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2005年1月

2005.01.30

就職フォーラム2006参加者限定コラム。

過去3年実施してきた広告業界就職フォーラムでは、私は初年度は基調講演、その後は就職活動での心構えを最後に話すという役回りでした。今年も最後に話す予定ですが、毎日blogを書き続けていると、あまりいうことがなくなってしまいました(苦笑)。

しかし就職フォーラムは会場費、資料費相当とはいえ広告労協が実施する唯一の有料イベントでもあります。中には遠方から来る学生もいらっしゃいます。東京・京都フォーラム参加とblogのご愛読のお礼として、会場だけで配布するコラムを執筆しました。

申込時にどんなに勢いのある自己紹介をしても、当日の天気一つで無断キャンセルする学生は後を絶ちません。せっかく時間を割いて多くの人が集まるのですから、ボランティアスタッフにも学生にも有意義な機会にしたいと思います。無情な空席を見ながらパネルディスカッションをしなくてすむためにも、学生の方に本当にきてよかったと思ってもらうためにも、限定コラムが貢献できればと願います。

なお、たまには広告労協のサイトにもいかないと、重要な情報を見忘れますよ。当日に近くなったら必ず見に行ってください。

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2005.01.28

新聞・出版・印刷業界の就職フォーラム。

昨年11月14日に開催された新聞・出版・広告・印刷業界労組合同「マスコミ就職フォーラム」に続き、各業界の労組による新卒支援が本格化しました。

新聞労連  新聞業界就職フォーラム

●日時:2005年2月5日(土)
開場9時30分、開演10時、終了予定17時
●場所:科学技術館 サイエンスホール
(地下鉄東西線・竹橋下車1b出口 徒歩7分 北の丸公園内 日本武道館手前)
●参加料:資料代・会場費などとして当日実費1000円
●参加する労働組合(予定):全国紙(朝日、毎日、読売など)、各県の地方紙、通信社などの現役社員(組合員)
●募集定員:300名~400名(定員になり次第締め切り)

出版労連・全印総連主催「出版・印刷就職フォーラム2006」

●日時 2005年2月12日(土)10:00から17:00(開場9:45)
●場 所 小学館会議室 
●募集人数 先着80名
●参加費 2,000円

新聞記者は「夜討ち朝駆け」の代表であり、先の予定がもっとも立てにくい職種と言えます。そのような方々が一堂に会して学生のために話をすると言う機会は、大勢の記者が加入している労働組合ならではのものです。これを逃したら取材先にまで追いかけ夜討ち朝駆けしないと記者の人には会えませんね(苦笑)

出版労連ではインターネットが普及する以前に大学の掲示板等を利用した小規模なセミナーを実施したことがあるそうです。当時も女性の参加者が多かったようです。文化そのものを担い創り出す出版業界はクリエーティブそのものであり、広告業界との併願が多いのもうなづけます。

新聞労連さんでは、翌日の広告労協のフォーラムの前日にセッティングし、遠方からの学生がどちらも参加しやすいようにと配慮していただいたようです。学生本位の気持ちはすべての労組団体で一緒です。興味のある学生の方はぜひ参加をしてください。

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2005.01.27

フェイルセーフ。

フェイルセーフ(fail safe)とは、失敗したときに安全装置が起動することをいいます。航空機関や原子力発電所、医療施設など、事故が致命的な結果となる施設は何重ものフェイルセーフ対策が必須です。

フェイルセーフは「事故は避けられない」という考え方にもとづきます。例えば医療施設にとって最大の危険は停電です。このため独立した自家発電施設をもちます。航空機に至っては、片方が急死しても大丈夫なように2名のパイロットが搭乗します。

面接中に携帯を切っておくことは非常に重要なことです。しかし切ることを心掛けたとしても、やはりうっかり忘れてしまうこともあります。そのような事態に対するフェールセーフは「就活中は常にマナーモードにしておく」ことしかありません。

バイブレーション音も、静かな面接会場では結構聞こえます。ましてやあなたは必ず動揺するはずです。しかし面接官はあなたの動揺しているさまを苦笑することはあっても、マナー違反とまでは思わないでしょう。

あなたの好きな音楽のせいでチャンスが逃げるようなことがあれば、その音楽はトラウマに転じてしまいます。就職活動という非日常にいる間は、ぜひ着メロを止めてください。

着メロのヘビーユーザーであればあるほど、ぜひ実行すべきです。あくまで進路を決めるまでの間だけでも、携帯には静かにしてもらいましょう。

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2005.01.25

「伝えたい情報」と、「役立てたい情報」。

人を行動に駆り立てる情報は、「伝えたい情報」と「役立てたい情報」に大別することができるでしょう。

「伝えたい情報」の代表的な例はニュースです。報じられた直後のころがもっとも行動させる力が強いと言えます。フジテレビの人気番組「トリビアの泉」も、役に立たないが伝えたくなる情報ばかりです。しかし所詮はメジャー媒体が発信する情報。ほっといても情報は広まり、いずれ陳腐化し、知られているだけの情報になります。

一方、「役立てたい情報」は違います。特にビジネスの世界は営利が目的であり、自社の利益に関係する情報は発見した人(会社)は、他社が知る前に徹底的に利用し尽くします。それは「伝えたくない情報」と言い換えることもできます。

学生にとって就職活動は人生最初の情報戦です。広告労協が就活生に知られていくスピードが毎年想像より遅いのは、「役立てたい」かつ「広まってほしくない」情報となっているからだと思います。それは自然な気持ちであり、誰も責めることはできません。「今まで知らなかった。もっと広告労協自体を大々的にPR、広告してほしい」という学生は、なぜあまり知られていないかの背景を考えた方がいいでしょう。

「役立てたい情報」が実際に大きく役立ち、やがてその目的を終えた時、それはもっとも強力な「伝えたい情報」に変化します。広告労協のことを存分に伝えられるのは、やはり広告労協を通じて何かを得ることができた03,04,05生の方に他なりません。

特に05生はまだ在学中であり、卒業に向けて忙しい中にも多くの方が自治会カフェテリアで後輩の面倒を見てくれており、2月のフォーラムでも運営の手伝いをしてくれます。05生が卒業する前に、06生は先輩をもっと頼ったほうがいいでしょう。彼らには「伝えたくてしょうがないお役立ち情報」を山ほど持っているはずです。

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2005.01.23

女子学生が広告代理店と併願する業界。

広告業界就職フォーラムのトップページでは時々リアルタイムアンケートを実施し、学生の生の統計をとっています。現在も募集中のアンケートではどこの業界を受けるかという質問を複数回答でお願いしています。

このアンケートシステムでは単純集計しか出ませんが、現時点の回答をダウンロードしクロス集計をすることで、広告代理店と併願する業界に男女別で特徴があることが分かりました。

広告代理店を受験する94人が同時に受験する業界は

●広告制作を受験:男性40%/女性63%
●出版業界を受験:男性45%/女性44%
●印刷業界を受験:男性23%/女性29%
●PR業界を受験:男性26%/女性44%
(回答期間:04/12/30-05/01/22 全回答者数:98人)

となっています。

広告代理店と併願する業界としては広告制作会社、出版社がともに高水準ですが、広告制作では女性の併願率が極めて高くなっています。広告代理店よりも厳しい労働条件と言われる広告制作会社ですが、女性併願率の方が多いのは意外な感じがします。もともときつい業界で有名な広告代理店をあえて目指す学生たちですから、仕事がきついからという理由で他業界を受けないということはありえないのでしょう。

また特徴的なのはPR業界の併願率も女性の方が高いということです。実際会社の広報部門でも女性の活躍が目立ち、PR専門会社でも女性の採用に熱心な傾向にあります。

今回の東京・京都フォーラムで遠方から参加する学生は126名、そのうち55%が女性です。上記の併願率はただの定性的な結果ではなく、業界研究や行動力で女子学生の方が先んじているのかも知れませんね。

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2005.01.22

まず、ぐぐる。

最近フォーラム応募者のコメント欄に「今まで知らなかった。もっと広告労協自体を大々的にPRしてほしい」という要望が大幅に増えてきています。藍屋の白袴というご指摘の気持ちはよく分かりますし、規模を拡大してもらいたいという思いはありがたいと思っています。

しかしそのような学生の方に一つだけ問いたい。あなたはこれまで広告業界のことを少しでもネットで調べましたか

広告労協のサイトはここ2年以上Googleの「広告業界 就職」の検索結果で1位、「広告業界」でも(2ちゃんねるに続き)2位をキープしています。最近は本blogも各種関連ワードからアクセスされています。業界中位の会社であればその社名自体の検索結果からも上位表示されます。広告業界を研究している人なら誰でも広告労協のサイトか本blogにたどり着きます。資金のないこの活動では、サイト開設直後からこの検索エンジン対策(SEO)を基礎的なPR手段とし、ことGoogleについてはほとんど十分なレベルに達しています。

しかしYahoo!で電通や博報堂などの社名だけを検索し、最初のページしか見ていないような学生には広告労協は現れません。それはYahoo!の検索結果がYahoo!自身のサービスやYahoo!があらかじめ手で分類したもの(ディレクトリ)を優先的に見せる方針になっているためです。

※最近Yahoo!で「電通」や「博報堂」と検索してこのサイトにたどり着いた人は、広告労協が12月の中旬から「検索結果に広告を出した」結果です。これがなければどんなに努力をしてもYahoo!の社名検索結果のトップページには掲載されません。

はっきり言えばこれまでこの程度の検索しかしていない学生や、ましてやネットでほとんど検索したことがないような学生は、就職活動の情報戦で遥か遠く置き去りになっていると言わざるを得ません。

「広告労協の活動を宣伝して欲しい」という姿勢は、与えられる情報でしか行動していない気持ちの表れのように思えます。ぜひもっと「Googleを」使い込んで、世の中に発信されている情報を貪欲に取りにいってください。使い込む上でもっとも重要なのは「言葉を組み合わせて検索する」という基本動作です。そこにはライバルがとっくに活用している情報が見えてくるはずです。

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2005.01.20

まず、名乗る。

(1)名前を名乗らない、学生。

04生向けに最初に開催した模擬面接会のトップバッターだったS君は、舞い上がっていたのか、自己PRで最後まで自分の名前をいわずに面接が終わりました。私は、


「私はキミと初対面です。キミがいつ自分の名前をいうか、それだけを待っていたら、自己PRが終わっていました。それまでの話はぜんぜん聞いていません。落ちてますね、この理由だけで。」


とボロクソの評価をし、彼は帰りの電車で悔しさに涙したそうです。その後彼はこの体験をバネに、無事自分の希望する職種での就職活動に成功しました。

先日05生向けに開催した東京就職塾でも、模擬面接の最初の3人は全員自分の名前を言いませんでした。S君と同様、不慣れで舞い上がっているとはいえ、04生を経て05生でも同じ経験をすると、最近の学生の何かしらの傾向があるのではと思うようになりました。

(2)着信通知が変えた、コミュニケーションのマナー。

コラム「OB訪問・OG訪問より、大事なこと。」でもコメントしたとおり、携帯電話の普及によってコミュニケーションが変わったことは数多くありますが、その一つに「着信者通知」という機能が挙げられます。

以前は固定電話での着信者通知サービスはなく、電話は誰からかかってきているか分からないのが前提で出るのが当然でした。しかし、着信通知機能とともに携帯電話が普及し、固定電話もプライバシー重視や迷惑電話の増加に伴い、家庭でも着信通知機能をつけるのが当たり前です。「礼儀として名乗る」マナーは180度変わり、今や「安全のために名乗らない」ことが当然になってしまいました。

私自身を振り返っても、私的な連絡は電子メールや携帯電話が中心になっており、自宅の固定電話にかかってくる不明な相手に、自分から「はい、○○です」と名乗ることはなくなりました。今後私も、自分の子供に「知らない番号からかかってきたら、安易に名乗らないように」と教えることになるのでしょう。そもそも電話でなくても、知らない人に安易に名前を教えるなとすら教えなければいけない世の中になってしまっています。地域という社会的なつながりも希薄となり、電話の機能と位置づけが大幅に変化している中で、学生にとって「名前を名乗る」機会自体が極端に減っているといえるでしょう。

(3)ビジネスの世界は、名乗ることからスタート。

しかし、ビジネスの世界では、すべては「名乗る」ことから始まります。毎日が自己紹介といっても過言ではありません。どの会社でも、名刺交換と電話応対は入社時に徹底的に仕込まれます。名乗らないで仕事の話をするヤツは、非通知で自宅にかけてくるテレアポ業者と同類といえます。

広告業界は会社対会社(B to B)の取引ですが、「どの会社と仕事をする」よりもむしろ「だれと仕事をする」方が重要視される世界です。新人であればあるほど、自分の名前を完全に相手に覚えてもらうためには、様々なアプローチで自分の名前を伝えていかなければいけません。名刺を渡しただけで相手が名前を覚えてくれると思ったら大間違いなのです。

(4)面接では、何があっても、まず名乗る。

面接も同じであり、自己紹介で一番大事なのはあなたの名前です。あなたにとって当たり前の名前は、相手にとって初めての名前なのです。読み仮名がなければ、名前は正確に読んでくれないと思うほうがいいでしょう。「渡部」さんは言われなければ「わたなべ」か「わたべ」か区別がつきません。面接官にあやふやにしか伝わっていなければ、面接官はその学生を名前で呼びかけることもしないでしょう。

面接では、何があっても、まず名乗ってください。仮に相手が「○○さん、自己紹介をお願いします」と言ったとしても、最初に名乗っておくのが安全です。いくつか読み方がある名前なら、きちんと読み方を伝えることが重要です。グループ面接で前の学生が名乗っていない時こそ、つられずきちっと名乗って挨拶をしてください。あなたの勝ちになります。

選挙運動のように名前を連呼する必要はありません。しかし、最初に名乗っても、一発で覚えてもらうことは稀でしょう。私からは、エピソードに乗せる形や話の最後に加える形で、もう一度名乗ってみることをお勧めします。私自身、ビジネスの場で相手が私の名前を覚えてないだろうと感じたとき、過去のエピソードなどに自分の名前を交えて話し、相手に気づかせるようにしています。相手はずーっと「この人の名前なんだったっけ…」と思いながら話をしていますので、間違いなくその瞬間に深く記憶してもらうことができます。

面接官の世代は1次面接から役員面接まで、間違いなく電話で名乗っている世代です。名前を名乗らない学生に、面接官は「無礼者、名を名乗れ!」と思っているに違いありません(苦笑)。しかしそれを面接で指摘してくれる面接官はいないでしょう。就職塾で臨死体験をした05男子3名、キミたちはちょっとだけ他の学生より内定に近いと言っておきますね(笑)。

※2003.12.22に発表したものを加筆・訂正。

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2005.01.18

求人広告。

一般的に広告とは企業の商品やサービスを販売するための機能としていちづけられますが、会社を維持し発展させていくための「人材」を得るために広告することがあります。これを求人広告といいます。

新聞広告では求人というジャンルが確立しており、特化した広告代理店も多数あります。内藤一水社は老舗の新聞求人広告代理店です。同社サイトの効果的求人戦略というページが参考になります。

もともと職業紹介は労働省管轄の国家事業だったのですが、リクルート社が登場すると状況は一変、求人情報自体をコンテンツとした雑誌が次々と発売されました。広告自体が売れる情報になると見極めた、創業者の江副浩正氏の先見性には敬服するばかりです。ジャーナリズムとコマーシャリズムの間に存在する広告代理店には想像もつかないことです。

今は転職市場はインターネットが主戦場になっています。リクルートのリクナビだけでなく、「type」を出版しているキャリアデザインセンターのように雑誌とネット(@type)の組み合わせや、ネット専門のエン・ジャパンもあります。これらは広告代理店を通してというよりは、主に媒体社自身が直で営業をかけるスタイルです。

新聞の求人広告は、目的をもって購入する転職雑誌やインターネットサービスにくらべ、普段読んでいる新聞にさりげなく入っていることで転職を考える初期段階にアピールできます。古臭いメディアのようですが、マーケットの上流に位置しているといえるでしょう。

今後もネットを中心として求人事業が発展していくことは間違いないでしょうが、案外新聞広告もまだまだ有望だと思います。なぜなら採用担当も「新聞ぐらい読んでる人」を求めているからです。数名の採用であればメディアを絞り応募者自体にフィルターをかけることが効率的です。

※広告業界の会社の求人であれば、広告労協も掲示板で協力するようですよ>採用担当者様。

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2005.01.16

新卒採用に関する企業の倫理憲章。

日本経団連では、新卒学生採用については学業の尊重と自由な就職活動を妨げないために、新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章を定めています。

2005年度・新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章
2004年10月19日
(社)日本経済団体連合会
会長 奥田 碩

企業は、自己責任原則に基づいて自主的に行う、2005年度大学等新規学卒者の採用選考にあたり、下記の点を十分配慮して行動する。

1.正常な学校教育と学習環境の確保
採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する。

2.採用選考活動早期開始の自粛
在学全期間を通して知性、能力と人格を磨き、社会に貢献できる人材を育成、輩出する高等教育の趣旨を踏まえ、学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動の早期開始は自粛する。まして卒業学年に達しない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む。

3.公平・公正な採用の徹底
公平・公正で透明な採用の徹底に努め、学生の自由な就職活動を妨げる行為(正式内定日前の誓約書要求など)、男女雇用機会均等法の精神に反する採用選考活動は一切行わない。また大学所在地による不利が生じぬよう留意する。

4.情報の公開
学生の就職機会の均等を期し、落ち着いて就職準備に臨めるよう、企業情報ならびに採用情報(説明会日程、採用予定数、選考スケジュール等)については、可能な限り速やかに、適切な方法により詳細に公開する。

5.採用内定日
正式な内定日は、10月1日以降とする。

6.その他
大学院修士課程修了者の採用選考においても学習環境の確保に十分留意する。また高校卒業者については教育上の配慮を最優先とし、安定的な採用の確保に努める。

以上

これは2005年度版として発表されたものであり、内容は2004年度版と同じものとなっています。

「じゃあ何なんだ、今受けている試験は。」と思う学生もいるでしょう。罰則のない倫理憲章など、タテマエにすぎないかもしれません。クレームをつける団体がなく、またマスコミ(特に放送業界)自体が問題ある採用をしていることも一因でしょう。

企業倫理憲章が実施された過去2年間での広告業界の状況を見てみると、

2004年2月/2003年2月
2004年3月/2003年3月

となっており、多くの大学で春休みに入っている3月20日の週から一部会社が選考を開始している以外は3月以前に面接している会社はありません。

しかし、授業に影響を及ぼさないとはいえ、多くの会社がエントリーシートという名の一次選考を実施しています。エントリーシートで落選者を出している会社では憲章中の「採用選考活動の早期開始は自粛」に抵触しているとも言えるでしょう。

ことは教育に絡む話です。営利企業たる日本経団連加盟会社、株式上場企業や上場を計画している企業の社会的責任はいうまでもありませんが、上場企業の子会社・関係会社や外資系でもこの倫理憲章は十分留意すべき事項です。

広告業界でいえば早期に面接を開始しない分、まだ憲章を守っている方かもしれません。願わくばエントリーシートでの早期選考をやめ、より多くの学生と対面していただきたいと、採用担当者に申し上げます。

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2005.01.14

ソニー、内定後2年間いつでも入社。

ソニー、内定後2年間いつでも入社・新採用方式導入(日経ネット)

 ソニーは新たな新卒採用制度を導入する。2006年度採用予定者の採用活動から試験時期を春から夏まで四回に分ける。入社日は内定者が最長で2年間、自由に決められる。大手企業の採用活動は4月、新卒の入社時期は翌年4月に集中する傾向が強く、学生の学業を妨げかねないことが問題化している。ソニーは入社日などを本人の選択に任せ、学業に専念したい学生など優秀な人材の採用につなげる。

大手企業で新卒の採用試験を四回に分けるとともに、入社時期を2年間猶予するのは初めて。ソニーは学生が事前に思い描いていた仕事内容と入社後の格差をなくすため各事業部門が採用に関与する手法を導入することを決めている。今回の措置で学生が応募しやすい仕組みを一段と整備する。ソニーは今年から大卒・大学院卒を対象とする採用活動を4、5、6、8月の四回に分けて実施する。各月の採用数にはとらわれない。06年度採用予定者は合計で05年度採用の約220人と同規模の採用を目指す。 (07:00)

公務員試験のような資格試験だと同様のものがありますが、民間企業のの施策としてはとても大胆だなと感じました。しかし、あくまでソニーのような強いブランドをもつ大企業だけができることでしょう。人手が不足しているから補充するといったことではなく、本当に中長期的なビジョンで新卒採用を捉えているのだと思います。

少し違う話ですが、大手広告代理店に内定したが留年してしまい、翌年も同じところに内定して勤務している社員は案外いるようです。人物評価で選んでいれば、何回受験しようと受かる人は受かるのでしょう。しかし採用数というのは採用当局から言えば目標数値であり、内定後の留年は採用側に大きな迷惑となります。いくら仕事ができそうな学生でも、入社前からミスをするようでは詰めが甘い奴と思われても仕方がありません。私が採用者ならよっぽど同業他社に行かれては困るような人物でなければ落とします。

世の中ソニーのような太っ腹の企業ばかりではありませんよ、05生諸君。

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2005.01.12

東京・京都フォーラム2006応募状況。

2004年10月1日に受付を開始した広告業界就職フォーラム2006ですが、12月の後半から急激に応募が伸びて来ており、無効応募を除く応募数は1月11日現在で東京695人、京都200人になっています。応募数推移のグラフをご覧になるとお分かりの通り、東京・京都地区ともに今週から来週に応募定員を超える見込みです。

05の時は1月7日にマス読メルマガに掲載された直後から急激に登録が増えましたが、06の場合は12月20日に「みんなの就職活動日記」にコメントされたのをきっかけに大きく伸びました。また年明けよりYahoo!やGoogleの検索結果から見つけましたという学生が増加しており、2005年に入ってから06生の活動が本格化してきたことも見て取れます。

グラフには併せて05生の登録推移を表示していますが、東京フォーラムについては「みん就」に掲載されるまでは06、05とほとんど同じペースで登録されてきました。また京都については05生より登録ペースは3分の2程度で推移してきましたが、今年に入って急激に追いついてきたという状況です。東京の方も11月14日に4労組合同マスコミ就職フォーラムを開催したことを考えると、実態としては昨年よりも応募数の伸びは低いと言えるでしょう。「みん就」のメディア力もスゴいと言えますが、昨年よりもリクナビ他就職サイトと「みん就」に代表される口コミサイトに情報が集約されているのではないかとも想像しています。

上記データには05生の年間を通じた登録状況のグラフも入れてあります。最終的には330名以上のフォーラム未参加者が広告労協のワンポイントアドバイスなどへの応募があり、多くの方々から「ぜひフォーラムに参加しておきたかった」との感想をもらっています。今からフォーラムに参加するベネフィットは極めて大きいものだと確信しています。

今年は例年の欠席率を見込んで多少多めに応募を受け付け、応募終了後のキャンセル待ちは一切受け付けないこととしています。また申し込み時のエラーに気づかず未だ再申込をしていない人もいます。参加申込がまだ06生は一刻も早く、しかし正確に申し込んでください。

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2005.01.11

成人式とアルコール。

成人というのは歴史的にも重要な通過点であり、現代でも法律上の責任が発生する大事な区切りです。しかし「成人式」というイベントはマスコミにとって「荒れる風景」のクローズアップのためにあるとも言えるでしょう。今や視聴者もそれを期待しているのかもしれません。

 <成人式>150万人が大人の仲間入り 三宅村は都内で開く((毎日新聞) - 1月10日19時50分更新)

■暴れる新成人
 9日に式があった青森市では、新成人の男がイベントの行われているステージに上り、踊り出した。すぐに係員に下ろされたが、この男の仲間約10人はその後もバンド演奏中、ステージに向かって紙くずを投げるなど、式の進行を妨害した。
 また、那覇市松山の繁華街の路上では10日午前1時過ぎ、新成人の男が、酔った男性の保護をしていた警察官の尻をいきなりけり上げたとして、那覇署に公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。男は糸満市での式に出席後、友人らと飲酒。「別の警官から注意されたのでむしゃくしゃしてやった」と供述しているという。

マスコミがくるから、野次馬が集まるからという理由でエスカレートしているのかどうかは分かりません。しかし成人式は同郷の同級生の同窓会でもあり、一刻も早く仲間同士で語り合いたいと思うのは当然のことでしょう。挨拶がひたすら長いパーティのような成人式では円滑な進行も難しいと思います。

この日、もっとも眉間にしわを寄せているのはアルコールメーカー各社です。酒樽の鏡開き・一升瓶でラッパのみする若者の姿が、期待通りの「絵」で報道されます。アルコールが堂々と飲めることを誇示するがごとく、酔った上での蛮行が毎年繰り返されます。酒酔い運転による死亡事故も「間違いなく」起こります。この日は特定の世代にとって、もっとも死亡する確率の高い日なのかもしれません。

成人の日は「毎年予定通りに」アルコールメーカーの嫌うニュースが流れる日になります。私自身はテレビCMの放送管理の仕事に携わったことはないのですが、この日ばかりは番組提供やスポットCM放送を「あらかじめ」調整しているのでしょう。広告マンの仕事としては楽なのでしょうが。

本来祭事にアルコールは欠かせないものです。成人式はメーカーにもっとも残念な日になってしまっているのではないでしょうか。

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2005.01.10

なぜ広告労協は自由に就活支援ができるのか。

先日のコラムに書いたとおり、会社員という立場では一定規模以上の就活学生支援では、その会社の就業規則の制限という問題に直面します。それならば就業規則下におかれない労働組合という立場なら可能なのでしょうか。

電通労組やADKユニオンといった単体の組合が自社の志望者への支援活動をする大義名分も少なく、実施したとしても会社説明会との線引きもあいまいになるため、会社側も広報的観点からある程度のすり合わせを求めてくることになるでしょう。実際、組合の時間的・人的・金銭的負担も考えると実現は困難です。

このような壁を越え、労働組合の連携に着目したのが広告労協Fさんでした。彼は特定の会社でなく「広告業界で働きたい」という学生を、個々の組合の協力のもと広告労協が主体となって支援するという、かつてないスキームを創り出しました。その最初の試みが、2002年3月3日(日)に飯田橋で開催された「広告業界就職フォーラム2003」です。

F氏と親しかった私は、彼の構想を聞くなりぜひ参加させてほしいと申し入れました。必ず学生のニーズがあり自分たちは役に立てる、しかも労働組合活動としても意義があり個々の会社の干渉を受けずに独自のポリシーで運営できる、なにより若い人たちと接することで自分も学べることがある、私は一瞬にしてそう直感しました。案の定イベントは大盛況で、参加したスタッフもみな組合という存在がこのような形で若い世代へ貢献できることに驚いていました。

私を含め、広告業界就職フォーラムでのパネリストや模擬面接会の面接官は、原則としてすべて広告労協から各加盟労組への依頼によって協力している「組合員」です(したがって組合のない会社や広告労協非加盟の博報堂従業員組合からの参加はありません)。このため協力者はみな社員として個々の会社のことを話す立場にはありません。広告労協という枠組みがあるからこそ「広告業界で働く者」という立場から自由に発言でき、学生に貢献できるのです(もちろん自分の発言や行動には自己責任を負いますが)。

このように広告労協の新卒支援は自主的に活動できる一方いくつかの制限事項があります。このあたりの事情をよく理解した上で、広告労協の活動やイベントに参加していただければと思います。

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2005.01.08

就職支援と、就業規則。

社員として会社に勤務し給料をもらうためには、その会社が定めた就業規則に従わなければなりません。就業規則は就職する「前に」必ず提示され、それに合意することにより雇用契約が開始されます。

就業規則の代表的な項目は就業時間や有給休暇、給料の支払日や退職金規定、業務命令への服従や報告義務などですが、会社への届け出や許可がなければ禁止される事項も定められます。

同時に就業規則に関連し就業規則違反をした社員を処罰するための規定(懲戒規定、戒ちょく規定などといいます)も設けられます。懲戒規定により、違反社員の戒告、減給、出勤停止、降格、諭旨退職(ゆしたいしょく、自主的に退職するように諭す。退職金は支給されるのが一般的)、懲戒解雇(ちょうかいかいこ、会社側から雇用を解約する。一般的に退職金は没収)といった処分が下されます。

懲戒では業務上横領など刑事犯が対象になるのはいうまでもありませんが、「(社業に関することで)許可なくマスメディアに出演したり取材を受けてはならない」「届け出なく出版や講演をしてはならない」といった項目が定められていることが大半です。「広報も会社の業務のひとつ」と「業務上知り得たことの守秘義務」という、会社の根本的なルールがその原点にあります。また許可するかどうかは本人の希望や社会的意義の程度ではなく、会社にとっての(有形無形の)利益不利益という観点で判断されます。

インターネット就活全盛の時代、就活関係イベントでこの問題が発生することがあるようです。

OB/OG訪問程度なら慣習上問題視されませんが、不特定多数が参加する公募イベントに社名を使って無許可で出演したことが会社に分かると、会社から本人にクレームが入り場合によっては処分されることがあります。また少なからぬ謝礼を受け取っている場合は「金品授受、副業禁止」という規則違反も加わる可能性があります(もちろんあらかじめ会社から許可を得ていればなんら問題はありません)。

学生への就職支援は社会人側ができるボランティアとしてきわめて有意義であり、OB/OG訪問の受け入れなど無名の草の根活動は各所で行われています。しかし規模が拡大し一般にその存在が告知されるようなレベルになると「社員」と「個人」の線引きが必要になってきます。特に若い社員の方は就業規則に詳しくないので要注意です。

また学生側も、例え内輪のものだろうが社員が会社に許可をとっていようが、社員の個人名をネット掲示板に書いたりするのは論外であると心得てください。内輪の掲示板でもパスワード制限がない限り情報を公にさらしていることと同じです。主催している学生は、自分やスタッフが書かないことは言うまでもありませんが、参加した学生にも徹底するようにしてください。

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2005.01.06

フォーラム開催1ヵ月前。

あなたのために、様々な広告業界のOB/OGが10人以上週末に集まってくれるとしたら、まずあなたが今しなければならないことは何でしょうか。それはその日に向けた健康管理に他なりません。

東京・京都で開催するフォーラムの最大の特徴は、普段はライバル会社同士が業界で働く1プレイヤーとして一同に会し、パネルディスカッションの形式で皆さんに話しかけてくれるということです。今回はサイトを管理している一部スタッフだけでなく、広告労協を通じて各労組に依頼し、本当に貴重な土日を学生のために捧げていただける方だけに集まってもらいます。

申し込みの際「何回も開催してほしい」と書いていただける学生は多数に上ります。しかし会場の大小や費用とは関係なく、これだけ多くの業界の社員を動員して6時間に及ぶ講演をすること自体、気が遠くなるほどの調整が必要になります。

また「私の大学(や学部)には広告業界に行ったOB/OGがいないので紹介してほしい」と書いてくる学生はさらに多くいます。06生のOB/OG訪問状況アンケートをみるとまだ1人もあっていない学生が多数派です。努力不足ではなく本当に機会がない学生もいるのでしょう。そもそもそういう学生のために現役社員を集めたのがこのフォーラムであり、それ自体が大規模なOB/OG訪問会なのです。

広告労協が有料イベントを開催するのはこの2回のフォーラムだけです。この機会を逃さないよう、ちょうど1ヵ月前の「今から」健康管理に努めてください。

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2005.01.04

GIVE & TAKE。

2月6日、20日に開催する就職フォーラムへの応募がだいぶ増えてきました。申込フォームに多くの学生が「広告業界の採用情報・スケジュールを教えてください」と希望を書いてきます。ここでひとつ誤解を解いておきたいと思います。

広告労協の就職イベントやウェブサイトは、会社から独立したボランティア活動であるため、基本的には会社に取材することもありません。いくら各社の労働組合だからといって採用情報を知り得る立場にも影響できる立場にもありませんし、仮に通常知り得ない情報を知ったとしてもオープンな場で発表できるわけがありません。

過去の選考スケジュール「ほぼすべて」参加している学生の実名での情報提供によって成り立っています。特にエントリー以降の情報は学生の協力がなければお手上げです。ことリアルタイムなことについては、スタッフの情報は皆無です。しかしもらった情報は基本的にはその日にスケジュール表にアップしますので、動きがあったことの参考にもなります。

広告労協の就職支援はスタッフと学生との「GIVE & TAKE」です。与えるだけの活動ではありません。ボランティアスタッフは皆さんからの情報をもとにスケジュールをまとめ、公開・非公開のアドバイスやイベントを臨機応変に実施します(このため報告時に携帯番号を記入してもらっています)。学生はスタッフの情報をもとに選考に取り組み、合否にかかわらず面接内容や次回スケジュールを提供します。そして業界内外にかかわらず納得いく就職活動をすることで学生も手助けした私たちスタッフも喜びを「TAKE」し、さらにはそこでの情報をまとめて後輩に「GIVE」していくのです。

就職フォーラムサイトや本blogだけでなく、過去2年分の選考スケジュールや内定者の体験記など、06生の方々は「TAKE」するだけでもかなりの量があり、もしかしたら満足するかもしれません。しかしGIVEすることを決して忘れないでください。GIVEが途絶えると、この活動自体も途絶えます。

提供された情報の信憑性は、実名を前提に複数の学生からの情報を総合して判断していますので、同じ情報がいくつあってもかまいません。ぜひご協力をお願いします。

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2005.01.02

両親と話をしておかなければいけないもう1つの理由。

就職活動の際、社会人とのコミュニケーション力を養うため、OB/OGだけでなくまずは自分の両親や彼女の両親と話をすべきだと、過去のコラムに書きました。

しかしこれ以外にも両親と十分就職の状況を共有すべき理由があります。それは「採用担当が自宅電話に掛けてくる可能性」です。

最近でこそ学生への連絡手段として携帯電話が公認されてきましたが、いまでも固定電話を履歴書に書かせている場合も多いでしょう。緊急時などなんらかの理由で採用担当はあなたの自宅に電話を掛ける可能性は否定できません。

そのときあなたがその会社のことを両親と共有していなかったらどうなるでしょう。昨今自宅にはセールス電話しかかかってこないということもあります。あなたの両親がぶっきらぼうな出方をしないとも限りません。ベンチャー企業など無名であればあるほどその可能性が高いといえます。

また仮に情報を共有していたとしても、両親がその会社に好意を抱いていないということも考えられます。採用担当が自宅に掛けた電話にそのような親が出たら敏感に感じ取るものです。

選考中の会社のことを両親ときちんと話しておくことは、特に自宅から大学に通っている女子学生と、地方大学に自宅から通っている男女学生に重要です。採用試験も最終段階になってくると、本当にその学生が入社してくれるかどうか、会社は確信を得たいものです。それが自宅女子学生や地方学生だと本人の意志以外にも家族の同意や支援が得られているか、気にするのは当然のことでしょう。

きちんと親と話ができているかを確かめるには、自宅に電話をしてみるのが一番です。そのような時のためにも、やはり学生は両親とは話をしておかなければいけません。特にある程度選考が進んだところは必ず報告をしておくべきでしょう。そして万一電話がかかってきたらとにかくていねいな対応をするようお願いするしかありません。

人事からかかってきた電話に母親が「あ、***さんですね! 大変お世話になっております。娘(息子)が御社のことをいろいろ聞かせてくれました」などとちょっとでも言ってくれれば、あなたの内定をどれだけ後押しすることができるでしょう。あまりウソくさいのもいかがなものですが(苦笑)。しかしそれだけきちんと親と話ができていることには間違いありません。

就職活動の最初の登竜門は、どうやら家の中にあるようです。広告業界でいえばシーズンが本格化するのは3、4月ごろです。今年の正月には実家でじっくり話をしてきてください。

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2005.01.01

「役員=お父さん、人事=お母さん」論。

新年明けましておめでとうございます。

2003.10.25に発表したコラムを、本日再掲載します。お正月の今日、実家に帰っている学生も多いでしょう。多くの05生が役員面接の前にプリントアウトして読み返したという本コラム、ぜひご両親といる今の時期に読んでいただければと思います。



●なぜ役員面接で落選者が出るのか?

広告代理店に内定した03生の男子学生に、「どの段階で内定の手応えがあった?」と聞いたところ、「役員面接の段階まで来たら、人事の方は自分の味方なのだと実感しました。」と答えていました。学生にとって一方的に見える採用活動ですが、彼の言葉で採用する側にとっても極めて人間的な思惑や感情があるものなのだと思いました。

事実上の最終試験である役員面接は、人事が経営陣に対して「これだけいい学生を残してきました。」ということを示す、「採用当局自身のプレゼンテーション」ともいえます。人事は現場のニーズや将来の成長計画に基づき、必要な人材像と応募学生を照らし合わせ、様々な能力・実績・個性を持った学生を厳選します。人事は採用のプロですから、人事のお眼鏡に最後まで残った学生は、全員採用してもそれぞれが十分通用する力を持っているはずです。

では、なぜそのような学生たちからも最終面接で落選者が出るのでしょうか。

●人事が役員に最終面接を「させる理由」。

役員という人々は責任ある立場であると同時に極めて多忙であり、事務方がぎりぎりまで検討を重ね下準備をしたものを、短時間の取締役会で議論・決裁するのが常です。たいていの場合議案は絞り込まれ、YesかNoか分かりやすい判断を出すだけとなっています。

採用(労働契約締結)も重要な役員会決議事項の一つです。しかし、労働契約が通常の契約行為と決定的に違うのは、憲法第22条「職業選択の自由」の精神に基づき、労働者は「いつでも」「何の損害賠償もなく」雇用契約を破棄することができるということです(民法第627条(期間の定めのない雇用の解約)労働基準法第16条(賠償予定の禁止))。採用内定も労働契約の一種と見る判例が確立されており、内定者がいつでも辞退できる根拠となっています。

経営が下した決定・方針は従業員にとって絶対です。しかし採用に限っていえば経営判断も一介の学生に簡単に一蹴されることもあり、人事の幹部にとっては上司たる経営者の決定を実現できない恐れがあるわけです。最終面接に残るような優秀な学生であれば、他社にも内定をとり辞退するという確率もますます高くなっていきます。

したがって、人事がいかに素晴らしい人材を発掘してきたとしても、採用予定人数だけを役員面接に送りこむわけにはいきません。役員に採用予定数以上の人数と面接させ、一定の人数を落とさせるのも、人事が役員に採用の最終的な判断をゆだね、責任をとってもらうためだと考えられます。

●役員は何を基準に当落を決めるのか。

役員は応募総数のうちの何人が最終に残ったか知っており、個々のプロフィールの簡単なレクチャーを受けていることも想定されます。最終に臨む学生として「それなりに優秀である」ということが人事当局によって保証されていると認識しているわけです。

では、厳選された学生を前に最終判断を迫られる役員は、どのような視点で学生を見、選んでいくのでしょうか。それは、ひとこと、「印象」です。

面接の場で役員の考えていることは、

(1)極めて優秀な学生には「本当にうちに入社するのだろうか。」

(2)ボーダーライン上の学生には「本当に現場で通用するだろうか。」

(3)すべての学生に対して「うちの社風に合うだろうか。」

の3つに絞られるといっても過言ではありません。そして、面接を通じ、極めて「直感的に」判断しているのです。

このように、通常の選考過程と役員面接は全く種類の違うものであることが分かると思います。最終面接までこぎつけるが、役員面接がうまくいかない、という学生の方は、まずこの背景を理解することが大事でしょう。

●男子学生にとって、役員=彼女のお父さん、人事=彼女のお母さん。

この構造は、男子学生にとって「彼女の母親には気に入られても、父親とはうまくいかない」というのにとても似ています。

母親は娘の彼氏と接するときに、彼のいい点を細かいところまでいろいろ見出し、父親にもいいところを説明して勧めてくれます。一方、父親は彼の細かいところには興味はなく、「この男は娘にふさわしいかどうか」「娘を傷つけることがないか」といった印象しか見ないといったことはよくあるケースです。初対面の父親にあなたの細かい点をアピールしても、相手はそんなことそもそも聞いちゃいないのです。

彼女の母親があなたのいいところを見出してくれるように、人事はあなたのことを多角的に評価しています。しかし、彼女の父親があなたを「印象」で評価するように、役員はあなたを「印象」で判断しているのです。

役員面接で細かい点に拘泥したアピールは逆効果です。むしろその会社の「社風」に合っているか、元気はあるか、逆境に耐えられるか、といったことを、彼女の父親にアピールするがごとく、明るく大きく答えてみせることが大事だと思います。

●女子学生にとって、役員=自分のお父さん、人事=自分のお母さん。

女子学生にとって人事が彼氏のお母さんだとするなら、人事=姑になります(苦笑)。むしろ女子学生にとっての役員や人事は、「自分自身の両親」のようなものなのではないでしょうか。

両親にとって自分の娘を社会に送り出すということは、結婚よりも不安なことなのかもしれません。特に忙しい業界や、転勤もありえる会社などへの就職は、社会人の先輩たる父親は特に心配するものです。

役員も人の親です。もっとも身近な女子学生は、自分の娘だけかもしれません。人事や役員があなたのことを、両親と同様の視線で見ている可能性は高いでしょう。社会はあなたが思っているほど甘いものではありません。採用当局はあなたが「社会や仕事の厳しさについていけるかどうか」を見極めるために選考を繰り返します。役員面接ではもっともその傾向が大きいのではないでしょうか。

女子学生がもっともアピールすべきことは、「社会への巣立ちに向けた決心」です。人事の選考・役員面接で成功するためには、まず自分の両親に自分の好きな広告業界に行く決意をプレゼンし、見事に勝利することが必要です。その経験から生まれる「自信」は、必ず人事・役員に届くと確信しています。

●就職活動は、まずは自分の両親と話すことから。

文頭に書いたとおり、採用活動は採用する側にとっても極めて人間的なものです。決して筆記や英語の点数の大小だけで決まるものではありません。「印象」や「自信」といった、計量できない要素をいかに大きく身につけるかが、最終的な役員面接を突破する力になります。

そのためには、男子女子問わず、まず自分の両親と徹底的に話し合ってください。両親こそ広告業界を「印象」でしか判断していないかもしれません。そんな両親に自分のやりたいことや将来像をきちんとプレゼンし、最大の応援者になってもらうこと。それがあなたの就職活動をもっとも後押ししてくれるのではないでしょうか。

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