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2005.02.15

採用試験で「尊敬する人物」を聞くこと。

日本の企業は終身雇用制度をとっているため、家族主義的なところが少なくありません。これを否定するものではありませんが、エントリーシートや面接で仕事と関係のない個人の自由な権利に踏み込んだ質問をすることもあります。ありがちな「尊敬する人物は誰ですか」という質問も、実は不当なものです。

公正な選考採用のポイント(島根県)

■思想、信条、宗教などに関すること

思想・信条や宗教、支持する政党、人生観などは、信教の自由、思想・信条の自由など憲法に保障されている個人の自由権に属する事柄です。これらのことを記述させ、また聞いたりして採用選考の場に持ち込むことは、応募者の基本的人権を侵すことになります。

■不適切な質問例

あなたの信条としている言葉は
尊敬する人物を言ってください
家の宗教は何ですか・どんな本を愛読していますか
あなたの家庭は、何党を支持していますか
政治や政党に関心がありますか
あなたの家では、何新聞を読んでいますか

直接的に政治・宗教・思想に関する質問をすることは少なくても、「信条としている言葉」「尊敬する人物」については時々見られます。しかし採用試験で聞かれている以上その答えを選考の材料にしていると指摘されても言い訳はできません。

家族主義であることと、個人の思想・信条を採用の材料にすることは別ものです。聞くのであれば「仕事に取り組む上で信条としている言葉は何ですか?」「尊敬する経営者や会社を教えてください」など、仕事に関連することに限定して聞くなどの工夫が必要です。

エントリーシートにこのような項目を入れたり、ましてや家族構成を記入させるなどもっと人権上問題な「書類」を公にしている会社も少なくありません。1面接官が聞くことも問題ですが、採用責任部署が作成している公式文書にこのような問題があることはプロ意識が欠如していると言わざるを得ません。

採用試験が「会社から与えられるもの」だと思い込んでいれば、このような質問でも「答えるのが仕方がない」と考える学生も多いでしょう。面接であれば「それは極めて個人的な質問ですね…。選考と関係がありますか?」と確認できればベストですが、まずムリな相談です。

採用試験は毎年新しい学生が受けるため、このような問題に継続的に取り組むのは第三者と行政しかありません。広告労協では不適切採用情報提供フォームを設置し、広告業界の不適切な採用情報を収集して是正の道を検討していきます。何かおかしい、と思ったらぜひ投稿してください。

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コメント

私は業界人さんの言われている「尊敬する人は誰ですか?」という質問に何の疑問を抱かずに今まで過ごしていました。また、私の進む教育業界では家族や信条についての質問を私の内定した会社を含めて多くしています。それは駄目だということを同僚や後輩に伝えていきたいと思います。

投稿: 大阪の寅 | 2005.02.15 00:46

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