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2004.05.02

アップセルとクロスセル。

マーケティング用語にアップセルとクロスセルという言葉があります。アップセルとは既存顧客に「より上位のもの」を購入してもらうこと、クロスセルは既存顧客に「別な商品」も購入してもらうことを意味します。これらは購買履歴データベースを活用したCRM(Customer Relationship Management)の基本的な考え方です。

自動車販売はアップセルの代表的な例です。顧客が最初に購買した車を車検や定期メンテナンスでリレーションを保ちつつ、より上位の車の購入を勧めていく、という手法です。下取りも上位車を購入する上でとても効果なビジネスといえるでしょう。

クロスセルの代表は「ご一緒にポテトもいかがですか?」のマクドナルド、といいたいところですが、年中誰にでも定型的に勧めるという点ではCRM上のクロスセルとは言いづらいでしょう。

クロスセルの成功例は、オンラインショッピングサイト「アマゾン」が挙げられます。オンライン書店としてスタートした同社は、顧客の希望する作者やシリーズの新作が発売されると個人宛にメールで「連絡」します。同時に購買履歴から趣味志向を把握し、同じジャンルやその顧客が好みそうなジャンルの新作が出れば、顧客にそれらを「レコメンデーション(推薦)」して購買を促進(クロスセル)していくのです。

書籍という分野は積極的な推奨活動で興味を喚起できればいくらでも購入につながる可能性があります。この点で同じCRMでも自動車や生命保険のように長期的で高額商品分野に比べ短期的に収益を上げることができます。

パレートの法則は2割の優良顧客が8割の利益を創出しているとしています。しかし特にITを活用したone to oneのコミュニケーションで残りの顧客層のアップセル・クロスセルが可能になれば、優良顧客の層が厚くなり、効率的に利潤をあげることができるでしょう。

既存顧客になっていない人々を獲得することはマス広告の重要なミッションですが、一旦獲得した顧客はCRMによりアップセル・クロスセルをかけていく。これも私たち広告業界が提案しなければいけないことです。必ずしも媒体を売ることだけが広告代理店の役割ではありません。

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