「割り勘OB・OG訪問」のススメ。
(1)学生・社会人にとっての、OB・OG訪問の問題点。
OB・OG訪問が就職活動に重要なことはあらためていうまでもありません。しかし、OB・OG訪問には、学生・社会人側にそれぞれ問題もあります。
<学生側の問題>
- 自分の先輩や縁故関係といった、偏ったコネクションでのOB訪問になる。
- たまたま会った先輩の話だけでは、視野が広がらない。
- OBがいない会社の社員に会うことはできない。
- 関係の薄い先輩を見出すのは困難。
<社会人側の問題>
- 1人相手にしようと、複数人相手にしようと同じ。別々に訪問されるほうが時間的負担が大きい。
- 一方、複数の学生を相手にすると、食事やお茶代の負担もバカにできない。
- 関係の薄い学生から無秩序にOB訪問の申し入れがあっても困惑する。
特に、学生側も社会人側の問題点を認識しているために、遠慮することでOB訪問自体の機会が少なくなっているという悪循環になっているということも考えられます。
(2)学生・社会人の間で、OB・OG訪問の「メソッド」を整備へ。
しかし、社会に出ようとしている学生に、先輩たる社会人が協力するのは当然のことです。また、学生にとって就職活動に切磋琢磨できる仲間の存在が必要であり、さらにはそこでできた友情は一生モノとなっていることも多く見られます。
これらのことから、学生・社会人間のOB訪問の「メソッド」を整備することが、学生のよりよい就職活動のために有効なのではと考えています。
(3)「割り勘OB・OG訪問」のススメ。
このコラムでは、「機会」と「費用」をシェアする、「割り勘OB(OG)訪問」というメソッドを提唱します。
●「機会」の割り勘。
「4~5名程度」としたのは、社会人側の受け入れ人数の常識範囲と、学生全員が主体性をもって動ける人数の限界を想定したものです。
●「費用」の割り勘。
しかし、学生から「割り勘」といわれて、いったん断らない社会人はいません。社会人に「費用のことは気にしなくてもよい」と言われたら、
「『割り勘OB(OG)訪問』は、機会と費用の2つを割り勘にすることで、多くの社会人の方と会うための自主的なルールなのです。大勢で押しかけるご迷惑をおかけしますので、ぜひ費用は割り勘で負担させてください。」
と、再度念を押してみましょう。快く受け入れてもらったとしても、複数名で来ることが先にわかっていれば、会社の会議室などをとり、会社のお茶などを出すなど、学生の費用が発生しないようにすることもできます。
また、実際に外の喫茶店などで会った場合には、何を言われても学生分は自分たちで支払ってください。そのためには、幹事が段取りよくお金を出してください。各人でメニューが違っても、だいたいの金額合算をさっと出しましょう。「経費で落とすから」といわれたとしても、そもそも本来経費で支払えることではありませんし、経費節減はどの会社も極めて厳しい状況にあります。したがって、結局相手はすべて自腹で支払うことになります。このようなことを理解したうえで、大勢で訪問させてもらったことを前提に、学生分は必ず自分たちで支払うという原則を貫いてください。なお、社内で出たコーヒーなどに支払う必要はありません。
(4)「割り勘OB・OG訪問」で、社会人の受け入れの拡大へ。
この考え方は、広告業界へのOB・OG訪問に限ったことではありません。また、このような動き方を、すでに自主的にやっている学生もいるでしょう。
このコラムでは、むしろ「社会人側に」学生の就職活動をもっと認識してもらい、協力・支援してもらうムードをつくることを意図としています。このような形で申し込んでくる学生を暖かく受け入れてくれるよう、今後広まっていければと思います。
※2003.11.30に発表したものに加筆・修正。
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