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2005.01.20

まず、名乗る。

(1)名前を名乗らない、学生。

04生向けに最初に開催した模擬面接会のトップバッターだったS君は、舞い上がっていたのか、自己PRで最後まで自分の名前をいわずに面接が終わりました。私は、


「私はキミと初対面です。キミがいつ自分の名前をいうか、それだけを待っていたら、自己PRが終わっていました。それまでの話はぜんぜん聞いていません。落ちてますね、この理由だけで。」


とボロクソの評価をし、彼は帰りの電車で悔しさに涙したそうです。その後彼はこの体験をバネに、無事自分の希望する職種での就職活動に成功しました。

先日05生向けに開催した東京就職塾でも、模擬面接の最初の3人は全員自分の名前を言いませんでした。S君と同様、不慣れで舞い上がっているとはいえ、04生を経て05生でも同じ経験をすると、最近の学生の何かしらの傾向があるのではと思うようになりました。

(2)着信通知が変えた、コミュニケーションのマナー。

コラム「OB訪問・OG訪問より、大事なこと。」でもコメントしたとおり、携帯電話の普及によってコミュニケーションが変わったことは数多くありますが、その一つに「着信者通知」という機能が挙げられます。

以前は固定電話での着信者通知サービスはなく、電話は誰からかかってきているか分からないのが前提で出るのが当然でした。しかし、着信通知機能とともに携帯電話が普及し、固定電話もプライバシー重視や迷惑電話の増加に伴い、家庭でも着信通知機能をつけるのが当たり前です。「礼儀として名乗る」マナーは180度変わり、今や「安全のために名乗らない」ことが当然になってしまいました。

私自身を振り返っても、私的な連絡は電子メールや携帯電話が中心になっており、自宅の固定電話にかかってくる不明な相手に、自分から「はい、○○です」と名乗ることはなくなりました。今後私も、自分の子供に「知らない番号からかかってきたら、安易に名乗らないように」と教えることになるのでしょう。そもそも電話でなくても、知らない人に安易に名前を教えるなとすら教えなければいけない世の中になってしまっています。地域という社会的なつながりも希薄となり、電話の機能と位置づけが大幅に変化している中で、学生にとって「名前を名乗る」機会自体が極端に減っているといえるでしょう。

(3)ビジネスの世界は、名乗ることからスタート。

しかし、ビジネスの世界では、すべては「名乗る」ことから始まります。毎日が自己紹介といっても過言ではありません。どの会社でも、名刺交換と電話応対は入社時に徹底的に仕込まれます。名乗らないで仕事の話をするヤツは、非通知で自宅にかけてくるテレアポ業者と同類といえます。

広告業界は会社対会社(B to B)の取引ですが、「どの会社と仕事をする」よりもむしろ「だれと仕事をする」方が重要視される世界です。新人であればあるほど、自分の名前を完全に相手に覚えてもらうためには、様々なアプローチで自分の名前を伝えていかなければいけません。名刺を渡しただけで相手が名前を覚えてくれると思ったら大間違いなのです。

(4)面接では、何があっても、まず名乗る。

面接も同じであり、自己紹介で一番大事なのはあなたの名前です。あなたにとって当たり前の名前は、相手にとって初めての名前なのです。読み仮名がなければ、名前は正確に読んでくれないと思うほうがいいでしょう。「渡部」さんは言われなければ「わたなべ」か「わたべ」か区別がつきません。面接官にあやふやにしか伝わっていなければ、面接官はその学生を名前で呼びかけることもしないでしょう。

面接では、何があっても、まず名乗ってください。仮に相手が「○○さん、自己紹介をお願いします」と言ったとしても、最初に名乗っておくのが安全です。いくつか読み方がある名前なら、きちんと読み方を伝えることが重要です。グループ面接で前の学生が名乗っていない時こそ、つられずきちっと名乗って挨拶をしてください。あなたの勝ちになります。

選挙運動のように名前を連呼する必要はありません。しかし、最初に名乗っても、一発で覚えてもらうことは稀でしょう。私からは、エピソードに乗せる形や話の最後に加える形で、もう一度名乗ってみることをお勧めします。私自身、ビジネスの場で相手が私の名前を覚えてないだろうと感じたとき、過去のエピソードなどに自分の名前を交えて話し、相手に気づかせるようにしています。相手はずーっと「この人の名前なんだったっけ…」と思いながら話をしていますので、間違いなくその瞬間に深く記憶してもらうことができます。

面接官の世代は1次面接から役員面接まで、間違いなく電話で名乗っている世代です。名前を名乗らない学生に、面接官は「無礼者、名を名乗れ!」と思っているに違いありません(苦笑)。しかしそれを面接で指摘してくれる面接官はいないでしょう。就職塾で臨死体験をした05男子3名、キミたちはちょっとだけ他の学生より内定に近いと言っておきますね(笑)。

※2003.12.22に発表したものを加筆・訂正。

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