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2005.02.19

性差のない登用。性差のない採用。

ダイバーシティ」とは直訳すれば「多様性」ですが、最近では「人材の多様性」として人種や男女差別のない登用の促進を指すことがあります。日本ではもっぱら女性の昇進問題として捉えられています。

男女雇用機会均等法が施行されたのは1985年5月に施行され、86年入社が最初の年次となります。同年入社の女性はすでに社会人歴が18年目以上(間もなく19年目)となり、そのキャリアの長さや経験からいっても大企業の中でも十分中級幹部級以上になれる年齢と言えます。しかし広告業界だけでなく女性の幹部登用は進んでおらず、ダイバーシティという社会問題として取り上げられてきています。

一方新卒採用の現実を見ると、広告業界は広告労協の調査では男性:女性=7:3程度と言われています。男女比率について個々の会社は「人物本位で検討した結果の数字」と言い訳するのが常であり、決して性差の因果を認めません。しかしこのボランティアを3年以上もしていると、女子学生の優秀さの実感と採用実績は明らかに乖離していると確信しています。実際面接官を経験した人も口をそろえて女子学生の方が優秀といいます。なぜ新卒採用にまでこのような歪みが存在するのでしょうか。

答えは明白です。それは性差のある採用と登用は表裏一体の関係だからです。

現状の女性登用のレベルから言えば、選考の最終段階で女性幹部の面接官が出てくることはまれであり、まして役員面接にはほとんどいないと言っていいでしょう。したがって採用の決定段階は旧来の男性的視点が支配していると言わざるを得ません。その微妙なバランスが7:3という数字に現れているのでしょう。きっと「女性は男性の半分以下」という暗黙のレートがあるのだと思います。

性差のない採用には性差のない登用が必要であり、性差のない登用を進めるためには性差のない採用をしていかなければなりません

経営層が「男性発想」である以上、彼らが最終決定権を持つ新卒採用で抜本的な性差解消を判断するのは難しいでしょう。ダイバーシティを一気には進められないのは仕方ありませんが、少なくとも雇均法以降に同条件で採用した新卒男女比と同じ割合で女性の管理職登用を進めていくべきだと思います。過去に採用した女性の早期離職を理由にする会社もあるかも知れませんが、男女同じ比率ではなく女性の方が早く辞める職場はダイバーシティに何かしらの問題があると思われても仕方がありません。

それでもダイバーシティに手をつけられないのなら、今のうちから新卒採用の方の性差を先に抜本的に解消する決断をするしかありません。すなわち今の新卒採用の男女比を強制的にでも5:5に近づけるべきです。当面は6:4が現実的な目標でしょう。この数値程度の是正もできない会社が本気でダイバーシティに取り組めるのか、極めて疑問です。

幹部級や役員に多くの女性が登用され、性差のない会社が当たり前になれば、過去に発表した「役員=お父さん、人事=お母さん論」というコラムも遺物となり、役員面接が最も人物本位の選考になるでしょう。女性社員だけでなく、いい男性社員を採用するのにも、ダイバーシティへの取り組みは有効だと考えます。

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» ダイバーシティ [誰にも言わない]
初めて意味を知りました. 多様性という意味ですが,もっぱら女性の昇進問題について使われている言葉らしいです. 本当にこの問題は難しいです. 私はどちら... [続きを読む]

受信: 2005.02.19 19:59

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