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2003.12.28

ネーミングという、付加価値。

商品はそれ単体では発売できません。商品自体に、「ネーミング」と「パッケージデザイン」を加え、世に出すことになります。いいかえれば、ネーミングもパッケージデザインも、商品に与える付加価値の一つといえるのです。

ライオンの新製品「ムシ歯になりやすい人のクリニカ」は、歯垢除去に歯の再石灰化を促進する機能を強化した商品です。

ライオンのプレスリリースを見ると、


成人においては相変らず100%近い人が、40歳までに虫歯を経験しており(1999年厚生省調べ)、当社意識調査でも、約70%の成人女性が自分は「虫歯になりやすい」と感じています(2002年)。


とあります。

この商品は、「ムシ歯になりやすい人」という、ターゲットを限定しているようなメッセージを商品名自体に入れ込むことで、「あ、それは自分のことだ」と気づかせる仕組みとなっています。しかし、上記リリースを見るまでもなく、誰でもムシ歯になる可能性があり、歯磨きの重要性は子供でも知っています。実はこの商品は、ほとんど国民全員をターゲットとしているわけです。

ふたを開けてみればなんて事はないことですが、それに気づき提案した人の貢献は絶大なものです。「ネーミング」という言葉の力が大きな価値を創造している、とてもいい例といえます。

今年ネーミングで爆発的に売れた代表例は、養老孟司の「バカの壁」(新潮新書)です。この本はネーミングで売れたと、作者の養老孟司氏自身が認めています。私見ですが、誰も自分をバカとは思っていない、思いたくない、自分はバカではない側にいるということを確かめたいために、バカな人もそうでない人もこの本をいっせいに読んだのではないでしょうか。

一般消費財の中で際立ったネーミングで有名なのは、小林製薬です。店頭戦略としても、一つのポリシーを感じられます。「小林くんの魅力 ( http://www.geocities.co.jp/SweetHome/4772/miryoku.html ) 」というサイトがとても面白くまとめています。

ネーミングはコピー、パッケージデザインはアートディレクションの一分野として、広告業界でも請け負っています。クリエイティブ、特にコピーライター志望の方は、一度ネーミングの世界も研究してみてください。

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