垂直展開と水平展開。
アップセル・クロスセルより大きい概念として、垂直展開・水平展開という言葉があります。
垂直展開とは現在もっている技術やブランドをさらに深化させ、そのジャンルでより強固な地位を確保することです。この代表はCPUメーカーのインテルといえるでしょう。インテル創業者が提唱した「ムーアの法則」はマイクロプロセッサにも当てはまると言われますが、実際は厳しい競争下の不断の垂直戦略によって自ら成し遂げてきたものといえるでしょう。
一方水平展開とは現在もっている技術・ノウハウやブランドを他のジャンルに転用し、より幅広い市場で利益を上げていくことです。この代表はアマゾンに他なりません。アマゾンはまずはオンライン書店として創設され、ITを活用したCRMで絶大なる顧客満足と巨大な市場と得ました。そしてそのノウハウを書籍以外の商品にも拡大し、世界最大のネットショッピング会社となりました。
アマゾンがbook.comのような安易なサービス名にしなかったのは、当初から総合ショッピングサイトとしてのブランド化をねらっていたからだと言われています。これが本当だとすれば、そのビジョンの壮大さには感嘆せずにはいられません。
最近では2003年7月にDell Computer Corporationが社名をDell Incに変更しています。これもコンピュータ以外に液晶テレビやPDAなど他のジャンルも扱っていくという「水平展開」のためだと考えられます。
強固なブランドにとって水平展開は極めて魅力的です。しかしユニクロの食品事業のように、有名ブランドだからといって必ずしも水平展開が成功するわけではありません。ソニーのように電子機器からゲーム・音楽・映画などコンテンツに至るまでの水平展開は、ただ他の市場でも利益を得るというだけでなく、同社の統合的なブランド戦略に基づく事業拡大といえるでしょう。
水平展開が成功してはじめてブランドの本領発揮といえるかもしれません。
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