかに緊張してしまい、慣れない固い話題を自ら持ち出してしまうのが、恐らく最悪のパターンでしょう。
あれもこれも、と気を付けると混乱します。

受験者が多く、長い待ち時間に私語をする学生も多いです。
中には、「コネとか多いんだろ」、「俺の知り合いのA社の人は…」などのお喋りが聞こえます。そういった話に耳を傾けることを情報収集と間違えてはなりません。
長い間準備をしてきた瞬間を、他人のお喋りで邪魔されるのでは悲しすぎます。

関西の学生の方からの報告でしたが、その場にいた他の学生とも話したところほぼ同じことがあったと言っていましたので、相当顰蹙な学生がいたのでしょう。

待ち時間はどう過ごしたらいいか、人それぞれだと思います。しかし上記報告をいただいた学生のリアリティあふれる表現を見ると、様々なレベルや志望度の学生が混在する人気企業の1次試験では、その場が終わるまでは自分を信じてじっとしている方がいいのではと思いました。いろいろ話すことを準備していても、直前の脱線した会話ですっかり忘れてしまったりぶれたりするということは普通にありえることです。

隣の学生と話をするのなら、少なくともそのフィルターを通過した次の面接段階からがよいでしょう。すでに試験の場に来てまで風説を語るような顰蹙学生は消えているはずですし。

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2005.04.16

健康診断する病院で、自分の内々定を確認してください。

2日間連続で発表している「採用過程での健康診断問題」ですが、診断を実施する医師や医療機関側に問題はないのでしょうか。

健康診断は労働安全管理規則にあるとおり会社が責任をもって行うことですから、その費用は全額会社が負担します。したがって病院は会社との間で目的をはっきりさせた上で契約し、受験者の健康診断を受託します。少なくとも採血したりレントゲン写真をとったりすることは「医療行為」には違いありません。健康診断というデリケートな行為を第三者との契約で行うことは極めて例外的なことです。病院にとってはそれが適法な依頼であり、目的外使用がないことを慎重に確認して請け負っているはずです。

医師が会社からの依頼で健康管理する対象は、労働安全管理規則に則り会社と本人が就業を合意している人(従業員および従業員になることが内定(内々定)している人)に限ります。会社も内定を出しておらず、学生も内定承諾書に押印していない中での健康診断は、医師として明らかに排除すべき行為です。

労働安全管理規則の条項には直接的な会社への罰則規定がないため、「やっちゃえやっちゃえ、学生は文句言わないだろう」という会社があっても不思議ではありません。しかし医師は同意しない人への医療行為は明確に禁じられており、違反すれば医師法上の罰則があるはずです。通常のインフォームドコンセントと同様、医師には健康診断する理由の説明と本人の同意の確認の義務があると考えます。血液型を実際に調べないで輸血することはないように、少なくとも内定承諾書の署名捺印を確認してから医療行為を行うべきです。

会社の中に健康診断設備があるところは稀ですので、たいていは外部のクリニックにいくことになります。いずれにせよ医師や看護士は職業柄余計なことを会社には伝えませんので、安心して医師や看護士または病院に直接「健康診断してるってことはすでに私は内々定ってことですよね。健康だったら採用するってことですよね。」と確認してみてください

きっと「そうだと聞いてますよ」と言ってくれる「はず」です。

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2005.04.15

採用時の健康診断と、個人情報保護法。

いくつかの会社で最終選考の局面となってきました。残っている学生の健闘を心より願っています。

過去「健康診断するということは、内定したということ。」というコラムでその問題点を指摘してきました。しかしいまだに選考の途中段階で健康診断を実施する会社が存在するようです。

「内定」とは「解約権留保付労働契約」のことであり、特別な事情がない限り採用を約束するものです(この意味で「内々定」という言葉と事実上同義です)。この「特別の事情」に「健康上の理由」が含まれます。そのままでは明らかに就労に耐えることのできない容態であり、その後の治療の甲斐も見られないような時は、使用者としての安全配慮義務が果たせない恐れがあります。このような場合は採用を取り消すことは問題ありません。特に広告業界は激務ですので、個人的な意見からも就職せずにまず体を治すことが第一だと思います。

しかし健康診断の結果というものは、究極の個人情報です。2005年4月1日に全面施行された個人情報保護法の定めでは、個人情報の収集においては目的をはっきり明示させなければいけません。以下条文を転載します。

個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号) 第四章 個人情報取扱事業者の義務等 第一節 個人情報取扱事業者の義務

 (利用目的の特定)
第十五条 個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定しなければならない。
2 個人情報取扱事業者は、利用目的を変更する場合には、変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲を超えて行ってはならない。

 (利用目的による制限)
第十六条 個人情報取扱事業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで、前条の規定により特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて、個人情報を取り扱ってはならない。
(中略)

 (取得に際しての利用目的の通知等)
第十八条 個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。
(後略)

労働安全衛生規則第四十三条の定めにより、就業させるのであれば健康診断を受診させ業務に耐えられるか確かめなければいけません。したがって健康診断をする目的を「内定(内々定でも同じ)を前提に行う」とはっきり説明されていれば全く問題ありません。しかし選考課程途中にある健康診断は、昨年までの例ではその情報の取得目的が極めて不明瞭なものがほとんどでした。

健康診断を選考の材料にすることは上記コラムでも述べたように就職差別の原因になりえると厚生労働省が認めています。個人情報保護法のポリシーはコンプライアンス(法令遵守)活動の証として一般に公開し、収集する対象に説明するものですので、その目的が行政通達に反するものであるはずがありません。

この度面接と健康診断を同じ週に行う会社があるようですが、実際に会社が学生へどのように説明するか注目しています。個人情報保護法施行直後ということもあり、きっと健康診断の前に「選考の結果、内定(内々定)を出します。このため健康診断を受けてもらいます」という説明があるはずです。

面倒なことにならないためにも、体調を整えて健康診断に臨みましょうね。

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2005.04.14

健康診断するということは、内定したということ。

2003年6月24日、2年近く前に発表したコラムの再掲載です。



会社が選考の時に実施する健康診断について、色々調べたところ、「健康診断するということは、内定したということ。」という結論に至りました。

(1)採用時に健康診断をする根拠

新卒採用に限らず、企業が雇用する際の健康診断の実施根拠は、以下の「労働安全衛生規則」にあります。

労働安全衛生規則(昭和四十七年九月三十日労働省令第三十二号)
第四十三条(雇入時の健康診断)
 事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。ただし、医師による健康診断を受けた後、三月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。
  • 既往歴及び業務歴の調査

  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

  • 身長、体重、視力及び聴力(千ヘルツ及び四千ヘルツの音に係る聴力をいう。次条第一項第三号において同じ。)の検査

  • 胸部エックス線検査

  • 血圧の測定

  • 血色素量及び赤血球数の検査(次条第一項第六号において「貧血検査」という。)

  • 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査(次条第一項第七号において「肝機能検査」という。)

  • 血清総コレステロール、高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライドの量の検査(次条第一項第八号において「血中脂質検査」という。)

  • 血糖検査

  • 尿中の糖及び蛋白の有無の検査(次条第一項第十号において「尿検査」という。)

  • 心電図検査


  • (2)規則の濫用、曲解に対する労働省の事務連絡

    しかし、この規則を根拠に、「健康診断の結果で採用判断をする」という企業が続出したため、平成5年に以下の労働省連絡が各都道府県職安課長に通達されました。(以下強調文字は筆者によるもの。)

    ●「採用選考時の健康診断について」
    平成5年5月10日付け事務連絡
    労働省職業安定局業務調整課長補佐及び雇用促進室長補佐から各都道府県職業安定主管課長あて

     近年、新規学校卒業者の採用選考時に、事業主が労働安全衛生規則第43条(雇入時の健康診断)を根拠としていわゆる「血液検査」等の健康診断を一律に実施し、公正な採用選考の観点から問題となっている事例が見受けられるところである。

     しかしながら、同規則は採用選考時の健康診断について規定したものではなく、また、「雇入時の健康診断」は、常時使用する労働者を雇入れた際における適性配置、入職後の健康管理に資するための健康診断であることから、採用選考時に同規則を根拠として採用可否決定のための健康診断を実施することは適切さを欠くものである。

     また、健康診断の必要性を慎重に検討することなく、採用選考時に健康診断を実施することは、応募者の適性と能力を判断する上で必要のない事項を把握する可能性があり、結果として、就職差別につながるおそれがあるところである。

     このため、採用選考時の健康診断の実施については、従来より必要に応じて指導を行ってきたところであるが、今般、労働基準局安全衛生部労働衛生課長から各都道府県労働基準局労働衛生主務課長に対し「雇入時の健康診断」の趣旨の徹底について別紙のとおり通知した旨連絡があったので、各都道府県においても、下記の文例を新規学校卒業者向けの求人説明会の配付資料に盛り込む等、事業主に対して「雇入時の健康診断」の趣旨を十分徹底し、応募者の適性と能力のみに基づく公正な採用選考を行うよう指導されたい。

    近年、新規学校卒業者の採用選考時に、労働安全衛生規則第43条に「雇入時の健康診断」が規定されていることを理由に、いわゆる「血液検査」等の健康診断を一律に実施している事例が見受けられます。

     しかし、この「雇入時の健康診断」は、常時使用する労働者を雇入れた際における適性配置、入職後の健康管理に役立てるために実施するものであって、採用選考時に実施することを義務づけたものではなく、また、応募者の採否を決定するために実施するものでもありません。

     また、健康診断の必要性を慎重に検討することなく、採用選考時に健康診断を実施することは、応募者の適性と能力を判断する上で必要のない事項を把握する可能性があり、結果として、就職差別につながるおそれがあります。

     したがって、採用選考時にいわゆる「血液検査」等の健康診断を実施する場合には、健康診断が応募者の適性と能力を判断する上で真に必要かどうか慎重に検討していただきますようお願いします。

    要するに、「健康診断はあくまで採用後の適性配置・健康管理のためにするものであり、採用決定のために実施するものではない。結果として就職差別につながる恐れがあるので、血液検査を採用時に実施するときには慎重にしてほしい。」という見解を、労働省(当時)が出したということです。いいかえれば、内定を出した後に、従業員に実施する健康診断と同様の位置づけで実施しろということになります。

    その後も、官公庁、警察、企業が肝炎やHIV感染者を採用差別するといった社会問題が起こり、再度、以下のような連絡が通達されています。


    ●「採用選考時の健康診断に係る留意事項について」
     平成13年4月24日付け事務連絡
    厚生労働省職業安定局雇用開発課長補佐から都道府県労働局職業安定主務課長あて

     標記については、平成5年5月10日付け事務連絡「採用選考時の健康診断について」により、公正な採用選考を確立する観点から、普段より各種啓発資料を活用するなど、雇用主に対する啓発・指導を行っているところである。

     今般、別添、健康局総務課長、疾病対策課長、結核感染症課長連名通知「当面のウイルス肝炎対策に係る体制の充実・整備等について」により、「C型肝炎ウイルス等の持続感染者に対する差別は、偏見を基礎にしたものであり、地域や職場においてこれらの偏見を排するよう、正しい知識の普及・周知徹底を図る必要がある」旨述べられている。

     ついては、職業安定機関においても当該通知等にも留意しつつ、今後とも、採用選考時の健康診断については、職務内容との関連においてその必要性を慎重に検討することなく実施することは、結果として就職差別につながるおそれがあり、採用選考時にいわゆる「血液検査」等の健康診断を実施する場合には、健康診断が応募者の適性と能力を判断する上で真に必要かどうか慎重に検討するよう雇用主に対する啓発・指導に取り組まれたい。(以下略)

    この事務連絡では、特に様々な症状がわかる「血液検査」を選考時に実施することには十分慎重になるべきだという方針が見られます。特に先の労働安全衛生規則第四十三条では、血液検査する項目を限定していますので、それ以外の検査を実施することの牽制になっているともいえます。

    (3)血液検査を実施するなら、その前に内定を出すべき。

    この経緯を見ても、血液検査を実施するなら、企業はその前に内定を出すべきという結論が分かります。なぜなら、採用時の健康診断は、雇い入れを前提に実施するものであり、選考のために実施するものではないからです。

    当然企業も、何らかの疾病が見つかった場合には、「採用を前提に」入社までに治療するよう指導します。それでも入社までに一切の業務に就けないほどの病状であれば内定取消の可能性はありますが、そうでなければ内定取消することはできません。

    したがって、学生の皆様は、本来「健康診断を実施する=内定した」と考えて結構だと思います。実際、ほとんどの企業がこのような扱いにしています(上記根拠を会社が熟知しているかは別ですが。)

    仮に内定告知前に健康診断をする旨言われた場合、「それは、内定をいただいたという理解でいいですよね。」と確認してみてください。

    先のコラム(「血まで抜かれて、不合格」~内定以前の健康診断への疑問~)でコメントした企業に間接的にヒアリングしたところ、今回の当落については健康診断の結果を反映したものではないが、来年から選考過程中に健康診断を実施するのは止めるという回答をもらっています。今年の「痛い」注射を広告労協が知ることで、来年以降同様の痛い目を出さないようにできたことは大きな成果だと考えます。

    就職活動生の立場は圧倒的に弱いものですが、法律は本来会社に厳しくできています。困ったこと、疑問点があったら、小さいことでも広告労協に報告してください。みなさんの声が、会社をむしろ「よく」していくのです。

    参考文献 全国IDDMネットワークホームページ「採用選考時の健康診断」
    http://www5.ocn.ne.jp/~i-net/20021130kenkousindan.html

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    2005.04.13

    労協FAQ:最近まで広告労協のことを知りませんでした。もっと「広告」してください。

    A:あなたはもしかして「広告」と「広報」の違いが分かっていないかもしれません。

    広告労協の活動は極めて少数のスタッフが全員ボランティアで運営しているため、おのずと規模には限界があります。唯一収入のある東京・京都でのフォーラム(公共施設で開催)は盛況ですが収支は赤字です。これ以上大きい会場での実施はリスクが大きく、とても検討することはできません。

    これ以上の収入がない以上、「広告」費用をペイする方法はありません。あなたに届くためにテレビ広告や少年ジャンプの裏表紙に出せといっても無理な相談です。また新聞に小さく出したとしても、あなたは新聞を読んでくれているのでしょうか。

    結局現状ではインターネット上の「広報」活動に限られています。しかしこちらはすでに十分に対策済みだと考えています。このあたりは「まず、ぐぐる。」をご覧ください。

    きついようですが、あなたは広告労協のことを知らなかったのではなく、広告業界のことを知ろうとしなかったのかもしれませんよ。

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    2005.04.11

    交通広告業界の「知恵」。

    学生の交通広告関連の代理店への注目が大きいのは驚かされます。小さい頃からテレビをみていればサッカーや野球に興味をもつように、普段から交通機関を利用すれば交通広告に興味をもつのも自然なことでしょう。

    交通広告的就職フォーラム論でも述べたとおり、交通広告は複雑な取引構造になっています。JR東日本の取扱いがオープン化された後業界地図がどのようになったのか関東交通広告協会のサイトで調べたところ、協会加盟代理店の取扱路線がきれいなデータになっていましたので、代理店と取扱路線のクロス集計をかけてファイルにまとめてみました。

    このファイルが示すとおり、今も残る取扱路線の「歯抜け」状態が交通広告の構造そのものであると言えます。中づり・駅ばりなど交通広告老舗のオリコムや電通・東急エージェンシー、交通看板をベースに業界大手になったNKBを除けば、交通広告中心と言われる代理店でもすべてを自社で手配することはできないということになります。また博報堂MPやADKといった大手代理店もJR以外は他の交通広告代理店に発注することになります(ある外資代理店は交通広告のバイイングをジェイ・アイ・シーに業務委託してます)。

    このように、総合代理店と交通広告代理店のリレーション、および交通広告代理店間のリレーションがこの分野の特徴だと言えます。変わった業界と思うかもしれませんが、私は業界の「知恵」なのではと考えています。

    交通広告とはもともと沿線に広告主がいるローカル媒体であり、注目されている現在で本質はそこにあります。電鉄と直接取引のある代理店は、中づりや駅ばりといった目立つポスター媒体だけでなく、看板や車内まど上広告のようなローカル対応も求められます。媒体側の立場が極めて強い業界ですので、おいしい媒体だけを必要なだけ買うといった都合のよいことは困難です。

    交通広告に強いといわれる代理店は決して規模は大きくありませんが、普段より電鉄をケアし取引実績と人間関係を構築することでそれぞれの地位を確立しています。しかし会社の規模が小さいために無理して他の路線に業務を拡大することなくお互いを補完できる代理店同士が協力関係を築いてきました。その「知恵」により、自社営業でも横断的な出稿を提案でき、大手代理店も頼ってくる専門代理店群が出来あがったと言えるでしょう。

    交通広告代理店のコアバリューは、取扱メディアへの交渉力とアライアンス(提携)による提案力です。代理店を横断的に研究すると面白いでしょう。]

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    2005.04.10

    労協FAQ:広告労協加盟の組合のある会社しかフォローしないのですか。

    A:そんなことは全くありません。

    そもそもこの活動は特定の労組(会社)への利益誘導ではありません。学生本位でできるかぎりの協力をするのがこの活動の趣旨です。広告業界では労働組合のある会社の方が少ないといえます。広告労協の活動が一定の評価を受けているのも、このリベラル性があるからだと思っています。今では企業の方から採用情報を提供いただくケースも増えてきました。

    労協加盟労組のある会社については相談しやすいのも事実です。しかし組合のあるなしにかかわらず、広告を好きな学生の方が広告労協の活動に触れていろんな会社で活躍するようになっていけば、さらにフォローの幅を広げることができます。

    その輪の広がり方が、今後の活動の成否・継続を決めることになるかも知れません。

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    2005.04.09

    地方広告代理店・支社情報。

    就職フォーラム本サイトの中面デザインリニューアルのついでに、過去の就職課掲示板フレッシュアイ時代のログを参照しやすくしてみました。これによってリンクが切れていた書き込みも復活させることができました。

    特に2002年10月に広告労協Fさんが書いた「地方別広告代理店一覧 」は、今となっては数字は古いものですが、その地方にどのような地場代理店・支社があるかをまとめた貴重なものです。

    中には会社合併(電通東北→電通東日本と合併)や産業再生法申請(北海道パブリックセンター)の会社など、3年の歴史を感じさせるデータもあります。数字など最新情報にアップデートしませんか?>広告労協Fさん

    以下リスト部分を転載します。

    関西地区(売上げは2000年当時)

    1位電通関西支社2314億円(新聞雑誌358億、電波1414億、SPその他542億)
    2位博報堂関西支社679億円(新聞雑誌108億、電波368億、SPその他203億)
    3位大広636億円(新聞雑誌278億、電波166億、SPその他192億)http://www.daiko.co.jp/
    4位電通西日本260億円(新聞雑誌53億、電波110億、SPその他87億)*HPなし
    4位ADK大阪支社248億円(新聞雑誌28億、電波192億、SPその他28億)
    5位JR西日本コミュニケーションズ211億円(新聞雑誌10億、電波24億、SPその他177億)http://www.jcomm.co.jp/
    6位新通204億円(新聞雑誌164億、電波35億、SPその他5億)http://www.shintsu.co.jp/
    7位日経広告(大阪)190億円(新聞雑誌150億、電波17億、SPその他23億)http://www.nikkeiad.co.jp/
    →東京の日経社、日経広告社(ADEX)とはまた別の日経系列の会社です。
    8位I&S/BBDO関西支社174億円(新聞雑誌31億、電波101億、SPその他42億)http://www.isbbdo.co.jp/
    9位エーティエー(大阪)167億円*SPその他中心http://www.ata.co.jp/
    10位メディアート(大阪)133億円(新聞雑誌4億、電波3億、SPその他126億)http://www.mediart-net.co.jp/
    11位大阪読売広告社126億円(新聞雑誌36億、電波26億、SPその他64億)http://www.osaka-yomiko.co.jp/
    12位朝日広告社大阪支社120億円(新聞雑誌44億、電波32億、SPその他44億)http://www.asakonet.co.jp
    13位アド電通大阪116億円(新聞雑誌17億、電波55億、SPその他44億)http://www.addentsu-osaka.co.jp/
    14位読売連合広告社115億円(新聞雑誌68億、電波24億、SPその他23億)http://www.yomiren.co.jp
    15位伸和エージェンシー(大阪)100億円*HPなし

    以下
    東急エージェンシー関西支社
    読売広告社大阪支社http://www.yomiko.co.jp/
    トーヨーアド(大阪)83億円www.30com.co.jp/
    サンケイ広告社(大阪)81億円*HPなし
    ベストプロジェクト(大阪)45億円*HPなし
    現代広告社(大阪)40億円http://www.gendaiad.co.jp/
    リード(大阪)39億円http://www.lead-ad.co.jp/
    大毎広告(大阪)38億円http://www.daimai.com/
    大阪オリコミ36億円http://www.osakaorikomi.co.jp/
    協同広告大阪支社http://www.kyodo-ad.co.jp
    廣告社大阪支社http://www.kokokusha.co.jp/
    ライズ広告社 など


    北海道地区(売上げは2000年当時)

    1位:電通北海道(札幌)162億円
    2位:道新サービスセンター(札幌)148億円
    3位:パブリックセンター(札幌)122億円 2004年11月29日民事再生法申請
    4位:ノヴェロ(札幌)67億円
    5位:北日本広告社(釧路)57億円
    6位:ピーアールセンター(札幌)

    他に新生広告社、弘報社、アドビューロー岩泉など

    <参考:各社北海道支社の売上高>
    1位:東急AG北海道支社50億円台
    2位:博報堂札幌支社40億円台
    3位:ADK北海道支社20億円台
    4位:読売広告社札幌支社
    5位:日本経済社札幌支社
    6位:大広北海道支局
    7位:I&S/BBDO札幌支店など


    九州地区(売上げは2000年当時)

    ■電通九州
    売上高:136億円*2000年1-12月
    テレビ23.5%、新聞30.8%、雑誌1.3%、ラジオ5.1%、SPその他39.3%
    主なクライアント:九州電力、サニックス、NTT、九州電話、Jフォン九州、雲海酒造、三洋信販、西部ガス、岩田屋、西日本銀行、博多大丸、コカコーラウエストジャパンなど
    http://www.dentsu-kyu.co.jp

    ■西広
    売上高:136億円*2000年1-12月
    テレビ23.5%、新聞30.8%、雑誌1.3%、ラジオ5.1%、SPその他39.3%
    主なクライアント:
    岩田屋、NTTドコモ、大口酒造、鹿児島三越、キャナルシティ、九州電力、九州乳業、九州郵便局、九電工、トリアス久山、十八銀行、JR九州、JR西日本、しんわ、鶴屋、博多大丸、福岡競艇、浜屋、福岡県、福岡地所、もち吉、UIP、ユニマット、リベール会、ルマックスなど
    http://www.nishiko.co.jp/

    ■西鉄エージェンシー
    売上高:94億円*2000年度
    主なクライアント:西日本鉄道、西鉄グループ各社、福岡県、福岡三越、岩田屋、井筒屋、福岡銀行、西日本銀行、福岡シティ銀行、KDDI、ファミリーマート、ビックカメラなど
    http://www.nag.co.jp/saiyou/index.html

    ■朝日広告社(北九州市)
    売上高:48億円
    新聞65%、電波10%、SP25%

    ■西部読連(北九州市)*読売新聞系
    売上高:62億円*2000年度
    主なクライアント:
    第一交通産業、アプライド、武田メガネ、積水ハウス、住友林業、大和ハウス、ウベハウス、大丸、ベルコ、JR九州、オービックなど
    http://www.seibuyomiren.co.jp

    ■西日本新聞広告社(福岡市)*西日本新聞グループ
    売上高:41億円
    新聞70%、その他30%

    ■JR九州エージェンシー(福岡市)
    売上高:43億円*1999年度
    http://www.jrkyu-ag.co.jp/profile/profile.html

    ■アド通信社西部本社(北九州市)
    売上高:31億円
    主なクライアント:北九州市、福岡市、日本信販、聖心美容外科、ベスト電器、ニチイ学館など
    http://www.adtsu.co.jp

    ■毎日メディアサービス(小倉市)*毎日新聞系
    売上高:119億円*2000年度
    折込広告85%、物品販売10%、旅行業2%
    主なクライアント:ウエスト、エクセル、ミスターマックス、
    岩田屋、井筒屋、ECC外語学院、三洋信販など
    http://www.m-media.co.jp

    ■アドパスカル(福岡市)*広告制作会社
    http://www.ad-pascal.co.jp

    仙台・秋田地区


    1.電通→○電通東日本仙台支社。秋田はなし
    2.博報堂→○秋田博報堂。博報堂自身は仙台支社有り。
    3.ADK→○現地の「アド東北」と業務提携。ADK自身は仙台、盛岡に支社有。
    4.東急AG→秋田支店なし。仙台支社もなし。
    5.大広→秋田支店なし。仙台支局有り。
    6.読売広告社→秋田支店なし。仙台支社有り。
    7.I&S/BBDO→秋田支店なし。仙台支社もなし。
    8.JR東日本企画→○秋田支店、盛岡支店、仙台支店有り。
    9.マッキャンエリクソン→秋田支店なし。元々大阪以外の支社なし。
    10.朝日広告社→○別会社化した朝広東日本・秋田支社
    11.日本経済社→秋田支店なし。仙台支社もなし。
    12.創芸→秋田支店なし。仙台支社有り。
    19.中央宣興→秋田支店なし。仙台営業所有り。
    20.協同広告→仙台支社有り。
    (以下仙台支社がある会社を抽出。21位以下は全社で秋田支店はありません)
    22.JIC→仙台支店有り。
    24.新通→仙台営業所有り。
    33.NKB→仙台支社有り。
    34.国連社→仙台支社有り。
    39.廣告社→仙台支店有り。
    24.新通→仙台営業所有り。
    42.明通→仙台支社有り。
    43.名鉄エージェンシー→仙台支店有り。
    47.新東通信→仙台営業所有り。

    静岡地区(売上げは1998年当時)


    1位電通東日本静岡支社50億円---NTTドコモなど
    2位エイエイピー43億円*イベント会社として発足したが現在は総合広告代理店
    3位SBSプロモーション41億円*イベント会社として発足したが現在は総合広告代理店
    4位ピーエーシー34億円*JAグループなど地元密着型の営業スタイルが得意
    5位三晃社静岡支社29億円
    6位博報堂静岡支社28億円
    7位コスタ15億円---ヤマハ発動機、セキスイハイム東海など
    10億円台→大和企画社、富士企画
    5億円程度→沼広、アドコウ、静岡広告、相互広告、ダン、
    中部エージェンシー、大日広告、ビッグ、富士コミュニケーションズ、
    旭ビジョン、アスコなど

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    2005.04.08

    労協FAQ:なぜ博報堂のパネリストがいないのですか。

    A:広告会社のパネリストは労協加盟労組から派遣に限定しています。

    そもそもこのボランティアの主体は広告労協です。したがってパネリストなどのキャスティングは基本的に広告労協から加盟労組に依頼して人選してもらっています。

    PRや新聞社事業局などもともと広告労協の加盟労組にない機能については特別講演としてご招待していますが、新聞社の場合には友好団体である新聞労連を通じるなど、そもそもの趣旨である「労働組合の横のつながり」を重視して依頼しています。

    博報堂からのパネリストを要望する声はとても多く寄せられます。広告労協では以前から博報堂従業員組合に加入のお願いをしていますので、加入された後にはすぐにでも派遣いただけると思います。

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    2005.04.07

    東海・九州地区の広告事情、特に私鉄ハウスエージェンシーについて。

    2002年10月1日に発表した「就職フォーラム的交通広告論」が思いのほか評判となり、気をよくしてもう一本10月4日に発表したのがこのコラムです。



    広告代理店を志望する上で、電鉄のハウスエージェンシーを研究し受験する学生さんは非常に多いです。しかし、東京と地方、特に東海・九州地区での事情は大きく違います。2003年度では名鉄エージェンシーへのワンポイントアドバイスとして応募者のみに送付したものですが、本邦初公開します。

    <地方でも、「総合広告代理店」>

    国際的な広告会社では、海外と日本の関係をOUT/INで呼ぶことがあります。

    IN/IN :国内企業の国内展開
    IN/OUT :国内企業の海外展開
    OUT/IN :海外企業の国内展開
    OUT/OUT:海外企業の海外展開

    これにあてはめれば、地方の広告代理店は

    IN/IN=地場企業の地場市場における展開

    が基本的なビジネスドメインといえます。

    東海や九州のように、一定規模の広告主と市場を同時にもっている地方では、地場の代理店も総合的な広告提案活動ができます。

    東海地区には三晃社・新東通信、九州地区には電通九州、西広などがあります。特に、地元の有力私鉄から設立されたハウスエージェンシー(名鉄エージェンシー、西鉄エージェンシー)は、東京の小田急、京王、相鉄などのエージェンシーと比べ、大手広告代理店の支社とも競合しうる総合力を持っています。地元自治体の広告展開のように、地元に本店がある会社を優先に指名しなければいけない事情がある場合は、大手広告代理店を除いた地場代理店間での競合となることもあるようです。なお、電通九州は本店が福岡にある完全な地場代理店です。

    取り扱うメディアは、ブロック3紙(中日新聞、西日本新聞、これに北海道の北海道新聞を加えた3紙)といわれる有力地方紙であったり、自社番組も多く制作しているテレビ局・ラジオ局が中心となります。これに加えて、交通広告が有力な媒体となります。また、一般のマスメディアを扱うこともあり、クリエーティブも地場代理店の重要なファクターとなっています。もちろんクリエーティブに割ける予算は東京に比べて1ケタも2ケタも違いますが、特徴のあるローカルCMや新聞広告などを制作し、各種広告賞などを受賞することもあります。

    いいかえれば、規模の大小はありますが、東京の中小広告代理店よりもむしろ総合広告代理店的なバランスのある会社ともいえます。

    <広告主について>

    IN/INでの有力な広告主群はだいたいどこの地方も同じであり、

    公共  :官公庁、自治体、電力、ガス、交通機関、公営ギャンブル
    金融  :銀行、消費者金融
    通信 :携帯、地元ISP
    流通  :百貨店、スーパー、ショッピングセンター、不動産
    観光 :テーマパーク、遊園地、観光地、ホテル、結婚式場
    レジャー:パチンコ、スポーツクラブ
    メーカー:自動車ディーラー、飲料(ボトラーズなど)、住宅、地元物産
    学校  :大学、専門学校、予備校、英会話学校

    といったジャンルが挙げられます。

    これらの広告主群を見ていけば、地場代理店の中でも私鉄ハウスエージェンシーは、電鉄本体はもちろんのこと、グループの百貨店・流通・レジャー・観光・不動産などへの直接的な有利さがあり、また自動車ディーラーや飲料、地元物産なども、電鉄グループがらみの取引が多い業種なので、間接的な有利さがあると思われます。

    <東京の私鉄エージェンシーとの違い>

    東京・関東の私鉄エージェンシーも同様の取引先を持ちえるわけですが、東海・九州の私鉄エージェンシーや地場代理店と違う点は、地元メディアのカバーする範囲とその金額の効率が違うということです。

    すなわち、東京・関東というマーケットはとても広く、またナショナル広告主とメディアのマーケットが重なるため、費用が膨大になり、かつ沿線近辺に絞ることが困難なので効率が悪くなります。これに対して東海・九州(福岡)というマーケットは、電波メディアや新聞メディアのカバーする範囲にちょうど入っており、その費用も適当な規模と効率になっています。

    したがって、地元広告主をしっかりもっている地場代理店は、マス媒体に関しても大手代理店支社にも対抗することもあります。これに対して、東京・関東の私鉄エージェンシーなどになると、自社の交通広告や流通グループを生かしたSP作業を中心とせざるを得ません。

    <志望者が知っておかなければいけないこと>

    (1) 地元を良く知る。沿線を良く知る。

    地域のIN/INを担う広告代理店で働く上で、もっとも大事なことは「地元を知る」ことです。広告主や媒体社は当然地元出身の人が多く、地縁血縁が濃いわけですから、主要な地名の読み方ぐらいは覚えておくべきでしょう。また広告主や媒体社のトップの出身大学・高校ぐらいは知っておきたいものです。また地元小学校の社会科の教科書に載っている程度の地元の歴史・産業・文化などは知っておく必要があるでしょう。

    また私鉄ハウスエージェンシーを目指す人であれば、その電鉄沿線のマーケットのポテンシャルや、系列の百貨店の比較などを研究しておくべきでしょう。例えば、メジャーな駅名はもちろんのこと、その電鉄で通っている通勤・通学者数、ターミナル駅の平均乗降客数、高校・大学などの文教施設、沿線のレジャー施設、神社仏閣(初詣など)、季節の催事(花火大会など)、こういうものを数字も含めすらすらと言えるような面接がもっとも効果的なはずです。

    (2)広告主に貢献するように、地元にも貢献を。

    地元広告主にとって重要なのは、地元マーケット自体の繁栄です。広告業界も「地場産業」の一つとして、地元経メディアとともに、経済の活性化に役立たなければなりません。広告マンは、広告主、メディア、地元住民の3者がハッピーになるために、広告を通じて貢献していくという気概が大事でしょう。

    また交通媒体に関していうと、全国規模の広告主にとって、JRや営団地下鉄(大阪市営地下鉄)以外の媒体は東京の私鉄ですらローカル的なイメージとなっており、単純なイメージの序列で選ばれていくという傾向があります。すなわち私鉄エージェンシーに勤務するということは、自社媒体売上の向上のためにも自分なりの地元・沿線イメージ戦略・ブランド戦略を持つことが重要になってきます。

    例えば京王線には京王閣(競輪)や府中競馬場などがあってギャンブル路線とイメージする人もいます。しかし、京王電鉄は駅舎をTVドラマのロケに積極的に開放したりして、CMやドラマでの露出量は一時期大変なものがありました。これは京王沿線のブランド価値を上げるのに貢献していると思います。

    すなわち、地方の私鉄エージェンシーに勤めるということは、

    ・その沿線の住民がクライアントであり、
    ・沿線のブランド価値(ひいては土地の資産価値)を高める

    というミッションをもつといいかえてもいいのではないでしょうか。この意味では、面接などでは、イメージ打破論や、他の沿線との比較論なども効果的です。

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    2005.04.06

    労協FAQ:就職支援の費用はどこから出ているのですか。

    A:入場料収入と、広告労協の予算すなわち加盟労組の組合費から出ています。

    広告労協の就職支援活動は、東京・京都のフォーラムのように大規模な会場で多数のパネリスト・ボランティア学生を呼んでのイベントは、資料作成・印刷費、会場費、設備費、交通費、宿泊費、弁当代などがかかります(なおスタッフの日当は1人2000円、ボランティア学生は交通費のみです)。このため各会場で1500円をちょうだいしていますが、東京のフォーラム単体でもやや赤字であり、京都フォーラムは完全に赤字です。この赤字分は広告労協の予算からの負担で運営されています。

    広告労協の資金は、広告労協加盟労組からの加盟費です。したがって皆さんにこのような機会を提供し続けられるのは、ほかならぬ電通、ADK、東急エージェンシー、大広など、多くの現役社員の組合費があるからです。

    労働組合のある会社に就職することができたなら、ぜひ組合にも加入してあげてください。

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    2005.04.05

    就職フォーラム的交通広告論。

    2002年10月1日、初めて私が発表したコラムを再掲載します。その後も交通広告(OOH広告)は目覚しく発展しましたが、業界の歴史を簡単にまとめたものは今も少なく、当時より評価をいただいてきています。交通広告や電鉄系ハウスエージェンシーを受ける方はぜひ精読ください。



    2003年度での学生さんからの反応を見ると、交通広告への注目度が大きいのに驚かされます。かつて交通広告を担当し、オリコム(昔は「オリコミ」でしたね)さんやJ企さんともディープなお付き合いをしていた立場から、少しお話を。

    (1)交通広告の可能性

    交通広告は、今後も十分な可能性を秘めた媒体であると思います。

    交通広告は

    ・オーディエンス=通勤・通学客
    ・流通     =駅売店や駅周辺の商業施設

    において磐石のメディアであり(少なくとも東阪地区)、そもそもブランディングや販売促進などにポテンシャルの高いメディアです。エリアマーケティングには欠かせないメディアといえます。インターネットやケイタイなどの出現、不況の影響などもあって、生活者のメディアに対する接触態度・時間に大きな変化がある中、交通広告は安定した接触時間と態度をもち、効果を持ちつづけていくといっていいでしょう。

    また、中づり(短期集中リーチ)、まど上(長期的認知獲得)駅ばり(インパクト・ブランディング)、駅看板(店舗誘導)など、様々なニーズやシチュエーションによって、様々な手法がとれるという点もあり、ほとんど交通広告だけを取り扱っているという代理店も多数あります。

    理論的なこと以外にも、

    ・広告主の担当者やキーマンも、交通手段を使って通勤するので接触する機会が多い。また競合他社の広告にも接することで意識が高まる。
    ・グラフィックデザイナーは交通広告が一番の花形舞台。


    という点で、提案に入ることが多くなります。

    (2)交通広告の専門代理店はこうして出来た。

    少し歴史的、背景的なことを説明します。

    世の中には無数の交通広告専門の代理店が存在します。これは、沿線の店舗などを取引先とし、駅看板を主体として電鉄と直接取引口座をもってきたという代理店であり、従って中小規模、場合によっては零細代理店・カバン代理店(=カバン一つで商売する)という代理店の存在で成長してきたという理由です。従って、このような代理店では小田急とは取引があるが、京王とは取引がないということもあり、それぞれの得意・不得意路線があります。唯一オリコミ(現オリコム)が全国の電鉄と横断的に口座をもっていました。

    電鉄会社にとってかつての広告収入は、運賃収入の数%もなく結果はっきりいえばそう重要な収入源でもなく、また、もともと駅員さん、運転手さんが現場の一線を退いた後にやる仕事だったという点もあり、これら中小規模の代理店のケアの細かさにより媒体社は出入りの代理店を制限するかわりに、代理店が丸抱えで電鉄を世話するという構図ができあがりました(指定代理店制度)。従って立場としては圧倒的に電鉄の方が強いものでした。(広告収入が減っても倒産することはまずありませんから。)

    当時はまだナショナルクライアントが中づりや駅ばりなどをキャンペーン用メディアと位置付けることも少なく、大手の参入はありませんでした。唯一電通のみ全国の電鉄と口座をもって取引していましたが、上記理由で、電通といえども中小代理店と同様の扱いとなっており、逆に駅看板といった細かいローカルの仕事では数字を上げられないため、必ずしもその中で地位が高いということはありませんでした。また電通の中でもメディア部門として明確に位置付けられることもありませんでした。

    平成の時代になって、ポスターメディアが注目を浴びてきた中でも、博報堂や旭通信社などの大手広告代理店は電通のように直接メディアに口座をもつことなく、交通につよい代理店を通じて集中的にバイイングしてきました。これは、もともと閉鎖的な社会であり、直接参入するメリットが(利益率以外に)少ないとみていたからです。逆に交通代理店はこれら(電通以外の)大手代理店を得意先としてさまざまなキャンペーンの受注をしてきました。それぞれ強い路線・弱い路線がありますので、お互いが融通しあって手配しました。(いわゆる「まわし」)

    しかし、このような電鉄の代わりにメディアスペースの調整を代理店が(仲間内で)まるがかえで請け負う(場合によっては代理店間ですべてスペースを買いきる)という構図では、メディア(電鉄)側の成長や代理店間の競争が促進されず、独特の閉鎖世界が構築されてきました。

    (3)電鉄のハウスエージェンシー設立とその影響

    分割民営化されてから、合理化など民間的な発想が必要とされていたJR東日本は駅舎や車両を有効活用した広告収入を重要視するようになり、1988年にJRの広告業務「の代理」を行う(株)JR東日本企画(J企)を設立しました。すなわち、J企はそもそもJR東の「メディアレップ」部門(媒体社JR東日本の利益代表)として誕生しています。

    この際、同時にJ企自身に「直営業部隊」をつくり、指定代理店に完全に分け与えていた中づりなどを枠を一部返却させ、No.1の シェアであったオリコムと同規模の枠を自身で確保しました。それ以降、J企はメディア部門では内部で指定代理店との調整はしつつも、クライアントに対してはJR東日本にもっとも強い代理店として大手広告代理店と競合し、確保力をバネに大手広告主と口座をもつようになりました。

    このことにより業界が混乱したのも事実です。一方では駅看板のような細かいものは相変わらず専門代理店からの収入に依存しており、またオリコムや電通も多額の金額を「メディアJ企」に入れているにもかかわらず、全額が「広告代理店J企」として計上され、あっという間にオリコムを超える日本有数の広告代理店として名を連ねることになりました。(しかし、J企を広告代理店と見なさない統計もあります。二重のカウントになるからです。)

    この流れは京王、小田急、そして全国の電鉄で広がってきましたが、ナショナルクライアントの主な評価は東京のJR・営団地下鉄であるため、J企のような圧倒的な売上をもつには至っていません。むしろそれぞれの電鉄グループの広報・宣伝活動を請け負っているという位置付けが大きいと思われます。これはJR東海エージェンシーやJR西日本コミュニケーションズも当てはまると思います。

    なお、東急エージェンシーは、東急電鉄のメディアレップという位置付けより、当初より東急グループの広告宣伝活動を主に携わったという点で、その足腰は別格といえます。設立当初より電通との人事交流をもったということが大きいと思います。

    (4)オープン化の流れと今後の交通広告

    このように入り組んだ形で手配されてきた交通広告ですが、不況に突入し、メディアを指定代理店で買いきって「まわし」で売り切るということもできなくなり、倒産する会社もでてきました。またJ企自身JR東日本への納金義務があり、自社枠とはいえ一定規模を抱えていくことも困難となってきました。

    また、交通メディアが重要視されてきて、数値データも充実し、一般のメディアミックス(TV/新聞など複数のメディアをどう効率的に配分するか)提案にも入ってくるようになると、大手代理店を中心にオープン化の要求がなされてきました。また、出版不況により中づりの出稿も減り、駅看板などの収入も下がってきていて、電鉄としても車や化粧品などナショナルクライアントからの出稿を期待していかなければいけないこともあり、J企でもかなりの部分をオープン(=従来の代理店以外も直接バイイングできるようにする)ことに踏み切っています。

    このことは、従来の中小専門代理店にとっては大きな出来事となっています。これまで博報堂やADKの孫受けとして受注してきた部分が減っていくことは必至であり、ここをどうリカバリしていくかがもっとも重要な経営課題となっています。

    しかし、交通広告がエリアマーケティングに効果的であり、必須アイテムということが普遍である以上、交通広告に携わる代理店にはチャンスはいくらでもあると思います。例えばNKBは駅看板の販売により無数の飲食店などと口座をもち、そのルートとノウハウで「ぐるなび」を作りました。このようなフットワークは大手の広告代理店では持ち得ないものであり、ある種のすみわけともいえると思います。また逆にエリアに根ざした営業網をもつことは、経営上リスクヘッジともいえます。このような専門代理店にとっては、車メーカーの中づり駅ばりといったバブルに踊らされた時代から、もう一度エリアマーケティングに回帰することが重要なことだと思います。

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    2005.04.04

    労協FAQ:あなたは誰ですか。

    A:いい質問です。よく勘違いされています。

    主要スタッフである広告労協Fさんと挨拶専用85さん、そして私は「普通の会社員」です。日中は勤務先で普通に勤務し、当然残業もあります。一方Fさんと挨拶専用85さんは広告労協の常任幹事、私は勤務先の労働組合の役員という「ボランティア」の顔も持っています(2005年4月現在)。基本的に昼休みや終業後、および休日を使って労協の活動をします。

    ちゃんと会社員としても人並み以上に働いていますので、そのあたりも一応知っておいてくださいね。

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    2005.04.03

    スラムダンクにインタラクティブ・アド・アワードグランプリ。

    インターネット広告推進協議会(JIAA)は3月31日、第3回東京インタラクティブ・アド・アワードの受賞作品を発表しました。

    今年のグランプリ作品は、過去本コラムでも取り上げ、東京での就職フォーラム参加者にはおなじみの「スラムダンク」の統合キャンペーンに授与されました。

    圧倒的な作品力を持つスラムダンクとその作者井上雄彦氏、そして未だ衰えないファン層をつなぐ上では、いろんなパス(道筋)が考えられたと思います。しかし同キャンペーンの解説ページの

    通常インテグレーテッドなキャンペーン設計とは、周到なターゲット設定や導線シミュレーションの蓄積である。しかし、このキャンペーンにはそのような計算は存在しない。

    というコメントにあるように、ただ太い直線でつなぐということがベストのときもあります。その太い直線を一方通行でなくインタラクティブなものにし、どちらが発信者と決められない渾然一体とした「場」を形成できたということが大きく評価されたのだと考えます。

    情報やテクニックに惑わされる就職活動です。しかし学生の就職活動は会社にとっては求人活動。そもそも一方的なものではありません。時にはゴールに向けてまっすぐ投げ、相手は「やられた!」と反撃する、面接の場がそんなさわやかなコートになればいいですね。

    東京インタラクティブ・アド・アワード公式HP
    http://tokyo.interactive.ad.awards.jp/

    本コラム2004.04.03東京インタラクティブ・アド・アワード。

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    2005.04.02

    労協FAQ:広告労協ってどんな会社なんですか。

    A:広告労協は「会社」ではありません。「会」です。

    広告労協は、正式名称「全国広告関連労働組合協議会」といい、広告業界の労働組合が集まってできた「会」です。

    新聞労連や出版労連は、それぞれの業界の労働組合が集まってできた連合体ですが、その連合体自身がまた労働組合の資格をもっています。広告労協はあくまで「協議会」であり、それぞれの加盟労組と上位/下位の関係ではなく、指揮系統にあるわけでもありません。実際、電通やADKなどの社員で組合に加入している人でも、広告労協の存在を知っていることはまずありません。

    しかし広告労協のイベントに参加申し込みしてくる学生のアンケートを見ると、最近の現役社員が推薦してくれたという例がとても増加しています。場合によっては労協未加入の組合のある会社の方々にも評判になっているようです。

    そのような方々の支援をバックに、もっともっと加入労組が増えていってほしいものですね。他ならぬ広告業界のことを「協議」する場なんですし。

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    2005.04.01

    アルバイトと、職業観。

    模擬面接の場で幾度となくアルバイトの話を聞いてきました。社会を垣間見る上でアルバイトの経験は非常に重要です。しかしその言い方ひとつでプラスにもマイナスにもなります。

    「アルバイトで頑張れたので、御社でも頑張れます」と直球で言えば、「仕事をなめるんじゃない」と思われるでしょう。またウェイトレスをしていた学生が「人と接する仕事が好きなので、御社を志望しました」と言っても、接客業のようなB to C型と広告業のようなB to B型のビジネスは基本的には異質なものであり、「そのような志向ではこの業界には合わないのでは」と思われても仕方がありません。

    アルバイトに限らず、自分の経験や得意分野が相手の世界にも「そのまま」当てはまるというロジックには、注意と気配りが必要です。あなたが主張することが仕事の現場にも当てはまるかどうかは、あくまで面接官側の判断なのです。

    アルバイトは特にその人の「職業観」に直結します。これは企業と学生のマッチング度を計る上で最も重要な要素の1つです。個人的な意見ですが、アルバイトの話は、その経験を通じて構築された自分自身の職業観(大きく言えば世界観)に一旦昇華すべきだと思います。その後に、その職業観がその業界や企業がマッチするかどうか、どのように生かすことができるか論じていくことで、相手の世界にすんなり入っていくことができるのではないでしょうか。

    人とのつながり、コミュニケーションの重要性などは、社会人にも学生にも共通の価値観が存在するでしょう。しかし「職業」に関する意識は天と地ほど違います。業界内外で働く人の職業観に数多く触れ、自分のアルバイト経験などと照らし合わせ、自分自身の職業観をしっかり持ってください。それが説得力を持つかどうかが、社会人になれるかどうかの分かれ目といっても過言ではないでしょう。

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