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2004.09.20

ロックアウトとプロ野球。

ストライキは労働者側が集団で労働提供を拒否することですが、ロックアウトとは使用者(経営者)側が争議中(ストライキなどを実行中)の組合員を事業所に入れないことを言います。

ロックアウトについて日本労働研究機構の解説には

労働組合が争議に入った場合、原則として、会社が対抗して、操業を継続すること自体は禁止されていませんが、争議時に、新たな職業紹介を受けたり、派遣労働者を受け入れたりすることは禁止されています。なお、部分ストやサボタージュに対抗して、一定の場合、ロックアウトをすることはできますが、ストを潰すため先手を取る形の積極的なロックアウトは認められません。

とあります。すなわち労働者がストライキをしても、管理職などの非組合員だけで事業を継続することは会社として認められており、争議中の労働者がその邪魔をしないよう事業所から排除するために、ロックアウトという手法を使います。

今回、日刊スポーツが「巨人ドタバタ、深夜ロックアウト→朝解除と報じました。

 ナゴヤドームで首位攻防戦に臨むはずだった巨人ナインは、球団側のロックアウトの対応に際し、ドタバタの一日を過ごした。前日17日夜、協議・交渉委員会終了をもってスト突入が決まると、選手にロックアウトの措置をとるとの通達がなされた。都内で労使交渉に出席した選手会長の高橋由と同副会長の仁志には、フロントから電話で連絡が入った。広島から名古屋に移動していたナインには、宿舎の各部屋のドアの下に書面が差し込まれた。ナインは、移動や用具など、すべて自前で対応するつもりで、この日の朝を迎えた。ストを実感する目覚めだった。

ところが、球団側の対応が二転三転する。この日の朝、ロックアウトが解除された。午前9時40分の段階で、午後4時前からのナゴヤドームでの自主練習に、堀内監督以下、首脳陣も参加する予定となった。試合はないが、通常の練習風景が目に浮かんだ。

しかし、またも事態は動く。正午前、清武球団代表が都内から駆けつけ、スト突入の経過をナインに説明。その後、今度は監督、コーチの不参加が正式に決まった。清武代表は「われわれは『ロックアウト』という言葉は使っていない」と、ロックアウト行使を認めなかったが「(ストは)初めてのことなんで」と、対応に苦慮したことを明かした。

結局、練習は選手と球団スタッフだけで行われ、一方でナゴヤドームへの移動バスや宿泊費、ユニホームなどは、通常の遠征と同様にすべてを球団が負担した。

また、2軍選手も“慣れない”一日のスタートだった。午前9時から川崎市内の選手寮に待機。10時になると、寮の館内放送で「(ロックアウト)解除です」のアナウンスが響き、25選手はジャイアンツ球場での練習へ向かった。プロ野球70年で、だれもが初めてのスト決行日。慣れたくないことだけは、確かだった。[ 9月19日 9時58分 更新 ]

巨人では実際にロックアウト(相当)のことを実施しようとしたようですが、相当混乱したようです。他球団でも大半の球場がロックアウトとなりませんでした。このため選手たちは練習風景をファンに開放し、また球場でサイン会など選手自身によるファンへの埋め合わせをしています。以下はこの18、19日に行われた選手会によるイベントです。

横浜ベイスターズ・広島東洋カープ選手会サイン会のお知らせ(時間変更)
中日ドラゴンズ・読売ジャイアンツ選手会 お子様との交流会のお知らせ
北海道日本ハムファイターズ選手会・大阪近鉄バファローズサイン会
9/19(日) ファンと選手の集い 緊急開催!
横浜ベイスターズ・広島東洋カープ選手会によるサイン会(9/19(日)も行います)
オリックスブルーウェーブ選手会サイン会のお知らせ

球場も球団自体が保有している場合が少ないため、選手のこのような活動を排除する必然性がありません。このような動きを球団側が制すればむしろさらに世論の反発を受けることは必至であり、球団もなんら対抗措置をとれていないという状況なのだと思います。もっとも注目される巨人選手会の動きですが、ナゴヤドームでの試合だったことがとりあえず幸いだったのかもしれません。

焦点が「新規参入の早期検討」に絞られ、12球団オーナーの密談による合意が今後どのようになるか、選手会だけでなく今や何千万人の国民に注視されています。「経営の専権事項」という言葉が「経営の独裁権」と聞こえているのは私だけでしょうか。

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コメント

 もう一つ(二つ)の視点。
「プロ野球選手は労働者ではなく個人事業主ではないのか」
「球団(会社)経営の運営、例えば合併については労使交渉になじまないのでは」という意見に関していえば──。

 前者については「ハリウッドの俳優たちにも組合があり映画会社にたいして強い力を持っている」という事実があります。
 後者についても、かつてドラフト問題が起こったとき「球団に就職するのか、それともプロ野球業界に入るのか?」という問いかけがありました。(ドラフト制そのものは後者の立場ですね)

 つまり、選手や俳優がいかに高給をとっていようと、野球や映画は「一人ではできないし、創れない」し、さらに野球は1チームでは出来ない(しかも“偶数のチーム数がベスト”)わけで、球団の合併という事態は十分に「労働条件の変更」に値すると思います。

 さらに言えば、一般の企業や銀行が合併したってサービスが向上すれことは消費者にとって望ましいかもしれませんが、多くのプロ野球ファンが近鉄とオリックス(球団)の合併を望んでいないわけですから。

 そんなに「合併」したいんなら、とっとと近鉄とオリックス(会社)が合併しやがれ(笑)

投稿: 挨拶専用85 | 2004.09.20 09:37

 たまには我が国のライオン丸もいいことを言うw

     小泉総理大臣は大リーグのヤンキース戦を観戦した
     後、記者団に対し、史上初のストライキが行われた
     日本のプロ野球について「新規の参入も認め、チー
     ムの数が縮小するのではなく、拡大しながら盛り上
     げてほしい」と述べました。

 また、
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20040919&a=20040919-00020647-jij-spoでも、

  古田会長、焦点は「新規参入」=22、23日に名古屋で交渉へ-プロ野球スト

とあり、流れが見えてきました(?)ね。

投稿: 挨拶専用85 | 2004.09.20 10:03

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