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2004.09.22

業績連動とプロ野球。

現在賞与や年俸などの労使交渉は、多くの場合「業績連動」の考え方によって行われています。具体的には、全体の賞与原資は売上総利益や営業利益などの経営指標に連動して決め、その後個々に配分するというものです。

景気が右肩上がりの時には、より多くの賞与原資を獲得していくことが労働組合の役目でしたが、景気が悪くなってくると逆に大幅カット、リストラを避けることができません。「悪い時には下げてもよいが、よくなったら上げることを約束する」という労使の「ルール」をあらかじめ作ることで、大枠での金銭交渉はなくし、「ストライキ」といった争議もなくなります。

業績連動のルールを合意している企業では、労使が「全体の業績を上げる」ことを至上命題として共有することができます。同時にいかに会社を成長させていくかが労使交渉の中心として団交の場で議論されます。これは現在の労働法の「義務的団体交渉事項」には該当しないでしょう。しかし、労働組合が金銭に関する最終手段ともいえるストライキ権を事実上放棄するためには、従業員にも経営がオープンにされ、将来の発展のための知恵を従業員側も出す権利を担保されなければいけません。会社が間違った方向に行くことは、業績連動のルールをも狂わせることになります。

職業としてのプロ野球は事実上1つの事業体であり、その経営方針はNPBが独占しています。選手もドラフトという制度により原則として自由に球団を選ぶことはできず、個々の球団は1部署に近い位置付けといえます。セリーグ・パリーグも全体を効率的に盛り上げるための単位に過ぎず、競争原理でどちらかが一方を駆逐していく類いのものではありません。

このように考えていけば、プロ野球全体を盛り上げることがNPBの基本的な役割であって、縮小の方向を選ぶのは「乱心」ともいえる間違った事態です。選手会は今回近鉄・オリックスの個別問題として扱わず、プロ野球全体の問題として団体交渉をしているのは極めてまともな判断であるといえるでしょう。

日本プロ野球選手会のストライキが「義務的団体交渉事項」に該当せず不当・違法な行為であるとNPB側は考えているようですが、日本で唯一の職業野球の団体が事業体が今後どのような方向性にいくかチェックし、間違っているならば正さなければいけないことを、選手会は後世への義務と考えています。すでに当面の雇用確保をすればよいというレベルではありません。どんな脅しがあろうと、今は可能な手段はすべて実行すべき時期です。

同時に選手の方も、セリーグの人気球団に行けば高い年俸がもらえる、といった考えを一人一人が変えていかなければいけない時期にきていると思います。年俸をNPB全体でプールするなど報酬制度改革に自ら提案をし、放映権を一括管理・戦力の均衡化をNPBとともに進めていかなければいけないと考えます。

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