« ファクスかファックスか。プリンタかプリンターか。 | トップページ | 被告人がCMに出演。 »

2004.01.26

新聞雑誌はどこまで広告を増やせるか。

放送法下の許認可事業である放送局と違い、新聞や雑誌はジャーナリズムとしての独立性が高く、法律の制限を受けにくいメディアではあります。しかし、いくつかの法律には影響を受けます。その一つが「郵便法」です。

雑誌の裏表紙(「表4(ひょうよん)」)や新聞紙面の一番上に「第三種郵便物」と書いてあるのを目にしたことはあるでしょうか。第三種郵便の指定を受けると、日本郵政公社「第三種郵便物の料金割引」にあるように、郵送料の値引きが受けられるのです。

対象となる条件は、郵便法第23条(第三種郵便物) で定められています。


第二十三条 (第三種郵便物)  第三種郵便物の承認のあることを表す文字を掲げた定期刊行物を内容とする郵便物で開封とし、郵便約款の定めるところにより差し出されるものは、第三種郵便物とする。
○2  第三種郵便物とすべき定期刊行物は、公社の承認のあるものに限る。
○3  公社は、次の条件を具備する定期刊行物につき前項の承認をする。
一  毎年一回以上の回数で総務省令で定める回数以上、号を追つて定期に発行するものであること。
二  掲載事項の性質上発行の終期を予定し得ないものであること。
三  政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的とし、あまねく発売されるものであること。
(以下略、下線筆者)


すなわち、第三種郵便という特別な料金体系を適用する主な理由は、「政治、経済、文化その他公共的な事項を報道し、又は論議することを目的」とする部分があるからといえます(参考までに第二十六条に定められている第四種郵便物は教育、通信教育、盲人用点字などに適用されるものです)。

この条項があるために、新聞・雑誌はその構成の中で広告部分を50%以下とすることが通例となっているのです。これに反すれば、第三種の認可が取り消され輸送コストが跳ね上がることになります。

では、リクルート社の雑誌のように、内容のほとんどが広告の場合はどうなのでしょうか。これは個人的な推定ですが、リクルートは同社の雑誌はその全体が経済、文化、公共的な情報だという位置付けているのだと思います。例えば求人情報だけの雑誌を買ってまで読む読者がいる以上、公共的な事項ともいえるでしょう。その情報を有料で掲載している行為自体を広告と捉えるかどうかについては、高度な法解釈議論と、規模のビジネスをもって(当時の郵政省と)交渉したのではないかと想像しています。

輸送コストも削減し、雑誌としての利益率は他の雑誌より格段に高い。広告物としては極めて定型的なものであっても、全体としては販売できるまでのコンテンツになっている。リクルート社の作ったビジネスモデルは、一種の発明ともいえるのかもしれません。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4124/135769

この記事へのトラックバック一覧です: 新聞雑誌はどこまで広告を増やせるか。:

コメント

コメントを書く