OB訪問・OG訪問より、大事なこと。
このボランティア活動にはまっていく中で、今の学生の実態に直接触れることができ、私自身大きなカルチャーショックを受けることもしばしばとなっています。その中でも、「少子化・核家族化」と、「ケータイ・電子メール」が、いかに彼らのコミュニケーション文化を変えていったかということを実感しています。
その中でも、「今の学生は、それまで社会人と話す機会がどれだけあったのだろう」という点に興味があります。今社会人を目指す学生が、そもそも社会人という世界をどれだけイメージできているのだろうか、数々の学生と接していううちに、そう思うようになってきています。
ケータイ・電子メールがない時代には、親と同居している彼女に連絡をとるためには自宅に電話をするしかありません。そこで避けて通れないのが「彼女の両親が電話に出る」ということです。多分私たちの世代はこれが最初に直面する社会人の壁であり、どのように挨拶をするか、いやな反応されたらどうしようか、などと、コミュニケーションの方法を自分自身で研究せざるを得ない局面に追い込まれます。
今の時代は、最初からケータイ・電子メールがあり、親を経由しなくても直接相手とコンタクトをとることができます。私のような世代からはとてもうらやましいことではあるのですが、彼らは「恋人の親」という最大の社会人の壁の存在すら知らず、就職活動になるまで、同世代間のコミュニケーションだけで突っ走ってきているのではないかと思っています。脚本家の三谷幸喜は、この「恋人の間にある『親』というコミュニケーションの壁」というシチュエーションが現在無意味となってきているため、過去の台本の価値が下がってきていると言っているそうです。
また、私自身地方出身であり、近所の人はみんな親の代以前から知っているという環境で育ったため、都会の少子化・核家族化で地域との交流がない状況では、社会人とのコミュニケーションの絶対量が少ないと実感しています。社会人とは言い換えれば、広告人にとってはクライアントにも消費者にもなりえる人たちであり、その人たちとコミュニケーションをとったこともない人が、いい広告人になれるはずがありません。
広告業界のOB/OG訪問をするのも重要です。しかし、学生のみなさんは、そもそも社会人とのコミュニケーションが全く足りていません。OB/OG訪問よりももっと重要なのは、できるだけ多くの社会人と話しておくということです。
どんな会社の人でも構いません。できれば係長・課長・部長といったポジションの人とたくさん話してみてください。広告業界ではなく他の業界の人と話をすることは、将来のあなたの広告人としての仕事をイメージさせます。広告人になれば、プレゼンテーションは最後の社長プレゼンまで現場がやるのです。この業界にOB/OGがいなくても、この観点に立てば、意義のある就職活動はいくらでもできます。今すぐ自分の両親や親戚に相談し、紹介してもらってください。話した数だけ、広告人としてのイメージが湧くと思います。
そして、一度あなたの付き合っている人の両親とも会ってみたらどうでしょうか。この局面でのコミュニケーションを工夫しない人はいません。追い込まなければブレイクスルーできないこともあるのです。これは最初の1回が重要です。ぜひ、チャレンジを(笑)。
※2003.02.01に発表したものを加筆・修正。
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