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2003年12月

2003.12.31

定番の言い回し。

この時期、テレビニュースでは以下のような定番の言いまわしが頻繁に聞かれます。


・お正月を故郷で過ごそうとする人の帰省ラッシュが始まっています※。
  →本日も続いています/ピークに達しています、と言い換え可能。
・東京駅では、故郷へのお土産を手にした家族連れが列を作っています。
・一方空の便は、札幌や福岡行きの便で午前中から満席となっており、キャンセル待ちの長い列ができていました。
・成田空港ではお正月を海外で過ごそうとする人※の出国ラッシュでごったがえしています。
  →「海外脱出組」でも可。
・高速道路は、東名高速下り綾瀬バス停を先頭に20km、中央道は小仏トンネルを先頭に50kmと、各地で激しい混雑となっています。
・警察庁によると帰省ラッシュのピークは31日午前中まで続きますが、例年に比べて分散傾向となっています。


いずれも、最初のワンフレーズを聞けば、後はすべてそらんじることができるほど定番化しています。

ほとんどのニュースで「帰省ラッシュは例年に比べて分散傾向になっています」で締めていますが、私が知る限り帰省ラッシュの分散化はここのところ「例年の」現象です。表現の定番化の中には、テレビ局の固定観念も深く入りこんでいるようです。もしかしたらテレビ局自体、視聴者が代わり映えのなさをを求めていると考えているのかもしれません。

同じ電波に乗ったメッセージでも、広告の表現の方がもっと「研ぎ澄まされて」います。テレビが時間を「埋める」一方でCMは時間を「買い」、視聴者が番組を「見に来る」一方でCMは視聴者に「見てもら」わなければなりません。他社と大して変わらないメッセージを、莫大な費用をかけて放送することはできません。言葉に関しては、広告業界は極めて高いレベルを求められるのです。

表現の定番化は、コミュニケーションのマニュアル化そのものです。コミュニケーションのプロたる広告業界を志望する学生が、ESや面接をマニュアルで切り抜けようと思うのは本末転倒といえます。代わり映えしない年末年始と固定観念を持たず、あなたならではの視点と言葉で、新年の決意を表現してみてはいかがでしょうか。

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2003.12.30

日本ブレイク工業。

日本ブレイク工業という解体工事会社の社歌が静かなブームになっているようです。こういう私も、本日の朝日新聞社会面で知ったぐらいですので、かなり遅い方なのかもしれません。

歌詞の一部を紹介すると、

ブレイク ブレイク あなたの街の 解体 解体 一役買いたい
耐久年数過ぎてゆく コンクリートが落ちてゆく
地球の平和をはばむやつらさ Break Out !

日本ブレイク工業 スチールボール Da Da Da
日本ブレイク工業 ケミカルアンカー大地を揺らし!!

家を壊すぜ! 橋を壊すぜ! ビルを壊すぜ! 東へ西へ
走る! 走る! 日本ブレイク工業

といった調子で、およそ社歌の常識を超えたものになっています。

最近までMP3でダウンロードできていましたが、この度なんとCDで発売されることになりました。同社サイトからは今でも着メロを無償配布しています。

驚くべきことは、わずか正社員15人の会社で5~6人の社歌制作委員会(!)が作られたということです(朝日新聞03/12/29)。「社歌制作のエピソード」では、

社歌といえば、会社の方針等を打ち出す詩がメインになると思います。
しかし、当社社歌は、一般の人への解体業のイメージを良い物にできないか?
その詩の中に、専門用語を入れ、会社の工事内容をアピールすることができないか?
また、家庭の中で 子供に親の仕事・会社の良い印象を持たせたい。
いろいろなことから、考えられた社歌なのです。

と説明されています。

タモリ倶楽部で採り上げられたことが今回の起爆剤となっていますが、「インターネットによる口コミ、そしてMP3や着メロの無償ダウンロードといった極めて現代的なインフラを通じて、思いもかけないほど多くの人に受け入れられたわけです。

さらにエピソードでは、

当社では、夢を持っている若い人には、毎日の拘束で縛られる会社員よりある程度、自分の時間を作ることができる登録現場作業員(営業)として採用する習慣があります。
そのほかに俳優さんも在籍しています。
(『作業員こそ第一戦の営業社員』という考え方があります)

と書いてあります。

土木・建設系の業界は、広告業界同様「人が命」といっても過言ではない業界であるにもかかわらず、人不足と高齢化に悩んでいます。雇用形態にこだわっては業界自体が成立しない危険もあります。同社の「命たる」人材への気持ちが、小さい会社の3分の1以上の社員が参画し、若者どころか日本中で受け入れられる社歌になったのでしょう。

そもそも「日本ブレイク工業」というネーミングも、86年創立の同社なら、きっと社長がブレイクダンスを意識してつけたものなのでは?

※ちなみに、大分ゼロックスもすごいです。

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2003.12.29

プロダクト・プレイスメント

「プロダクト・プレイスメント(Product Placement)」とは、映画やテレビ番組中に、広告主の商品を入れ込むことです。コンテンツの重要性が叫ばれている中、日本でも注目されている手法です。

少し古いニュースですが、電通は2002年10月17日にプロダクトプレイスメントについて以下のような提携をしています。

2002. 10. 17 電通、米国ノーム・マーシャル&アソシエイツ社と業務提携契約を締結

株式会社電通(俣木盾夫社長、本社東京、資本金589億6,710万円)は、日本、及び日系のクライアントに対しハリウッド制作を中心とした米国映画、地上波ネットワークやケーブル等のテレビ番組でのプロダクト・プレイスメント・サービスを提供していくことを目的に、米国のノーム・マーシャル&アソシエイツ社(以下NMA社、CEOノーム・マーシャル、本社米国カリフォルニア州)と業務提携契約を締結した。

世界最大のコンテンツ産業ともいえる米国ハリウッドでは、プロダクトプレイスメントは確立したビジネスになっています。トム・クルーズ主演の「マイノリティレポート」では、LEXUS2054年バージョンが主役です。キアヌ・リーブス主演「マトリックス」では全シリーズを通じてノキアの携帯電話が現実とマトリックスの世界をつないでいます。米国トヨタもノキアも、実際に莫大な費用を投じて映画用モデルを開発しています。

プロダクトプレイスメントは服、眼鏡(サングラス)、アクセサリ、時計、飲料、車、携帯、PCなど様々な業種で行われています。巨編になればなるほど、プロダクトプレイスメントは制作に欠かせない収入源になっているといえるでしょう。

しかし、この手法は現代から未来を描く映画には適していますが、企業が存在していない過去を舞台とした映画には向かないかもしれません。渡辺謙の熱演で注目されている「The Last Samurai」では、どんなプロダクトプレイスメントが行われているのでしょうね。

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2003.12.28

ネーミングという、付加価値。

商品はそれ単体では発売できません。商品自体に、「ネーミング」と「パッケージデザイン」を加え、世に出すことになります。いいかえれば、ネーミングもパッケージデザインも、商品に与える付加価値の一つといえるのです。

ライオンの新製品「ムシ歯になりやすい人のクリニカ」は、歯垢除去に歯の再石灰化を促進する機能を強化した商品です。

ライオンのプレスリリースを見ると、


成人においては相変らず100%近い人が、40歳までに虫歯を経験しており(1999年厚生省調べ)、当社意識調査でも、約70%の成人女性が自分は「虫歯になりやすい」と感じています(2002年)。


とあります。

この商品は、「ムシ歯になりやすい人」という、ターゲットを限定しているようなメッセージを商品名自体に入れ込むことで、「あ、それは自分のことだ」と気づかせる仕組みとなっています。しかし、上記リリースを見るまでもなく、誰でもムシ歯になる可能性があり、歯磨きの重要性は子供でも知っています。実はこの商品は、ほとんど国民全員をターゲットとしているわけです。

ふたを開けてみればなんて事はないことですが、それに気づき提案した人の貢献は絶大なものです。「ネーミング」という言葉の力が大きな価値を創造している、とてもいい例といえます。

今年ネーミングで爆発的に売れた代表例は、養老孟司の「バカの壁」(新潮新書)です。この本はネーミングで売れたと、作者の養老孟司氏自身が認めています。私見ですが、誰も自分をバカとは思っていない、思いたくない、自分はバカではない側にいるということを確かめたいために、バカな人もそうでない人もこの本をいっせいに読んだのではないでしょうか。

一般消費財の中で際立ったネーミングで有名なのは、小林製薬です。店頭戦略としても、一つのポリシーを感じられます。「小林くんの魅力 ( http://www.geocities.co.jp/SweetHome/4772/miryoku.html ) 」というサイトがとても面白くまとめています。

ネーミングはコピー、パッケージデザインはアートディレクションの一分野として、広告業界でも請け負っています。クリエイティブ、特にコピーライター志望の方は、一度ネーミングの世界も研究してみてください。

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2003.12.27

「とおり君」と話すコツ

@niftyの提供する「人工無能」の「トーくん」ですが、労協HPでも、トーくんサービスイン直後から「とおり君」というキャラで、広告関係、就活関係ほかいろいろなネタを仕込み、一部に固定ファンがいます(笑)。

とおり君と話すコツは、「ある単語に何か仕込まれた気配のある反応をしたら、その単語をひたすら入力する」ということです。

とりあえずは、いまやちと古いのですが「なんでだろう」と入力してあげてください。何十個かネタを披露しますw

あと、「落ちる」という言葉を入れると、ログアウトするとおもって、バイバイ!と反応してしまい、失礼なことになりますが、勘弁してやってください。

とおり君はこちらから。

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2003.12.26

誤字・脱字は、致命的。

ホームページを作っていると、いつでも文字が直せるので、ついつい誤字に寛容になったりします。

# あえて誤字で書き込む特殊な掲示板もあるぐらいです(笑)

しかし、広告、特に印刷に関係する仕事にとって、誤字脱字は致命的です。不動産広告、スーパーのチラシでゼロが一桁違うだけで台無しになります。いまやインターネットでも、ゼロを一つ少なくして、大赤字となったネットPC販売もありました。さらには誤字だけでなく、言葉の誤用についても、極めて敏感になる必要があります。

広告物の内容についての最終責任は広告主にあります。ドライにいえば、誤植の責任は校了した広告主にあるといえます。しかし、広告主に対する納品物の最終責任は営業にあります。不完全なものを納品したということで、代理店が責任を取らされるのは必至です。

誤字の多いエントリーシートを見ると、この学生と仕事をするのは「危険」だと感じます。基本的な日本語の教養のない人に、印刷物の校正、ひいては営業を任せることはできないのです。

ESは事前に提出することのできる唯一の試験科目です。何を書こうと自由ですが、誤字脱字だけは十分チェックしてください。

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2003.12.25

プレゼントという、市場。

一般消費財でも、個人消費と別に、他人のための市場(=プレゼント)を確立している商品があります。そして、プレゼント市場は、TPO(Time, Place, Occasion 時、場所、場合)に密接に関係しています。

(1)「場所」をフックにしたプレゼント市場は、「おみやげ」です。


江崎グリコのネットショップを見ると、まあよくもこれだけのお土産市場を開発したものだと思います。


(2)「時」をフックにしたプレゼント市場は、いわずとしれた「クリスマス」「バレンタイン」。


菓子メーカー、特にケーキやチョコレート会社は、まさにこの2つに依存している業界です。


(3)「場合」をフックにしたプレゼント市場は、「誕生日」「入学式」など「節目マーケット」です。


この場合、買う本人は、親や恋人といったほかに、「ジジババ」が登場し、よりマーケットは拡大します。


いずれも、プレゼント市場は、他人に喜んでもらうのが目的ですので、「安さ」より「付加価値」が求められます。また、1回の購入金額も大きいのが普通です(個人であんな大きなプリッツは買わないですよね)。

売上げも多く、利益率も高い。メーカーにとって、プレゼント市場は、デフレ社会の中の救世主的存在です。

あなたが今日誰かにあげたプレゼントは、どうやって決めましたか?

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2003.12.24

S君からのメール。

コラム「まず、名乗る。」のきっかけでもあった04生のS君より、さっそく私宛にメールをいただきました。


コラム読ませて頂きました。
自分をアピールする場にもかかわらず、
名前を言うのを忘れてしまうという心理。
今改めて振り返ってみると、そこには、
長所や学生生活での体験、志望動機を
何が何でも伝えなければならないという、
誤ったマニュアル意識があるからではないかと
思います。

「これを言ったから、ポイントアップだ。」
「こう言えば、面接官は聞いてくれるだろう。」
などと考えながら、面接会場に向かう時には
既に「名乗る重要性」など頭にありません。
面接対策集などにも、「名前を名乗ろう!」などと
書いてあるものは、もちろんありません。

高校生の時、私は携帯電話を持っておらず、
電話するときは必ず固定電話でした。
「夜分遅くすいませんが、○○と申します。
○○さんはいらっしゃいますか。」
というのが当たり前のようにできていた
時期もあったのにもかかわらず、
今では何も考えず、「あ、俺だけど。」
と言ってしまっている自分が恥ずかしいと思う
気持ちもあります。

名乗ることだけで、内定に近づけるという現状に対し、
生意気ですが、失望感も抱いています。
そういう私もついこの間まで、名乗ることすら
できない人間だったことを思い出し、
広告労協のスタッフのみなさんのお力の大きさを
改めて感じたコラムでした。

今後ますますS君のような人間が増えてくるかと
思うと、とても複雑な気持ちになります。
たくさんたくさん反省したS君の
来年以降の活躍をご期待ください。

「名乗ることだけで、内定に近づけるという現状に対し、生意気ですが、失望感も抱いています。」という言葉には、考えさせられました。

確かにあのコラムではそういうトーンも入っています。しかしそれ自体が「マニュアル化」の一つにもなっているかもしれません。名前を名乗ることは、礼儀として当たり前のことであり、チェックリスト化すればよいということではありません。

チェックリストの足し算では、ガタガタのコミュニケーションしかできないでしょう。広告労協からの情報を、過去問など大学の試験対策と同等に捉えられるのを、私たちは恐れています。難しい問題ですね。

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2003.12.23

広告人冥利に尽きる。

ブランド冥利に尽きること、といったら、


ブランド名が一般名詞化する

ことに限るでしょう。ウォークマン、バンドエイド、タバスコ、ポストイット、ウォシュレット、などなど。

広告冥利に尽きる、といえば、


そのコピーやキャンペーンが、文化や習慣になること。

ですね。

いにしえのコカコーラのキャンペーンから始まって、サンタクロースは今でも世界各国でコカコーラレッドの服を着ています。

婚約指輪は給料の3カ月分、というのは、デビアスが映画館広告でひたすら流し続けてきたキャンペーンです。

文化にまでなった最大の広告キャンペーンは、「バレンタインデーにチョコレートを送る」でしょう。1958年メリーチョコレートの伊勢丹でのキャンペーンが発端となっているそうです。

もしかしたら、お正月にカレーを食べるのも、今や定番の文化ともいえるかもしれません。

広告人冥利に尽きる、そんな仕事をしたいですね。

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2003.12.22

グループディスカッション。

広告労協では、学生対面接官が1対1や複数対複数の模擬面接を実施してきましたが、まだグループディスカッションはやったことがありません。私たち自身、グループディスカッションで人事が何を見ているのか、いまだ分かりかねるところもあります。

しかし、先日の東京就職塾の後の打ち上げで、ふと思いつきました。グループディスカッションの評価というのは、飲み会での態度や動きを見るようなものなのではないかと。

場を盛り上げ、話を膨らませつつも、会の趣旨を忘れず周囲やキーパーソンに気を遣う。それが広告人の飲み会です。

もしかしたら05生の方々と飲む機会もあるでしょうが、本当においしいお酒は、あなたたちが「制服」を脱ぎ、私服組になったときに飲みましょう(苦笑)。

備考:

○私服組:就職活動を終え、労協スタッフと私服で飲める学生のこと。

○制服組:就職活動中であり、労協公式行事ではリクルートスーツを着用しなければいけない学生のこと。別名「リクスーしばり」ともいう。

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「まず、名乗る。」

blogミニコラムネタを考えていたら、まともな長編コラムになってしまい、労協HP側にアップしました。やはり私は話が長いのか(苦笑)。

「まず、名乗る。」

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2003.12.21

ミニコラム、やってみます。

広告業界就職フォーラムでは、コラムへの反響が大きくとてもびっくりしています。

@niftyがblog(Weblog)をリリースしたのをきっかけに、思いついたこと、気づいたことを短く記録するつもりで、blog形式でのミニコラムに挑戦してみようと思っています。

FTPせず、PDAからも投稿できるので、通勤中、出張中、つまらない会議中(苦笑)にでもメモって、できるだけ発表回数も多くしたいところです。駄作もあると思いますが、ご容赦を。

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